138 / 230
12 婚約とドレスと女の戦い
12ー9 王都へ
しおりを挟む
12ー9 王都へ
わたしとライナス先生は、大公閣下たちと一緒に同行させてもらうことになった。
なんでも普通に自分たちの馬車で行くよりも大公閣下の馬車で行く方が5日は、速く王都につくらしい。
やっぱ、領地を移動するたびにある検問がないからかな?
誰もこの馬車を止めようとは思わないでしょ?
だって、見るからにヤバイ感じだし。
しかも!
行きの馬車の中でレイアさんがわたしに特別にマナー講座を開いてくれるらしい。
有り難すぎて涙がちょちょぎれるって!
わたしは、普段は、特殊なメイド服っぽいこの世界からすれば珍しく動きやすさに重点を置かれた服を身に付けていた。
だが、この旅ではそれは許されなかった。
なぜなら、わたしは、将来の男爵婦人であり、しかも、大公閣下夫妻の お相手をしなくてはならないので今度だけは、失礼のない、しかもお上品な服装を心がけなくてはならない。
わたしは、メイファさんが製作してくれたドレスの中から普段着的なタウンドレスを選んで身に付けていた。
ほとんど紺色のような濃いブルーのタウンドレスは、落ち着きがあってしかも少しだけ可愛らしさを残したドレスだ。
そして、何より動きやすい。
その体の線の出るスッキリとした印象のドレスにレイアさんは、驚いていた。
「そんな風変わりなドレスは見たことがないわ。トガー様、どこでそのドレスを手に入れられましたの?」
そこでメイファさんに作ってもらったことを話すとレイアさんは、わたしにきいた。
「私もその方を紹介していただけるかしら?」
「いいですよ」
レイアさんとわたしが2人で話している間、私たちから少し離れたところで大公閣下とライナス先生は、最近新しくわたしの商会から売り出したゲームを楽しんでいた。
それは、普通の将棋だったが少しだけ工夫して駒に動く方向を記したものだ。
これなら初心者にも わかりやすいし。
実際、大公閣下とライナス先生は、初心者同士で盤を挟んでああだこうだしている。
「なるほど、この駒は1つづつしか前に進めんのだな」
「ですが、大公閣下。これは、敵の陣地に置いては変化するようですよ」
ルールブックを片手に話すライナス先生に大公閣下は、頷きつつ答えた。
「そうか。だが、ライナス殿、私のことはロドニーと呼んでくれ」
わたしとライナス先生は、大公閣下たちと一緒に同行させてもらうことになった。
なんでも普通に自分たちの馬車で行くよりも大公閣下の馬車で行く方が5日は、速く王都につくらしい。
やっぱ、領地を移動するたびにある検問がないからかな?
誰もこの馬車を止めようとは思わないでしょ?
だって、見るからにヤバイ感じだし。
しかも!
行きの馬車の中でレイアさんがわたしに特別にマナー講座を開いてくれるらしい。
有り難すぎて涙がちょちょぎれるって!
わたしは、普段は、特殊なメイド服っぽいこの世界からすれば珍しく動きやすさに重点を置かれた服を身に付けていた。
だが、この旅ではそれは許されなかった。
なぜなら、わたしは、将来の男爵婦人であり、しかも、大公閣下夫妻の お相手をしなくてはならないので今度だけは、失礼のない、しかもお上品な服装を心がけなくてはならない。
わたしは、メイファさんが製作してくれたドレスの中から普段着的なタウンドレスを選んで身に付けていた。
ほとんど紺色のような濃いブルーのタウンドレスは、落ち着きがあってしかも少しだけ可愛らしさを残したドレスだ。
そして、何より動きやすい。
その体の線の出るスッキリとした印象のドレスにレイアさんは、驚いていた。
「そんな風変わりなドレスは見たことがないわ。トガー様、どこでそのドレスを手に入れられましたの?」
そこでメイファさんに作ってもらったことを話すとレイアさんは、わたしにきいた。
「私もその方を紹介していただけるかしら?」
「いいですよ」
レイアさんとわたしが2人で話している間、私たちから少し離れたところで大公閣下とライナス先生は、最近新しくわたしの商会から売り出したゲームを楽しんでいた。
それは、普通の将棋だったが少しだけ工夫して駒に動く方向を記したものだ。
これなら初心者にも わかりやすいし。
実際、大公閣下とライナス先生は、初心者同士で盤を挟んでああだこうだしている。
「なるほど、この駒は1つづつしか前に進めんのだな」
「ですが、大公閣下。これは、敵の陣地に置いては変化するようですよ」
ルールブックを片手に話すライナス先生に大公閣下は、頷きつつ答えた。
「そうか。だが、ライナス殿、私のことはロドニーと呼んでくれ」
0
お気に入りに追加
752
あなたにおすすめの小説
コミュ障、異世界転生で存在消失す ~透明人間はスローなライフも思いのままでした~
好きな言葉はタナボタ
ファンタジー
早良尻(さわらじり)エリカは23才の女子大生。 人嫌いが原因で自殺した彼女は、神様に人嫌いを咎(とが)められ異世界に飛ばされてしまう。「お前を誰にも気づかれない存在に生まれ変わらせてやろう。 人恋しいという気持ちが生まれるまで人の世で孤独を味わい続けるがいい」 ところがエリカは孤独が大好物だった。 誰にも認識されない存在となった彼女は、神様の思惑に反して悠々自適の生活を送ることに。
聖女やめます……タダ働きは嫌!友達作ります!冒険者なります!お金稼ぎます!ちゃっかり世界も救います!
