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5 歴史は、繰り返す?
5ー9 あなたがそれを望むから
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5ー9 あなたがそれを望むから
学期末のパーティーが終わると長期休暇が待っている。
俺は、領地に戻って久しぶりに騎士団長のライザと手合わせしてもらいたかった。
それに母上にもっと領地経営の話をききたいし。
父様の作った野菜も食べたい。
兄上たちは、同じ王都にいるが学園が違うせいでなかなか会う機会がなかったけど、この前の魔法学園での学期末パーティーのとき、会うことができた。
兄上たちの婚約者も魔法学園の生徒だったからな。
上の兄上のエドワードは、俺と二人の王女殿下との婚約に驚いていた。
エドワードより一つ年下のアルモスには、素直にお祝いを言われてしまった。
「女のまねして騎士になるとか言ってるから心配してたんだよ、オルナム」
兄上たちは、口をそろえて俺に話した。
「もう、ロタにもらってもらうしかないかとか思っていたんだよ」
そういうアルモス兄にエドワード兄がふっと表情を曇らせる。
「ロタのこと、あんまり気にするな。お前を守れたなら、それでロタは、十分だと思っているだろう」
俺は、二人の言葉に頷いた。
二人とも、俺を慰めようとしてくれているんだ。
俺は、ロタが実は、ローエルタールという人外の存在だったことを誰にも言えずにいた。
ロタの母親にも。
だって。
ロタは、みんなにとって確かに存在したから。
俺たちの知っているロタは、人外のものなどではなかった。
優しくて、愛おしくて。
忘れられない女だった。
エドワード兄は、婚約者との約束があったからこの長期休暇には、領地には戻れないけど、アルモス兄は、俺と一緒に家に帰るつもりだと話した。
俺は、本来なら俺も通う筈だった淑男学園の話をきかせてもらうことになった。
いや。
俺も知ってるんだが。
前の生では、俺もそっちに通っていたしな。
だけど、優しくてかわいいアルモス兄のことだし、俺は、笑顔で楽しみにしている、と答えたんだ。
俺は、使っている寮の部屋の片付けをしながら一息ついた。
「ロタ、お茶・・」
言いかけて俺は、はっと気づいた。
もう、彼女は。
俺の胸を冷たい風が吹いた。
「はい、オルナム様」
はい?
振り向いた俺の目の前に湯気のたつお茶の入ったティーカップが差し出された。
「えっ?」
そこには、以前と変わらないロタの姿があった。
俺は、目を擦った。
しかし。
ロタは、消えなかった。
「な・・ロタ?」
「お茶、こぼれますよ」
ロタに言われて俺は、カップを慌てて横のテーブルへと置いた。
「なんで?」
「だって」
ロタが微笑む。
「あなたがそれを望むから」
学期末のパーティーが終わると長期休暇が待っている。
俺は、領地に戻って久しぶりに騎士団長のライザと手合わせしてもらいたかった。
それに母上にもっと領地経営の話をききたいし。
父様の作った野菜も食べたい。
兄上たちは、同じ王都にいるが学園が違うせいでなかなか会う機会がなかったけど、この前の魔法学園での学期末パーティーのとき、会うことができた。
兄上たちの婚約者も魔法学園の生徒だったからな。
上の兄上のエドワードは、俺と二人の王女殿下との婚約に驚いていた。
エドワードより一つ年下のアルモスには、素直にお祝いを言われてしまった。
「女のまねして騎士になるとか言ってるから心配してたんだよ、オルナム」
兄上たちは、口をそろえて俺に話した。
「もう、ロタにもらってもらうしかないかとか思っていたんだよ」
そういうアルモス兄にエドワード兄がふっと表情を曇らせる。
「ロタのこと、あんまり気にするな。お前を守れたなら、それでロタは、十分だと思っているだろう」
俺は、二人の言葉に頷いた。
二人とも、俺を慰めようとしてくれているんだ。
俺は、ロタが実は、ローエルタールという人外の存在だったことを誰にも言えずにいた。
ロタの母親にも。
だって。
ロタは、みんなにとって確かに存在したから。
俺たちの知っているロタは、人外のものなどではなかった。
優しくて、愛おしくて。
忘れられない女だった。
エドワード兄は、婚約者との約束があったからこの長期休暇には、領地には戻れないけど、アルモス兄は、俺と一緒に家に帰るつもりだと話した。
俺は、本来なら俺も通う筈だった淑男学園の話をきかせてもらうことになった。
いや。
俺も知ってるんだが。
前の生では、俺もそっちに通っていたしな。
だけど、優しくてかわいいアルモス兄のことだし、俺は、笑顔で楽しみにしている、と答えたんだ。
俺は、使っている寮の部屋の片付けをしながら一息ついた。
「ロタ、お茶・・」
言いかけて俺は、はっと気づいた。
もう、彼女は。
俺の胸を冷たい風が吹いた。
「はい、オルナム様」
はい?
振り向いた俺の目の前に湯気のたつお茶の入ったティーカップが差し出された。
「えっ?」
そこには、以前と変わらないロタの姿があった。
俺は、目を擦った。
しかし。
ロタは、消えなかった。
「な・・ロタ?」
「お茶、こぼれますよ」
ロタに言われて俺は、カップを慌てて横のテーブルへと置いた。
「なんで?」
「だって」
ロタが微笑む。
「あなたがそれを望むから」
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