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2 兄と弟
2ー14 牛舎
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2ー14 牛舎
クロードは、信じられないと繰り返し呟きながら僕の後をついてきていた。
僕らは、牧草地を抜けて牛(カーブ)小屋へと向かった。
まだ早朝だが、もう、みな、忙しそうにたち働いていた。
僕とクロードは、そっと目立たないように牛(カーブ)小屋の奥へと向かった。
目的の場所は、エリザベスちゃんの牛舎だった。
エリザベスちゃんは、特別な牛(カーブ)なのであまり人が近寄らないのだ。
思った通り、エリザベスちゃんの牛舎の辺りには人気がなかった。
僕は、クロードを連れてエリザベスちゃんの方へと近づいていった。
「ルルシア?」
声がして振り向くとそこにはツナギを着たアーキライトが立っていた。
てか、アーキライトがツナギ?
僕が知っているアーキライトは、いつも宮廷にでもいるような服装をしてたから僕は、驚いていた。
アーキライトは、手に下げていた水の入ったバケツを落とすと、僕の方へと駆け出して。
僕は、突然、目の前が暗くなって驚いて固まってしまった。
「ルルシア・・」
僕は、駆け寄ってきたアーキライトに抱き締められていた。
ぎゅうぎゅう抱き締められて僕は、苦しいのと、恥ずかしいのでなんとかアーキライトの腕から逃れようとしたが、逃れることができなくて。
アーキライトは、僕を抱き締めて僕の髪にキスした。
「ルルシア・・会いたかった」
「ふぁっ!」
僕は、アーキライトの腕の中で喚いた。
「く、苦しいから!離して!兄さん」
「イヤだ」
アーキライトは、僕の背後を睨み付けて低く唸った。
「ルルシア・・こいつ、誰だ?」
僕は、アーキライトをなだめるように背中を叩いた。
「説明するから!離して、アーキライト、兄さん!」
僕は、エリザベスちゃんの脇の敷藁の上に座ってアーキライトにクロードを紹介した。
クロードは、ぺこりと頭を下げた。
「クロード・ゼイファーです。なんかわけがわからないけど、よろしく」
「ゼイファー?・・もしかして、エウロキア王国の宰相の血に連なる者か?」
アーキライトが問いかけるとクロードがちょっと顔をしかめた。
「まあ、そうです。俺の父は、宰相ですけど、俺とは無関係ですから」
なんか、クロードにも事情がありそうなので僕は、2人の間に入った。
「クロードが僕の牛(カーブ)のこと見たいっていったから連れてきたんだ」
「連れてきた・・転移で、か?」
アーキライトがきらっと目を光らせる。
「もしかして願い事、でか?」
「違うよ!」
僕は、慌てて答えた。
「これは、僕の正式な力で、だよ!」
僕の答えにアーキライトの不穏な気配が緩まる。
僕は、ほっと胸を撫で下ろした。
クロードは、信じられないと繰り返し呟きながら僕の後をついてきていた。
僕らは、牧草地を抜けて牛(カーブ)小屋へと向かった。
まだ早朝だが、もう、みな、忙しそうにたち働いていた。
僕とクロードは、そっと目立たないように牛(カーブ)小屋の奥へと向かった。
目的の場所は、エリザベスちゃんの牛舎だった。
エリザベスちゃんは、特別な牛(カーブ)なのであまり人が近寄らないのだ。
思った通り、エリザベスちゃんの牛舎の辺りには人気がなかった。
僕は、クロードを連れてエリザベスちゃんの方へと近づいていった。
「ルルシア?」
声がして振り向くとそこにはツナギを着たアーキライトが立っていた。
てか、アーキライトがツナギ?
僕が知っているアーキライトは、いつも宮廷にでもいるような服装をしてたから僕は、驚いていた。
アーキライトは、手に下げていた水の入ったバケツを落とすと、僕の方へと駆け出して。
僕は、突然、目の前が暗くなって驚いて固まってしまった。
「ルルシア・・」
僕は、駆け寄ってきたアーキライトに抱き締められていた。
ぎゅうぎゅう抱き締められて僕は、苦しいのと、恥ずかしいのでなんとかアーキライトの腕から逃れようとしたが、逃れることができなくて。
アーキライトは、僕を抱き締めて僕の髪にキスした。
「ルルシア・・会いたかった」
「ふぁっ!」
僕は、アーキライトの腕の中で喚いた。
「く、苦しいから!離して!兄さん」
「イヤだ」
アーキライトは、僕の背後を睨み付けて低く唸った。
「ルルシア・・こいつ、誰だ?」
僕は、アーキライトをなだめるように背中を叩いた。
「説明するから!離して、アーキライト、兄さん!」
僕は、エリザベスちゃんの脇の敷藁の上に座ってアーキライトにクロードを紹介した。
クロードは、ぺこりと頭を下げた。
「クロード・ゼイファーです。なんかわけがわからないけど、よろしく」
「ゼイファー?・・もしかして、エウロキア王国の宰相の血に連なる者か?」
アーキライトが問いかけるとクロードがちょっと顔をしかめた。
「まあ、そうです。俺の父は、宰相ですけど、俺とは無関係ですから」
なんか、クロードにも事情がありそうなので僕は、2人の間に入った。
「クロードが僕の牛(カーブ)のこと見たいっていったから連れてきたんだ」
「連れてきた・・転移で、か?」
アーキライトがきらっと目を光らせる。
「もしかして願い事、でか?」
「違うよ!」
僕は、慌てて答えた。
「これは、僕の正式な力で、だよ!」
僕の答えにアーキライトの不穏な気配が緩まる。
僕は、ほっと胸を撫で下ろした。
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