さくしゃ
ファンタジー
職業「聖女」としてお勤めに忙殺されるクミ
祈りに始まり、一日中治療、時にはドラゴン討伐……しかし、全てタダ働き!
も……もう嫌だぁ!
半狂乱の最強聖女は冒険者となり、軟禁生活では味わえなかった生活を知りはっちゃける!
時には、不労所得、冒険者業、アルバイトで稼ぐ!
大金持ちにもなっていき、世界も救いまーす。
色んなキャラ出しまくりぃ!
カクヨムでも掲載チュッ
⚠︎この物語は全てフィクションです。
⚠︎現実では絶対にマネはしないでください!
婚約破棄された聖女がモフモフな相棒と辺境地で自堕落生活! ~いまさら国に戻れと言われても遅いのです~
銀灰
ファンタジー
生まれながらに、その身に聖なる女神の力を宿した現人神、聖女。
人生に酷烈たる天命を負った、神と人に献身の奉じを約束した存在――聖女ルールゥは、己の存在意義をそのようなものであると固く信じていたのだが……。
ある日ルールゥは、婚約を結んでいた皇子から婚約破棄を言い渡されてしまう。
曰く、昨今の技術発展に伴い聖女の力が必要とされなくなり、その権威が失墜の一途を辿っているからだという。
罵詈雑言と共に婚約破棄を言い渡されただけではなく――近く、聖女としての責務も解かれると宣告される。
人々に忘れ去られ、天命の意味を失い――ルールゥは追われるように国を後にする。
聖女に寄り添う神獣のミハクを旅の共に、艱難辛苦を乗り越え、住み良い辺境の地を発見し、そこで新たな生活が始まろうとしていたのだが――。
その地で待っていたのは、もふもふな相棒と過ごす、自堕落な生活だった!?
与えられた天命を捨て、心を取り戻し、新たな天命の意味を見出す物語。
働くって、クソです!?
【リクエスト作品】邪神のしもべ 異世界での守護神に邪神を選びました…だって俺には凄く気高く綺麗に見えたから!
石のやっさん
ファンタジー
主人公の黒木瞳(男)は小さい頃に事故に遭い精神障害をおこす。
その障害は『美醜逆転』ではなく『美恐逆転』という物。
一般人から見て恐怖するものや、悍ましいものが美しく見え、美しいものが醜く見えるという物だった。
幼い頃には通院をしていたが、結局それは治らず…今では周りに言わずに、1人で抱えて生活していた。
そんな辛い日々の中教室が光り輝き、クラス全員が異世界転移に巻き込まれた。
白い空間に声が流れる。
『我が名はティオス…別世界に置いて創造神と呼ばれる存在である。お前達は、異世界ブリエールの者の召喚呪文によって呼ばれた者である』
話を聞けば、異世界に召喚された俺達に神々が祝福をくれると言う。
幾つもの神を見ていくなか、黒木は、誰もが近寄りさえしない女神に目がいった。
金髪の美しくまるで誰も彼女の魅力には敵わない。
そう言い切れるほど美しい存在…
彼女こそが邪神エグソーダス。
災いと不幸をもたらす女神だった。
今回の作品は『邪神』『美醜逆転』その二つのリクエストから書き始めました。
最強幼女のお助け道中〜聖女ですが、自己強化の秘法の副作用で幼女化してしまいました。神器破城槌を振り回しながら、もふもふと一緒に旅を続けます〜
黄舞
ファンタジー
勇者パーティの支援職だった私は、自己を超々強化する秘法と言われた魔法を使い、幼女になってしまった。
そんな私の姿を見て、パーティメンバーが決めたのは……
「アリシアちゃん。いい子だからお留守番しててね」
見た目は幼女でも、最強の肉体を手に入れた私は、付いてくるなと言われた手前、こっそりひっそりと陰から元仲間を支援することに決めた。
戦神の愛用していたという神器破城槌を振り回し、神の乗り物だと言うもふもふ神獣と旅を続ける珍道中!
