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3 魔法学園の花ですか?(2)

3ー2 嫌われたい!

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 3ー2 嫌われたい!

 もともとバルトレット王女殿下とアウラ王女殿下は、不仲なことで有名だ。
 まだ、どちらも立太子されていないこともあるのだろうが、女としてみてもわかるように、優秀で人望も高いアウラ王女殿下に比べてバルトレット王女殿下は、少し劣っているようだ。
 子供の頃から比較されてきたせいか、バルトレッド王女殿下のアウラ王女殿下に対する思いは、歪んでいる。
 今回、俺が婚約破棄を申し出ていることも、バルトレッド王女殿下からすれば、俺が優秀な妹に乗り換えようとしているのでは、と疑っているようだ。
 そのせいでバルトレッド王女殿下は、俺との婚約を破棄することを拒否している。
 辺境伯の三男とはいえ、すでに騎士として名をなそうとしている俺が第2王女殿下の婚約者になることは第1王女殿下派閥にしてみたら避けたいことだった。
 そのため、バルトレッド王女殿下が俺に執着しているような印象を周囲に与えているのは、俺からするとすごく困ることだ。
 このまま、宰相が聖者をつれてきた場合、また、俺や俺の家族への迫害が始まる恐れが高い。
 それは、なんとしても避けたかった。
 俺は、なんとかしてバルトレット王女殿下に円満に嫌われたかった。
 できれば、アウラ王女殿下にもな。
 この世界では、男は、大人しく従順なことが美徳とされる。
 つまり、その逆をいけば嫌われる可能性が高い。
 俺は、とにかく学園の授業をがんばった。
 特に実技。
 まず、アウラ王女殿下に嫌われるために彼女をこてんぱんにのさなくては。
 その機会は、わりとすぐにやってきた。
 ミラン先生の魔法の実技の授業で生徒同士の対戦形式での試験が行われ、そのときの俺の対戦相手がアウラ王女殿下だった。
 ほんとならここで俺が手を抜いてアウラ王女殿下に花をもたせるべきなのかもしれないが、俺は、そんなことはしない。
 ここぞとばかりにアウラ王女殿下を叩きのめす。
 俺は、ヤル気満々だった。
 闘技場での対戦。
 他の生徒たちが見守る中、俺は、アウラ王女殿下と対峙した。
 アウラ王女殿下は、俺と同じぐらい体格がいい。
 背も高いし、世の男たちの憧れの美丈夫だ。
 魔法は、炎属性だった。
 俺は、ローの時代から全属性を使えるし、炎属性にも十分対処できる。
 ミラン先生が合図をする。
 「始め!」
 
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