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7 領地開拓ですか?

7ー2 星観月の祭り

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 7ー2 星観月の祭り

 俺は、何か、エルガーナ辺境伯領に新しい収入源になるものがないかと考えていた。
 今のエルガーナの収入源は、主に、小麦の生産だった。
 しかし、それだけだと天候などにより不作の年もあるし。
 何か、もっと安定したものがあればいいのだが。
 俺が、屋敷の裏庭で木剣を素振りしながら考えているとアルモス兄が覗きにきた。
 上半身裸で剣を振るっている俺にアルモス兄は、頬を赤らめた。
 「ダメだよ、オルナム!年頃の男がそんな、肌を露にしちゃ!」
 「はぁ・・」
 俺は、布で汗を拭いながらアルモス兄を見た。
 アルモス兄は、父様に似ているがとても可愛らしい。
 世間一般にいうところの美少年だ。
 俺のような武骨な男とは違い、白い手には、剣だこの一つもない。
 婚約者のオーガード伯爵家の嫡女であるロザリ-様は、たいそうアルモス兄を寵愛しているそうだ。
 これが、この世界の正しい男の生きる道なのだろうな。
 俺がそんなことをぼんやりと考えているとアルモス兄が頬を膨らませた。
 「もう!聞いてるの?オルナム」
 「はい?」
 俺がきょうとんとしていると、アルモス兄がプンスカしながら言った。
 「だから、新学期が始まってすぐに星観月の祭りがあるでしょ?」
 「ああ」
 俺は、そういえばと、頷いた。
 星観月の祭り、というのは、このルシナード王国に伝わる伝説をもとにした祭りだった。
 かつて神代の昔、花の男神に恋した太陽の女神が月の女神の導きで花の男神と結ばれたとかいう昔話があり、それにちなんだ祭りを収穫の頃に国をあげて行うのだ。
 なんでも、この祭りの夜に一緒に過ごして共に朝日を眺められたカップルは、幸せになれるとか。
 人々は、この祭りの夜、一晩中、歌い躍り明かす。
 「その祭りがどうかしましたか?」
 「どうかしたかって・・」
 アルモス兄がはぁっとため息をついた。
 「もっとこういう話に興味を持って、オルナム」
 アルモス兄が不服げに俺を見た。
 「オルナムだって、婚約者がいるわけだし。しかも、二人も!」
 
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