主人公は元は立派な大人ですが、心も体も知能も子供です
基本的にコメディ色が強いです
【完結】女神の使徒に選ばれた私の自由気ままな異世界旅行とのんびりスローライフ
あろえ
ファンタジー
鳥に乗って空を飛べるなんて、まるで夢みたい――。
菓子店で働く天宮胡桃(あまみやくるみ)は、父親が異世界に勇者召喚され、エルフと再婚したことを聞かされた。
まさか自分の父親に妄想癖があったなんて……と思っているのも束の間、突然、目の前に再婚者の女性と義妹が現れる。
そのエルフを象徴する尖った耳と転移魔法を見て、アニメや漫画が大好きな胡桃は、興奮が止まらない。
「私も異世界に行けるの?」
「……行きたいなら、別にいいけど」
「じゃあ、異世界にピクニックへ行こう!」
半ば強引に異世界に訪れた胡桃は、義妹の案内で王都を巡り、魔法使いの服を着たり、独特な食材に出会ったり、精霊鳥と遊んだりして、異世界旅行を満喫する。
そして、綺麗な花々が咲く湖の近くでお弁当を食べていたところ、小さな妖精が飛んできて――?
これは日本と異世界を行き来して、二つの世界で旅行とスローライフを満喫する胡桃の物語である。
《完結》転生令嬢の甘い?異世界スローライフ ~神の遣いのもふもふを添えて~
芽生 (メイ)
ファンタジー
ガタガタと揺れる馬車の中、天海ハルは目を覚ます。
案ずるメイドに頭の中の記憶を頼りに会話を続けるハルだが
思うのはただ一つ
「これが異世界転生ならば詰んでいるのでは?」
そう、ハルが転生したエレノア・コールマンは既に断罪後だったのだ。
エレノアが向かう先は正道院、膨大な魔力があるにもかかわらず
攻撃魔法は封じられたエレノアが使えるのは生活魔法のみ。
そんなエレノアだが、正道院に来てあることに気付く。
自給自足で野菜やハーブ、畑を耕し、限られた人々と接する
これは異世界におけるスローライフが出来る?
希望を抱き始めたエレノアに突然現れたのはふわふわもふもふの狐。
だが、メイドが言うにはこれは神の使い、聖女の証?
もふもふと共に過ごすエレノアのお菓子作りと異世界スローライフ!
※場所が正道院で女性中心のお話です
※小説家になろう! カクヨムにも掲載中
黒聖女の成り上がり~髪が黒いだけで国から追放されたので、隣の国で聖女やります~【完結】
小平ニコ
ファンタジー
大学生の黒木真理矢は、ある日突然、聖女として異世界に召喚されてしまう。だが、異世界人たちは真理矢を見て、開口一番「なんだあの黒い髪は」と言い、嫌悪の眼差しを向けてきた。
この国では、黒い髪の人間は忌まわしき存在として嫌われており、真理矢は、婚約者となるはずであった王太子からも徹底的に罵倒され、国を追い出されてしまう。
(勝手に召喚して、髪が黒いから出てけって、ふざけるんじゃないわよ――)
怒りを胸に秘め、真理矢は隣国に向かった。どうやら隣国では、黒髪の人間でも比較的まともな扱いを受けられるそうだからだ。
(元の世界には戻れないみたいだし、こうなったら聖女の力を使って、隣の国で成り上がってやるわ)
真理矢はそう決心し、見慣れぬ世界で生きていく覚悟を固めたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる