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6 聖者なんかじゃありません!
6ー5 行儀見習い
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6ー5 行儀見習い
「自分の身は、自分で守れますからご心配なく」
俺は、笑顔で答えた。
「たぶんご存じでしょうが、俺は、魔族と戦い倒したこともあります。腕には少し、自信があります」
「魔族、か」
バイオレットが目を細める。
「つまり、それだけの力をオルナム殿個人が持っているということですな。なおさら危険だ」
バイオレットが口許だけで笑みを作った。
「あなたは、やはり我々の管理下に入られたほうがいい。この国のためにも、あなた自身のためにも」
「それ故に女王陛下は、これを二人の王女殿下の婚約者としたのでは?」
母上がバイオレットをぎろりと睨んだ。
「それとも女王陛下のお考えに問題でもあると言われるのか?」
「神殿に入られても王配は、つとまりましょう」
バイオレットは、にぃっと笑った。
「それこそ、国にとっても利となることでは?」
バイオレットの猛攻に俺は、徐々に追い込まれていった。
なんとかできないものか。
俺は、頭をフル回転させていた。
俺は、神官長から前の生で受けた仕打ちを思い出していた。
『男などこのためだけに存在するのだ』
そう奴は、俺に言った。
『お前は、女に抱かれるための存在だ』
神官長の言葉が甦ってくる。
また、俺は。
「では、こうしたらいかがでしょうか?」
不意にきこえた声にそちらを見るといつからいたのかロタの姿があった。
「この長期休暇の間、神殿に行儀見習いのために入られてみては?そして、やはり無理となればそのときは、はっきりとお断りになればよろしいでしょう」
「おお!」
バイオレットが我が意を得たりというように頷く。
「それがよろしかろう。神殿は、いつでも門戸を開いておりますよ、オルナム殿」
俺は、信じられない思いでロタを見た。
裏切り者めっ!
ロタは、睨む俺ににこっと微笑んだ。
「お任せください。オルナム様」
ロタがそっと小声でささやいた。
「悪いようにはいたしません」
悪いようには、って。
俺は、はぁっと深いため息を漏らした。
「わかりました。この長期休暇の間にだけ神殿に参りましょう」
「自分の身は、自分で守れますからご心配なく」
俺は、笑顔で答えた。
「たぶんご存じでしょうが、俺は、魔族と戦い倒したこともあります。腕には少し、自信があります」
「魔族、か」
バイオレットが目を細める。
「つまり、それだけの力をオルナム殿個人が持っているということですな。なおさら危険だ」
バイオレットが口許だけで笑みを作った。
「あなたは、やはり我々の管理下に入られたほうがいい。この国のためにも、あなた自身のためにも」
「それ故に女王陛下は、これを二人の王女殿下の婚約者としたのでは?」
母上がバイオレットをぎろりと睨んだ。
「それとも女王陛下のお考えに問題でもあると言われるのか?」
「神殿に入られても王配は、つとまりましょう」
バイオレットは、にぃっと笑った。
「それこそ、国にとっても利となることでは?」
バイオレットの猛攻に俺は、徐々に追い込まれていった。
なんとかできないものか。
俺は、頭をフル回転させていた。
俺は、神官長から前の生で受けた仕打ちを思い出していた。
『男などこのためだけに存在するのだ』
そう奴は、俺に言った。
『お前は、女に抱かれるための存在だ』
神官長の言葉が甦ってくる。
また、俺は。
「では、こうしたらいかがでしょうか?」
不意にきこえた声にそちらを見るといつからいたのかロタの姿があった。
「この長期休暇の間、神殿に行儀見習いのために入られてみては?そして、やはり無理となればそのときは、はっきりとお断りになればよろしいでしょう」
「おお!」
バイオレットが我が意を得たりというように頷く。
「それがよろしかろう。神殿は、いつでも門戸を開いておりますよ、オルナム殿」
俺は、信じられない思いでロタを見た。
裏切り者めっ!
ロタは、睨む俺ににこっと微笑んだ。
「お任せください。オルナム様」
ロタがそっと小声でささやいた。
「悪いようにはいたしません」
悪いようには、って。
俺は、はぁっと深いため息を漏らした。
「わかりました。この長期休暇の間にだけ神殿に参りましょう」
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