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6 聖者なんかじゃありません!
6ー3 まだまだ子供だな
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6ー3 まだまだ子供だな
神殿からの使者たちは、かなり遅くまで帰ろうとしなかった。
深夜になってやっと解放された母上から俺は、母上の執務室へと呼び出された。
すでに夜着に着替えていた俺は、そのまま母上のもとへと向かった。
俺が夜着一枚で現れたのを見て母上は、ちょっと驚いていた。
「オルナム。いくら家族とはいえそんな格好で家の中をうろつくのは感心しないな」
母上が俺に言った。
「お前ももう15なんだ。そろそろそういうことにも気をつけなさい」
「はい」
俺が神妙に頷くと母上は、俺に部屋に置かれたソファに腰かけるように促した。
俺が腰かけるのを見て母上がふっと口許を緩めた。
「大きくなったと思っていたがまだまだ子供だな、オルナム」
「はぁ・・」
俺は、ちらっと母上を見た。
母上は、俺にとっては未だに怖い人だ。
昔に比べると年を取ったけど、相変わらず美しいし。
母上は、さっきまで神殿からの使者の相手をしていたからか深夜にも関わらずきちんとした服装をしていた。
その首もとのネクタイを緩めながら母上は、俺に訊ねた。
「さて、いったいどういうことなのか説明してくれるかな?オルナム」
「俺にも、まったく」
俺は、答えた。
「その・・1度、か2度ほど治癒魔法を使ったことがあって、それ以来、神殿から呼び出されていたんですが、いろいろあってまだ行けずにいたんです」
「うむ」
母上が怖い顔で俺を見た。
「何から突っ込めばいいのかわからないが。まず、オルナム、お前は、治癒魔法が使えるのか?」
「ええ、まあ」
俺は、小声で答えた。
「ですが、たいしたことはないですし」
「たいしたことはない、と?」
母上が眉をつり上げた。
「どれだけ貴重な魔法だと思っている!治癒魔法などと。なぜ、私に言わなかった?」
「その、ごく最近、覚えたものですから」
俺がビクビクしながら応じると母上は、ため息をついた。
「最近、ね」
「はい、最近、です」
母上は、まじまじと俺を見つめるともう一度ため息をついた。
「それが本当だとして、なぜ、神殿からの呼び出しに応じなかった?」
「それが・・」
俺は、バルトレット王女殿下と神殿に向かったときの話をした。
「ふむ、賊に襲われた、と?」
「はい」
俺は、頷いた。
「いづれの手の者かもわかりませんでしたので、王女殿下の命で賊を取り押さえてから神殿には、伺うことになったのです」
神殿からの使者たちは、かなり遅くまで帰ろうとしなかった。
深夜になってやっと解放された母上から俺は、母上の執務室へと呼び出された。
すでに夜着に着替えていた俺は、そのまま母上のもとへと向かった。
俺が夜着一枚で現れたのを見て母上は、ちょっと驚いていた。
「オルナム。いくら家族とはいえそんな格好で家の中をうろつくのは感心しないな」
母上が俺に言った。
「お前ももう15なんだ。そろそろそういうことにも気をつけなさい」
「はい」
俺が神妙に頷くと母上は、俺に部屋に置かれたソファに腰かけるように促した。
俺が腰かけるのを見て母上がふっと口許を緩めた。
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俺は、ちらっと母上を見た。
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母上は、さっきまで神殿からの使者の相手をしていたからか深夜にも関わらずきちんとした服装をしていた。
その首もとのネクタイを緩めながら母上は、俺に訊ねた。
「さて、いったいどういうことなのか説明してくれるかな?オルナム」
「俺にも、まったく」
俺は、答えた。
「その・・1度、か2度ほど治癒魔法を使ったことがあって、それ以来、神殿から呼び出されていたんですが、いろいろあってまだ行けずにいたんです」
「うむ」
母上が怖い顔で俺を見た。
「何から突っ込めばいいのかわからないが。まず、オルナム、お前は、治癒魔法が使えるのか?」
「ええ、まあ」
俺は、小声で答えた。
「ですが、たいしたことはないですし」
「たいしたことはない、と?」
母上が眉をつり上げた。
「どれだけ貴重な魔法だと思っている!治癒魔法などと。なぜ、私に言わなかった?」
「その、ごく最近、覚えたものですから」
俺がビクビクしながら応じると母上は、ため息をついた。
「最近、ね」
「はい、最近、です」
母上は、まじまじと俺を見つめるともう一度ため息をついた。
「それが本当だとして、なぜ、神殿からの呼び出しに応じなかった?」
「それが・・」
俺は、バルトレット王女殿下と神殿に向かったときの話をした。
「ふむ、賊に襲われた、と?」
「はい」
俺は、頷いた。
「いづれの手の者かもわかりませんでしたので、王女殿下の命で賊を取り押さえてから神殿には、伺うことになったのです」
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