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4 魔法学園の花ですか?(3)

4ー6 二人の王女

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 4ー6 二人の王女

 王女殿下たちは、どんどんダンジョンの奥へと進んで行った。
 徐々に出てくる魔物も大きく強くなっていくが、王女殿下たちは、かまわず魔物を手当たり次第に狩り続けた。
 俺とロタは、二人が倒した魔物の死骸から魔石を取り出しては、収納していた。
 ダンジョンでは、魔物の死骸は、自然に地面や壁に吸収されて消えていくようだ。
 ダンジョンに出てくる魔物は、倒しても魔石以外は持ち帰ることができない。
 外の魔の森なんかで倒した魔物は、魔道具の素材になったりするがここではそんなことはない。
 ダンジョンは、なぜ、存在するのか?
 俺は、魔石拾いをしながら考えていた。
 ロタが俺にそっとささやいた。
 「あのお二方、化け物並みですね」
 「ああ」
 俺は、頷いた。
 ダンジョンに入ってからというもの、ずっと戦い続けているのにまだ、全く疲れが見えない。
 二人とも体力バカだ。
 いや。
 俺だってやろうと思えばできるが、俺には、特別なスキルがある。
 だが、あの二人には、そんなものはない筈だ。
 まったく普通にすごい。
 アウラ王女殿下は、見るからに戦闘能力が高そうだからそんなに驚かないが、バルトレット王女殿下の方は、違う。
 あんな小柄で、パッとみ幼女みたいな体型なのに戦うとアウラ王女殿下に引けをとらない。
 武具は、弓と短剣だったが、その動きは俊敏で体力もかなりある。
 俺は、ちょっとバルトレット王女殿下のことを見直していた。
 ただのおかしな趣味の困ったちゃんだと思っていたが、なかなか戦士としても有能だ。
 だが、さすがにこの魔物の量だ。
 二人とも息があがってきている。
 あまりにもダンジョンの深部に来てしまったようだし、そろそろ二人を止めた方がいい。
 というか、止めなくてはいけない。
 だって、護衛の皆さんが涙目で俺のこと見てるし!
 俺は、バルトレット王女殿下が足をとられて膝をついた瞬間を狙ってダンジョンの通路の奥へと向かって炎の矢を放った。
 ごうっと唸りをたてて炎は、ダンジョンの通路に溢れている魔物たちを焼き払った。
 頬を流れる汗を拭いながら振り向いたアウラ王女殿下が俺をじろりと睨み付けた。
 「手を出すなといった筈だが」
 「もうそろそろ休憩にしませんか?」
 俺は、二人に皮の水筒を差し出した。
 バルトレット王女殿下が奪い取るように水筒の袋を手に取ると音をたてて水を飲み干した。
 
 
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