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4 離れて眠る夜

4ー11 覚悟しろ!

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 4ー11 覚悟しろ!

 僕は、気配を消して細心の注意をしてエリザベスちゃんの牛舎へと転移した。
 「エリザベス!」
 痩せ衰え、ぐったりと横たわったエリザベスが弱々しく鳴くのをきいて僕は、胸がいっぱいになって。
 僕は、エリザベスに駆け寄るとその体に抱きついた。
 「すまない、エリザベスちゃん!」
 僕は、そっとエリザベスの背を撫で擦った。
 エリザベスは、よろめきながらその場に立ち上がろうとした。僕は、泣きながらエリザベスに話しかけた。
 「エリザベスちゃん、いいから。ゆっくりしてて。すぐにご飯をもってくるから!」
 「ルルシア?」
 それは、僕が1番避けたかった人の声で。
 僕は、ゆっくりと振り向いた。
 と、いきなり胸元へと抱き寄せられて。
 その温かさと、馴染みのある匂いに僕は、体が緩んでくるのを感じていた。
 「アーキライト・・」
 「ルルシア、もう、離さない!」
 アーキライトは、手に下げていた薬草が入った籠を取り落とすと、僕を抱き上げた。
 「わゎっ!」
 アーキライトに横抱きに抱き上げられ、僕は、踠いた。
 「下ろして!アーキライト!」
 「だめだ!」
 アーキライトが僕を抱いたまま歩き出す。
 アーキライトは、そのまま僕を連れて転移した。
 そこは、薄暗い空間で。
 地上とも地下ともわからない。
 ただ、周囲を岩肌に囲まれていて。
 岩肌にはえているヒカリゴケが光を放ち、周囲をぼんやりと照らしている。
 アーキライトは、僕を抱いたまま奥へと歩き続けた。
 しばらくすると眩い光が差し、少し開けた場所へと出た。
 そこは、明るい光を発している珠が浮かんでいる場所で。
 そして。
 「なんで?」
 その岩穴の中央には大きなベッドが置かれていて。
 アーキライトは、僕をベッドに下ろすと間髪いれずに僕の片足に鎖が繋がっている枷をはめた。
 はい?
 アーキライトは、僕をベッドに押し倒して覗き込んだ。
 「もう、逃がさない、ルルシア」
 「アーキライト?」
 硬直してアーキライトを見上げる僕に噛みつくようにキスをすると、アーキライトは、僕の耳元で囁いた。
 「今度こそ、魂の一欠片までも私のものにする」
 アーキライトは、赤い舌先でちろちろと僕の喉元を舐めると僕に告げた。
 「もう、手加減はしない。覚悟しろ、ルルシア」
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