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2 兄と弟
2ー13 転移
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2ー13 転移
僕は、図書館で毎日を過ごすようになった。
なんだか、もう、教室には行きたくないのと、図書館には、面白い本がいっぱいあるから退屈しないから。
自然と僕は、クロードと一緒にいることが多くなっていた。
クロードも特別クラスの生徒だが、授業が面白くないとかで毎日図書館で過ごしていたのだ。
僕が畜産の歴史など調べていると、横から見ていたクロードが僕に訊ねた。
「あんた、なんでそんなにカーブのことに興味があるわけ?」
そこで僕は、故郷で農場を経営していること、そこでいろいろな牛(カーブ)の乳を使った製品をつくっていることを話した。
クロードは、何やら考え込んでいたがしばらくして顔をあげると僕に告げた。
「あんた、もしかしてこの国の産業に革命を起こす気なのか?」
はい?
僕は、ぶんぶんと首を振った。
革命なんて、そんなつもりはまったくないし!
ただ、僕は、みんなにおいしいものを食べて欲しいのと、母さんとの生活を守りたいだけだし。
まあ、今は、ちょっと手が広まってるかもしれないけど、基本は、家族のためだから!
僕は、否定したが、クロードは、真面目な顔で僕に話した。
「この国におけるカーブの存在は、食肉用の魔物でしかない。それをあんたは、カーブの乳を使って製品を作ってるって?しかも、それを商品化してるんだろう?これは、すごいことだぞ!」
クロードは、どうしても僕の農場が見たいと言い出した。
僕は、仕方ないので次の学院の休日に転移の術で故郷に帰ることにした。
ほんとは、僕にそんな力があるってこと誰にも知られたくないんだけどクロードを連れて王都からロニアの町まで往復してると結構時間がかかるしな。
それに。
僕の脳裏にアーキライトのことが思い浮かんでいた。
いや!
別にアーキライトに会いたくなったとかそんなんじゃないし!
ともかく、僕とクロードは、次の休日に僕の故郷へと行くことにした。
その日がきて約束していた学院の裏にある森の入り口へと向かうとすでにクロードが待っていた。
というか、クロードは、馬を2匹も連れていてしかも1匹の方には大量の荷物を積んでいるし。
「何?その荷物」
僕がきくとクロードが僕をバカを見るような目で見た。
「何って。これからお前の故郷へ向かうんだろう?というか、お前の方こそ、荷物も持たずにどうする気だ?」
僕は、ぽりぽりと頬を掻いた。
クロードに近づくと僕は、小声で告げた。
「これからちょっと転移するからあんまり驚かないでくれよ、クロード」
「は?」
次の瞬間、僕たちは、草むらの中にた立っていた。
うん。
懐かしい気がするけど、僕が故郷をたってからまだ、数ヵ月しか経ってないんだな。
そう思うと不思議な気持ちがした。
僕は、牧草の匂いを胸いっぱいに吸い込んだ。
いい匂いだ。
クロードは、夢でも見てるみたいな顔をして突っ立っていた。
僕は、クロードを促した。
「牛(カーブ)を見たいんだろう?こっちだぞ、クロード」
僕は、図書館で毎日を過ごすようになった。
なんだか、もう、教室には行きたくないのと、図書館には、面白い本がいっぱいあるから退屈しないから。
自然と僕は、クロードと一緒にいることが多くなっていた。
クロードも特別クラスの生徒だが、授業が面白くないとかで毎日図書館で過ごしていたのだ。
僕が畜産の歴史など調べていると、横から見ていたクロードが僕に訊ねた。
「あんた、なんでそんなにカーブのことに興味があるわけ?」
そこで僕は、故郷で農場を経営していること、そこでいろいろな牛(カーブ)の乳を使った製品をつくっていることを話した。
クロードは、何やら考え込んでいたがしばらくして顔をあげると僕に告げた。
「あんた、もしかしてこの国の産業に革命を起こす気なのか?」
はい?
僕は、ぶんぶんと首を振った。
革命なんて、そんなつもりはまったくないし!
ただ、僕は、みんなにおいしいものを食べて欲しいのと、母さんとの生活を守りたいだけだし。
まあ、今は、ちょっと手が広まってるかもしれないけど、基本は、家族のためだから!
僕は、否定したが、クロードは、真面目な顔で僕に話した。
「この国におけるカーブの存在は、食肉用の魔物でしかない。それをあんたは、カーブの乳を使って製品を作ってるって?しかも、それを商品化してるんだろう?これは、すごいことだぞ!」
クロードは、どうしても僕の農場が見たいと言い出した。
僕は、仕方ないので次の学院の休日に転移の術で故郷に帰ることにした。
ほんとは、僕にそんな力があるってこと誰にも知られたくないんだけどクロードを連れて王都からロニアの町まで往復してると結構時間がかかるしな。
それに。
僕の脳裏にアーキライトのことが思い浮かんでいた。
いや!
別にアーキライトに会いたくなったとかそんなんじゃないし!
ともかく、僕とクロードは、次の休日に僕の故郷へと行くことにした。
その日がきて約束していた学院の裏にある森の入り口へと向かうとすでにクロードが待っていた。
というか、クロードは、馬を2匹も連れていてしかも1匹の方には大量の荷物を積んでいるし。
「何?その荷物」
僕がきくとクロードが僕をバカを見るような目で見た。
「何って。これからお前の故郷へ向かうんだろう?というか、お前の方こそ、荷物も持たずにどうする気だ?」
僕は、ぽりぽりと頬を掻いた。
クロードに近づくと僕は、小声で告げた。
「これからちょっと転移するからあんまり驚かないでくれよ、クロード」
「は?」
次の瞬間、僕たちは、草むらの中にた立っていた。
うん。
懐かしい気がするけど、僕が故郷をたってからまだ、数ヵ月しか経ってないんだな。
そう思うと不思議な気持ちがした。
僕は、牧草の匂いを胸いっぱいに吸い込んだ。
いい匂いだ。
クロードは、夢でも見てるみたいな顔をして突っ立っていた。
僕は、クロードを促した。
「牛(カーブ)を見たいんだろう?こっちだぞ、クロード」
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