13 / 71
1 母の再婚
1ー13 添い寝
しおりを挟む
1ー13 添い寝
「ルルシアごときに2人の教師は必要ない!」
アーキライトが魔王のおっさんに声をあらげた。
「こいつは、まだ、やっと絵本が読めるようになった程度だ。わざわざ魔王国の宰相閣下がきて教えるようなレベルじゃない!」
はい?
あの学者風のおっさんってそんな偉いさんだったのか?
ともあれ、僕の先生は、もとどおりアーキライトだけになっていた。
冬がきて、僕は、勉強に力を入れられるようになった。
それを見計らってか、アーキライトは、僕に子供用の教科書を何冊か与えた。
それは、まさに読み書きそろばん、といった感じのもので。
以外と教え上手なアーキライトに僕は、なんだかんだで感謝していた。
僕は、アーキライトにお礼をしたくて。
エリザベスの乳で作ったチーズを使ったケーキを焼いてみた。
夜の勉強の後で僕がそれを出したのを見て、アーキライトは、また固まっていた。
なんで、ケーキで固まるのか?
「アーキライト、兄さん?」
アーキライトがぶはっと息を吹き返すと、僕に小声で言った。
「こんなもので今日の願い事をごまかすつもりか?」
「別に、そんなつもりは」
そういえば今日の願い事は、まだだったな。
僕が今日の願い事をアーキライトに訊ねると、アーキライトは、低い声で答えた。
「添い寝、してくれ」
はい?
僕は、信じられない言葉をきいたような気がして、聞き返した。アーキライトは、繰り返した。
「添い寝、して欲しい」
うん。
僕は、まだ12歳で。
だけど、もう、子供というには大きくて。
アーキライトにいたっては、もう、とっくにいい大人の筈だし。
それが、添い寝?
「私は、寒さに弱い」
アーキライトがぼそぼそと答えた。
「お前は、体温が高そうだ」
「それなら毛布を」
「いや、お前がいい」
アーキライトは、がんとして譲らなかった。
仕方がないので、僕は、その夜、アーキライトの部屋で一緒に寝てやることにした。
アーキライトが服を脱ごうとするので、僕は、慌てて止めた。
「寒いなら服を着て寝ろよ!」
「締め付けられると眠れないんだ」
アーキライトがしゅんとしているのを見て僕は、ため息をついた。
というわけで。
夜着の下だけは、はいてもらえることになった。
「ルルシアごときに2人の教師は必要ない!」
アーキライトが魔王のおっさんに声をあらげた。
「こいつは、まだ、やっと絵本が読めるようになった程度だ。わざわざ魔王国の宰相閣下がきて教えるようなレベルじゃない!」
はい?
あの学者風のおっさんってそんな偉いさんだったのか?
ともあれ、僕の先生は、もとどおりアーキライトだけになっていた。
冬がきて、僕は、勉強に力を入れられるようになった。
それを見計らってか、アーキライトは、僕に子供用の教科書を何冊か与えた。
それは、まさに読み書きそろばん、といった感じのもので。
以外と教え上手なアーキライトに僕は、なんだかんだで感謝していた。
僕は、アーキライトにお礼をしたくて。
エリザベスの乳で作ったチーズを使ったケーキを焼いてみた。
夜の勉強の後で僕がそれを出したのを見て、アーキライトは、また固まっていた。
なんで、ケーキで固まるのか?
「アーキライト、兄さん?」
アーキライトがぶはっと息を吹き返すと、僕に小声で言った。
「こんなもので今日の願い事をごまかすつもりか?」
「別に、そんなつもりは」
そういえば今日の願い事は、まだだったな。
僕が今日の願い事をアーキライトに訊ねると、アーキライトは、低い声で答えた。
「添い寝、してくれ」
はい?
僕は、信じられない言葉をきいたような気がして、聞き返した。アーキライトは、繰り返した。
「添い寝、して欲しい」
うん。
僕は、まだ12歳で。
だけど、もう、子供というには大きくて。
アーキライトにいたっては、もう、とっくにいい大人の筈だし。
それが、添い寝?
「私は、寒さに弱い」
アーキライトがぼそぼそと答えた。
「お前は、体温が高そうだ」
「それなら毛布を」
「いや、お前がいい」
アーキライトは、がんとして譲らなかった。
仕方がないので、僕は、その夜、アーキライトの部屋で一緒に寝てやることにした。
アーキライトが服を脱ごうとするので、僕は、慌てて止めた。
「寒いなら服を着て寝ろよ!」
「締め付けられると眠れないんだ」
アーキライトがしゅんとしているのを見て僕は、ため息をついた。
というわけで。
夜着の下だけは、はいてもらえることになった。
554
お気に入りに追加
913
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる