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2 兄と弟
2ー5 使い
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2ー5 使い
なぜ、アーキライトが僕に執着するのかは、僕には、わからないかった。
だけど、アーキライトは、それからも毎日、僕に添い寝をさせた。
僕等が毎夜、ともに寝ていることを母さんと、魔王のおっさんは、知っていたのか?
たぶん、魔王のおっさんは、知っていた筈だ。
でも、魔王のおっさんは、知らないふりをしていた。
アーキライトは、僕の添い寝の対価として僕に勉強を教えてくれていた。
僕が15歳になる頃には、僕は、そこそこの学力がついていた。
エウロキア王国の貴族の子息は、15歳になると王立の学院で学ぶことになっていた。
だが、それは、あくまで貴族の子息の話であり、ただの平民である僕には、関係のない話だった。
そう。
関係がない話だった筈だったのだ。
なのに、僕が15歳になってしばらくして王都から使者がやってきた。
それは、僕の父親とやらからの使いで、僕に王立学院への入学を促すものだった。
母さんは、王都からの使いがきた夜、僕らを集めて話をした。
「私の前の夫の名は、アキロス・ロドス・エウロキア」
母さんは、僕たちに話した。
「つまり、この国の現王です」
はいぃっ?
こんなの初めてきいたんですけど!
僕は、すごく驚いていた。
この世界に転生してきてから1番の驚きだった。
魔王のおっさんは、あまり驚いてなかったから母さんは、おっさんには話していたのかもしれない。
でも。
アーキライトは、すごく驚いていた。
僕は、初めてアーキライトが取り乱すところを見た。
「私は、反対だ!」
アーキライトは、母さんたちに向かって声を荒げた。
「ルルシアには、私が学問を教えてきた。今さら、ルルシアが貴族の学校で学ぶべき事なんて何もない!」
「アーキライトちゃんの気持ちは嬉しいわ。でも、学院で学ぶことは、ルルシアには、必要なことなのよ」
母さんは、 困った様な顔をしながらも譲らなかった。
「ルルシアは、これから、望む望まないに関わらず、王族の争いに巻き込まれることになるわ。そのとき、きっと学院で学ぶことが役立つ筈。だから、ルルシアは、行かなくてはいけないの。わかって。アーキライトちゃん」
なぜ、アーキライトが僕に執着するのかは、僕には、わからないかった。
だけど、アーキライトは、それからも毎日、僕に添い寝をさせた。
僕等が毎夜、ともに寝ていることを母さんと、魔王のおっさんは、知っていたのか?
たぶん、魔王のおっさんは、知っていた筈だ。
でも、魔王のおっさんは、知らないふりをしていた。
アーキライトは、僕の添い寝の対価として僕に勉強を教えてくれていた。
僕が15歳になる頃には、僕は、そこそこの学力がついていた。
エウロキア王国の貴族の子息は、15歳になると王立の学院で学ぶことになっていた。
だが、それは、あくまで貴族の子息の話であり、ただの平民である僕には、関係のない話だった。
そう。
関係がない話だった筈だったのだ。
なのに、僕が15歳になってしばらくして王都から使者がやってきた。
それは、僕の父親とやらからの使いで、僕に王立学院への入学を促すものだった。
母さんは、王都からの使いがきた夜、僕らを集めて話をした。
「私の前の夫の名は、アキロス・ロドス・エウロキア」
母さんは、僕たちに話した。
「つまり、この国の現王です」
はいぃっ?
こんなの初めてきいたんですけど!
僕は、すごく驚いていた。
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でも。
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僕は、初めてアーキライトが取り乱すところを見た。
「私は、反対だ!」
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母さんは、 困った様な顔をしながらも譲らなかった。
「ルルシアは、これから、望む望まないに関わらず、王族の争いに巻き込まれることになるわ。そのとき、きっと学院で学ぶことが役立つ筈。だから、ルルシアは、行かなくてはいけないの。わかって。アーキライトちゃん」
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