53 / 71
4 離れて眠る夜
4ー11 覚悟しろ!
しおりを挟む
4ー11 覚悟しろ!
僕は、気配を消して細心の注意をしてエリザベスちゃんの牛舎へと転移した。
「エリザベス!」
痩せ衰え、ぐったりと横たわったエリザベスが弱々しく鳴くのをきいて僕は、胸がいっぱいになって。
僕は、エリザベスに駆け寄るとその体に抱きついた。
「すまない、エリザベスちゃん!」
僕は、そっとエリザベスの背を撫で擦った。
エリザベスは、よろめきながらその場に立ち上がろうとした。僕は、泣きながらエリザベスに話しかけた。
「エリザベスちゃん、いいから。ゆっくりしてて。すぐにご飯をもってくるから!」
「ルルシア?」
それは、僕が1番避けたかった人の声で。
僕は、ゆっくりと振り向いた。
と、いきなり胸元へと抱き寄せられて。
その温かさと、馴染みのある匂いに僕は、体が緩んでくるのを感じていた。
「アーキライト・・」
「ルルシア、もう、離さない!」
アーキライトは、手に下げていた薬草が入った籠を取り落とすと、僕を抱き上げた。
「わゎっ!」
アーキライトに横抱きに抱き上げられ、僕は、踠いた。
「下ろして!アーキライト!」
「だめだ!」
アーキライトが僕を抱いたまま歩き出す。
アーキライトは、そのまま僕を連れて転移した。
そこは、薄暗い空間で。
地上とも地下ともわからない。
ただ、周囲を岩肌に囲まれていて。
岩肌にはえているヒカリゴケが光を放ち、周囲をぼんやりと照らしている。
アーキライトは、僕を抱いたまま奥へと歩き続けた。
しばらくすると眩い光が差し、少し開けた場所へと出た。
そこは、明るい光を発している珠が浮かんでいる場所で。
そして。
「なんで?」
その岩穴の中央には大きなベッドが置かれていて。
アーキライトは、僕をベッドに下ろすと間髪いれずに僕の片足に鎖が繋がっている枷をはめた。
はい?
アーキライトは、僕をベッドに押し倒して覗き込んだ。
「もう、逃がさない、ルルシア」
「アーキライト?」
硬直してアーキライトを見上げる僕に噛みつくようにキスをすると、アーキライトは、僕の耳元で囁いた。
「今度こそ、魂の一欠片までも私のものにする」
アーキライトは、赤い舌先でちろちろと僕の喉元を舐めると僕に告げた。
「もう、手加減はしない。覚悟しろ、ルルシア」
僕は、気配を消して細心の注意をしてエリザベスちゃんの牛舎へと転移した。
「エリザベス!」
痩せ衰え、ぐったりと横たわったエリザベスが弱々しく鳴くのをきいて僕は、胸がいっぱいになって。
僕は、エリザベスに駆け寄るとその体に抱きついた。
「すまない、エリザベスちゃん!」
僕は、そっとエリザベスの背を撫で擦った。
エリザベスは、よろめきながらその場に立ち上がろうとした。僕は、泣きながらエリザベスに話しかけた。
「エリザベスちゃん、いいから。ゆっくりしてて。すぐにご飯をもってくるから!」
「ルルシア?」
それは、僕が1番避けたかった人の声で。
僕は、ゆっくりと振り向いた。
と、いきなり胸元へと抱き寄せられて。
その温かさと、馴染みのある匂いに僕は、体が緩んでくるのを感じていた。
「アーキライト・・」
「ルルシア、もう、離さない!」
アーキライトは、手に下げていた薬草が入った籠を取り落とすと、僕を抱き上げた。
「わゎっ!」
アーキライトに横抱きに抱き上げられ、僕は、踠いた。
「下ろして!アーキライト!」
「だめだ!」
アーキライトが僕を抱いたまま歩き出す。
アーキライトは、そのまま僕を連れて転移した。
そこは、薄暗い空間で。
地上とも地下ともわからない。
ただ、周囲を岩肌に囲まれていて。
岩肌にはえているヒカリゴケが光を放ち、周囲をぼんやりと照らしている。
アーキライトは、僕を抱いたまま奥へと歩き続けた。
しばらくすると眩い光が差し、少し開けた場所へと出た。
そこは、明るい光を発している珠が浮かんでいる場所で。
そして。
「なんで?」
その岩穴の中央には大きなベッドが置かれていて。
アーキライトは、僕をベッドに下ろすと間髪いれずに僕の片足に鎖が繋がっている枷をはめた。
はい?
アーキライトは、僕をベッドに押し倒して覗き込んだ。
「もう、逃がさない、ルルシア」
「アーキライト?」
硬直してアーキライトを見上げる僕に噛みつくようにキスをすると、アーキライトは、僕の耳元で囁いた。
「今度こそ、魂の一欠片までも私のものにする」
アーキライトは、赤い舌先でちろちろと僕の喉元を舐めると僕に告げた。
「もう、手加減はしない。覚悟しろ、ルルシア」
407
お気に入りに追加
914
あなたにおすすめの小説
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
▼毎日18時投稿予定
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
【完結】別れ……ますよね?
325号室の住人
BL
☆全3話、完結済
僕の恋人は、テレビドラマに数多く出演する俳優を生業としている。
ある朝、テレビから流れてきたニュースに、僕は恋人との別れを決意した。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる
塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった!
特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。
獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~
朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」
普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。
史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。
その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。
外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。
いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。
領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。
彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。
やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。
無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。
(この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる