母の再婚で魔王が義父になりまして~淫魔なお兄ちゃんに執着溺愛されてます~

トモモト ヨシユキ

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5 愛とダンジョン

5ー14 これから

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 5ー14 これから

 なんのことだかわからない。
 といってとぼけることはもう、できそうになかった。
 僕は、仕方なく全てを母さんに話すことにした。
 何にしても、悪意のあるおっさんから聞くのと、僕本人から話すのとでは違うこともあるかもだし!
 アーキライトと一緒に添い寝してたこと。
 そして。
 王立学院に行ってからも、僕らは、心で繋がっていたこと。
 王立学院の卒業パーティーの夜、アーキライトと結ばれたこと。
 それから。
 離れていたけど、変わらず、お互いを思いあっていたこと。
 エリザベスちゃんのことが心配で戻ってきた僕をアーキライトが巣に連れ込んでいたこと。
 母さんは、全てを黙って聞いてくれた。
 僕は。
 涙目になっていた。
 「僕・・こんなことになってしまって・・でも、僕もアーキライトが好き、なんだ!」
 「そうなのね」
 母さんは、にこりと微笑んだ。
 「ルルシアは、優しすぎて心配してたのよ。いつだって他人の幸せばかりを優先してるから。でも、アーキライトちゃんのこと、好きだって言えたのね」
 母さんは、少し涙目になっていた。
 「あなたが幸せになれるなら、私は、嬉しいわ。私には、あなたが1番、大事だもの」
 魔王のおっさんがちょっと悲しげな顔をしてるのを見て、僕は、にやっとしてしまった。
 それから、僕たち家族は、ゆっくりとこれからのことを話し合った。
 この農場のこと。
 王都の商会のこと。
 これからの家族のこと。
 「私は、これからもロニアの町の酒場で働くつもり。元気なうちは、ずっと働くわ!」
 母さんが言うと魔王のおっさんが頷いた。
 「リリアが望むならそれでかまわない。私も、これからもこの町でリリアと暮らすつもりだしな」
 「私は、ルルシアがいる場所が私の居場所だと思っている。だが、できればこの農場で暮らしたいな」
 アーキライトが答える。
 「ルルシアは?」
 「僕は・・」
 僕は、どうしたいんだろう?
 僕は、しばらく考えてから口を開いた。
 「僕は、商会を続けたい。それに農場も。だから、これからもこの農場に住んで牛(カーブ)を飼いたいし、野菜も育てたい。この農場を大きくしたい!」
 「協力するわ!シア」
 母さんが言うと、魔王のおっさんもしぶしぶ同意した。
 「ああ、私も協力する」
 「もちろん、私も協力する」
 アーキライトが僕を見つめて微笑んだ。
 
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