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20 魔王国開拓史?
20ー8 幸福を得る方法
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20ー8 幸福を得る方法
そうしてさらに数ヵ月が過ぎた。
グレングルド王国と魔王国の和平条約は難航していた。
魔王国の国境は、何頭ものドラゴンたちによって守られていた。
そのため、商会の空船もちかづけないようだった。
大地は、じょじょに回復していっていた。
マナも供給されはじめてダンジョンも甦っていく。
だが。
それでも魔族たちの多くは自らが開拓した土地に残った。
わたしは、ルゥに訊ねた。
「そろそろ力を使えるか?」
「なんのこと?」
ルゥは、可愛らしくわたしを上目使いに見上げた。
こいつ!
かなりの悪だな!
わたしは、魔族たちの開拓した大地を見渡せる小高い丘に上ると、精霊さんたちにお願いした。
「精霊さん!この大地に祝福を与えてください!お願いしますぅ!」
光の柱が何本も立ち上った。
空から、星が降り注ぐ。
慈雨のような光の洪水に大地は、七色の輝きに包まれた。
痩せて石ころばかりだった大地が見違えるような豊かな農作地へと変わっていく。
「これが聖女の力、か」
呟いた魔王様にわたしは応じた。
「これは、聖女の力なんかじゃないし。この大地がもともと持っていた力を解放したにすぎない」
それからさらに数ヵ月が過ぎた。
魔王国には、黄金色に輝く大地が広がっていた。
それは、実りの色。
魔族たちは、もう立派な農民になっていた。
「魔王様!うちの畑を見ていってください!」
いくつもの村を見回る魔王様に村人たちが次々に声をかける。
今や、かつての残虐で戦いに明け暮れていた魔族の姿はなかった。
ここにいるのは大地に感謝し、仲間や
家族を愛し、汗を流して働くことを喜びとする立派な農民たちだった。
中には、この変化を受け入れられない人々もいた。
「聖女なんぞに骨抜きにされて!」
そう彼らは言った。
だけど。
今の満ち足りた人々の表情は、なにものにも代えがたいものだ。
いつしか、魔族たちは、ダンジョンに頼ることをやめていた。
大地の力は高まり国は豊かになっていった。
それにつれて、魔王国は、周囲の国々と争う意思が薄れていった。
もう、争わなくてもよかった。
魔族たちは、戦わなくても幸福を得る方法手に入れたのだ。
そうしてさらに数ヵ月が過ぎた。
グレングルド王国と魔王国の和平条約は難航していた。
魔王国の国境は、何頭ものドラゴンたちによって守られていた。
そのため、商会の空船もちかづけないようだった。
大地は、じょじょに回復していっていた。
マナも供給されはじめてダンジョンも甦っていく。
だが。
それでも魔族たちの多くは自らが開拓した土地に残った。
わたしは、ルゥに訊ねた。
「そろそろ力を使えるか?」
「なんのこと?」
ルゥは、可愛らしくわたしを上目使いに見上げた。
こいつ!
かなりの悪だな!
わたしは、魔族たちの開拓した大地を見渡せる小高い丘に上ると、精霊さんたちにお願いした。
「精霊さん!この大地に祝福を与えてください!お願いしますぅ!」
光の柱が何本も立ち上った。
空から、星が降り注ぐ。
慈雨のような光の洪水に大地は、七色の輝きに包まれた。
痩せて石ころばかりだった大地が見違えるような豊かな農作地へと変わっていく。
「これが聖女の力、か」
呟いた魔王様にわたしは応じた。
「これは、聖女の力なんかじゃないし。この大地がもともと持っていた力を解放したにすぎない」
それからさらに数ヵ月が過ぎた。
魔王国には、黄金色に輝く大地が広がっていた。
それは、実りの色。
魔族たちは、もう立派な農民になっていた。
「魔王様!うちの畑を見ていってください!」
いくつもの村を見回る魔王様に村人たちが次々に声をかける。
今や、かつての残虐で戦いに明け暮れていた魔族の姿はなかった。
ここにいるのは大地に感謝し、仲間や
家族を愛し、汗を流して働くことを喜びとする立派な農民たちだった。
中には、この変化を受け入れられない人々もいた。
「聖女なんぞに骨抜きにされて!」
そう彼らは言った。
だけど。
今の満ち足りた人々の表情は、なにものにも代えがたいものだ。
いつしか、魔族たちは、ダンジョンに頼ることをやめていた。
大地の力は高まり国は豊かになっていった。
それにつれて、魔王国は、周囲の国々と争う意思が薄れていった。
もう、争わなくてもよかった。
魔族たちは、戦わなくても幸福を得る方法手に入れたのだ。
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