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10 ボディメイカー
10ー9 助けてください!
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10ー9 助けてください!
大公閣下は、じっと燃えるような瞳でわたしを見詰めていた。
「答えてくれ、トガー殿。あなたは、人工の肉体の研究をしておられるとか?」
ほえっ?
わたしは、ひきつった笑いを浮かべて凍りついていた。
バレてるのね!
「あのっ!それは、決して大公閣下が思われているような、戦争に使うためのものではなくっ!ただの体の不自由な人のための研究であって、しかも、わたしは、ただの発案者であって技師ですらありませんからっ!」
わたしの言葉をきいて大公閣下と連れの女性が顔を見合わせて頷きあった。
「君にちょっと会って欲しい人がいるんだよ」
はい?
大公閣下とその連れの女性に促されてわたしは、奥のベッドへと連れていかれた。
待ってください!
わたしは、びびりまくっていた。
何?
この人たちは、何をするつもり?
だが。
奥のベッドの上を見てわたしは、絶句した。
そのベッドの上には痩せ細った一人の女性が横たわっていた。
あれ?
どういうこと?
わたしがぽかんとしているとその女性が目を開いてわたしを見つめた。
青い美しい瞳だ。
「お父様、その方が、トガー様、なの?」
奇妙に固い小さな声に大公閣下は頷いた。
「そうだ。タリア」
「トガー様」
その女性は、わたしを呼んだ。
わたしは、彼女の全身をそっと見回した。
彼女は、呼吸が止まらないようにか、何かの魔術的な装置を喉元に取り付けられていた。
全身は、ピクリとも動かない。
「タリアは、病気だ」
大公閣下が低い声で話した。
「タリアは、この子は、身体中が動かなくなる病なのだ」
まさか。
わたしは、大公閣下にきいた。
「それは、手足が徐々に動かなくなり、今では、呼吸も止まりかねない病ということですか?」
大公閣下が頷く。
うん。
たぶん、この女の人は、筋萎縮性側索硬化症、いわゆるALSだ。
それも、かなり具合がわるいらしい。
「この女性は?」
「この子は、私と側室であるこのレイアとの間に生まれた子でタリアという。今年で28才になるがもう10年ほど前から徐々に全身が動かなくなったきた。国中の名医と呼ばれる者たちを呼び寄せたがどうすることもできなかった。今では、この装置で呼吸だけは止まらないように守っている」
マジですか?
わたしは、嫌な予感中だった。
そして、それは的中した。
大公閣下は、わたしに頭を垂れた。
「頼む!この子を助けて欲しい。トガー殿!」
「お願いします、トガー様。とうか、この子を助けてください!」
大公閣下は、じっと燃えるような瞳でわたしを見詰めていた。
「答えてくれ、トガー殿。あなたは、人工の肉体の研究をしておられるとか?」
ほえっ?
わたしは、ひきつった笑いを浮かべて凍りついていた。
バレてるのね!
「あのっ!それは、決して大公閣下が思われているような、戦争に使うためのものではなくっ!ただの体の不自由な人のための研究であって、しかも、わたしは、ただの発案者であって技師ですらありませんからっ!」
わたしの言葉をきいて大公閣下と連れの女性が顔を見合わせて頷きあった。
「君にちょっと会って欲しい人がいるんだよ」
はい?
大公閣下とその連れの女性に促されてわたしは、奥のベッドへと連れていかれた。
待ってください!
わたしは、びびりまくっていた。
何?
この人たちは、何をするつもり?
だが。
奥のベッドの上を見てわたしは、絶句した。
そのベッドの上には痩せ細った一人の女性が横たわっていた。
あれ?
どういうこと?
わたしがぽかんとしているとその女性が目を開いてわたしを見つめた。
青い美しい瞳だ。
「お父様、その方が、トガー様、なの?」
奇妙に固い小さな声に大公閣下は頷いた。
「そうだ。タリア」
「トガー様」
その女性は、わたしを呼んだ。
わたしは、彼女の全身をそっと見回した。
彼女は、呼吸が止まらないようにか、何かの魔術的な装置を喉元に取り付けられていた。
全身は、ピクリとも動かない。
「タリアは、病気だ」
大公閣下が低い声で話した。
「タリアは、この子は、身体中が動かなくなる病なのだ」
まさか。
わたしは、大公閣下にきいた。
「それは、手足が徐々に動かなくなり、今では、呼吸も止まりかねない病ということですか?」
大公閣下が頷く。
うん。
たぶん、この女の人は、筋萎縮性側索硬化症、いわゆるALSだ。
それも、かなり具合がわるいらしい。
「この女性は?」
「この子は、私と側室であるこのレイアとの間に生まれた子でタリアという。今年で28才になるがもう10年ほど前から徐々に全身が動かなくなったきた。国中の名医と呼ばれる者たちを呼び寄せたがどうすることもできなかった。今では、この装置で呼吸だけは止まらないように守っている」
マジですか?
わたしは、嫌な予感中だった。
そして、それは的中した。
大公閣下は、わたしに頭を垂れた。
「頼む!この子を助けて欲しい。トガー殿!」
「お願いします、トガー様。とうか、この子を助けてください!」
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