25 / 105
3 魔法学園の花ですか?(2)
3ー6 神殿への連行
しおりを挟む
3ー6 神殿への連行
食事をすませた俺とロタの前に腰かけたバルトレット王女殿下は、ウエイトレスが運んできたお茶のカップを持ち上げて口元へと運んで一口飲んだ。
「うむ。まあまあの茶葉を使っているな」
「で?」
俺は、のんびりお茶を飲んでいるバルトレット王女殿下に訊ねた。
「今日は、なんの用があるんです?」
「つれないな」
バルトレットお王女殿下がふぅっとため息をつく。
「アウラとは、仲良く戯れているそうじゃないか」
「戯れ!?」
俺の脳裏にさっきの更衣室でのアウラ王女殿下とのキスのことが浮かんだ。
この人も、か?
俺は、じっとうかがうようにバルトレット王女殿下のことを見た。
それとも何か、確信があってのことか?
俺が内心ドキドキしていると、バルトレット王女殿下がにぃっと笑った。
「なんでも魔法の模擬戦でアウラをこてんぱんにのしたそうじゃないか。しかも、怪我をした奴に治癒魔法まで施してやったとか」
「はぁ・・」
そっちのことか。
俺は、ちょっとほっとしていた。
バルトレット王女殿下は、ふん、と鼻を鳴らした。
「怪我など治癒してやる必要などないのに。優しくすればつけあがるだけだろうが」
「しかし」
俺は、バルトレット王女殿下の顔色をうかがいながら言った。
「妹殿下は、大変な火傷をおっておられたので」
「そのせいでお前を神殿へ連れていかなくてはならなくなった」
はい?
俺は、ぎょっとして王女殿下を見た。
なんで、俺が神殿に行かなくちゃいけないんだ?
てか、連行?
連行されちゃうわけ?
俺は、頭がぐるぐるなっていた。
確かに、前回の生では、神殿からも取り調べを受けた。
聖者に対する暗殺を企んだという疑いをかけられてな。
そういえば、神殿から来た大神官にも俺は、凌辱されたんだったな。
思い出して俺の背筋に冷たいものが走る。
「どうした?オルナム」
バルトレット王女殿下が俺に訊ねた。
「顔色が悪いぞ」
「いえ、なんでも、ないです」
俺は、なんとか答えるとバルトレット王女殿下を上目使いに見つめた。
「それは・・今からということでしょうか?」
「いや」
バルトレット王女殿下は、ひらひらと手を振った。
「今日は、お前も体調が悪そうだし、明日でもいい」
食事をすませた俺とロタの前に腰かけたバルトレット王女殿下は、ウエイトレスが運んできたお茶のカップを持ち上げて口元へと運んで一口飲んだ。
「うむ。まあまあの茶葉を使っているな」
「で?」
俺は、のんびりお茶を飲んでいるバルトレット王女殿下に訊ねた。
「今日は、なんの用があるんです?」
「つれないな」
バルトレットお王女殿下がふぅっとため息をつく。
「アウラとは、仲良く戯れているそうじゃないか」
「戯れ!?」
俺の脳裏にさっきの更衣室でのアウラ王女殿下とのキスのことが浮かんだ。
この人も、か?
俺は、じっとうかがうようにバルトレット王女殿下のことを見た。
それとも何か、確信があってのことか?
俺が内心ドキドキしていると、バルトレット王女殿下がにぃっと笑った。
「なんでも魔法の模擬戦でアウラをこてんぱんにのしたそうじゃないか。しかも、怪我をした奴に治癒魔法まで施してやったとか」
「はぁ・・」
そっちのことか。
俺は、ちょっとほっとしていた。
バルトレット王女殿下は、ふん、と鼻を鳴らした。
「怪我など治癒してやる必要などないのに。優しくすればつけあがるだけだろうが」
「しかし」
俺は、バルトレット王女殿下の顔色をうかがいながら言った。
「妹殿下は、大変な火傷をおっておられたので」
「そのせいでお前を神殿へ連れていかなくてはならなくなった」
はい?
俺は、ぎょっとして王女殿下を見た。
なんで、俺が神殿に行かなくちゃいけないんだ?
てか、連行?
連行されちゃうわけ?
俺は、頭がぐるぐるなっていた。
確かに、前回の生では、神殿からも取り調べを受けた。
聖者に対する暗殺を企んだという疑いをかけられてな。
そういえば、神殿から来た大神官にも俺は、凌辱されたんだったな。
思い出して俺の背筋に冷たいものが走る。
「どうした?オルナム」
バルトレット王女殿下が俺に訊ねた。
「顔色が悪いぞ」
「いえ、なんでも、ないです」
俺は、なんとか答えるとバルトレット王女殿下を上目使いに見つめた。
「それは・・今からということでしょうか?」
「いや」
バルトレット王女殿下は、ひらひらと手を振った。
「今日は、お前も体調が悪そうだし、明日でもいい」
1
あなたにおすすめの小説
気づいたら美少女ゲーの悪役令息に転生していたのでサブヒロインを救うのに人生を賭けることにした
高坂ナツキ
ファンタジー
衝撃を受けた途端、俺は美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生していた!?
これは、自分が制作にかかわっていた美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生した主人公が、報われないサブヒロインを救うために人生を賭ける話。
日常あり、恋愛あり、ダンジョンあり、戦闘あり、料理ありの何でもありの話となっています。
鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった
仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
社畜OLが学園系乙女ゲームの世界に転生したらモブでした。
星名柚花
恋愛
野々原悠理は高校進学に伴って一人暮らしを始めた。
引越し先のアパートで出会ったのは、見覚えのある男子高校生。
見覚えがあるといっても、それは液晶画面越しの話。
つまり彼は二次元の世界の住人であるはずだった。
ここが前世で遊んでいた学園系乙女ゲームの世界だと知り、愕然とする悠理。
しかし、ヒロインが転入してくるまであと一年ある。
その間、悠理はヒロインの代理を務めようと奮闘するけれど、乙女ゲームの世界はなかなかモブに厳しいようで…?
果たして悠理は無事攻略キャラたちと仲良くなれるのか!?
※たまにシリアスですが、基本は明るいラブコメです。
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる