8 / 71
1 母の再婚
1ー8 花束
しおりを挟む
1ー8 花束
「私の前妻は、淫魔族の娘でな。アーキライトは、その血を濃く受け継いでいる」
昼間に僕と畑を見回りながら魔王のおっさんが話した。
「そのこと事態は、たいして悪いことではない。だが、アーキライトの奴は気にしている」
魔王のおっさんは、畑になっている赤いトーラの実をもぐとそれをうまそうに齧った。
「これ、うまいな!」
「勝手に食うなよな!」
僕は、ちっと舌打ちをした。魔王のおっさんは、ちっとも悪びれた様子もない。なんか、ムカつく!
「アーキライト、兄さんは、なんで気にしてるんだよ?」
僕は、石ころを蹴飛ばながら畦道を歩いた。魔王のおっさんは、もう1つトーラの実をもぐとうまそうにかぶり付く。
「こんなうまいもん、魔王国にはねぇし!やっぱ、お前、魔王国に来ないか?俺の義理の息子だし、大臣にしてやるぞ」
「んなもん、知らねぇし!僕は、普通に生きていきたいんだよ!」
僕が言うと魔王のおっさんは、僕をちらっと見た。
「普通、ねぇ。そんな力を持ってて普通を目指すか?」
「僕は、目指すんだよ!」
そこで僕は、その日、まだ、誰の願い事も叶えてないことを思い出した。
母さんは、最近、願い事をきいてもあまりいい反応がないし、農園には、他にはゴーレムたちしかいないし。
僕は、仕方なく魔王のおっさんにきいた。
「なんか願い事ある?」
「なんだ?突然」
魔王のおっさんが疑うような目で僕を見たので僕は、力の対価について話した。
おっさんは、特に興味もなさげに僕に言った。
「花」
「花?」
僕がきくと魔王のおっさんが照れた様子で答えた。
「花束が欲しいな」
僕は、その魔王らしからぬ願いにホッとしていた。
僕がすぐに花束を出してやると魔王のおっさんは、かっと目を見開いた。
「これ、どこから出した?」
「今、ここで空間?から、出したんだけど」
僕が答えると、魔王のおっさんがちょっと考え込んだ。
「空間って、なんだよ。あぶねぇ力だな!マジで、ヤバい力だぞ、これ」
「いらないのか?」
「いる!」
魔王のおっさんは、僕が出してやった花束を持って家の方へと走っていった。
「私の前妻は、淫魔族の娘でな。アーキライトは、その血を濃く受け継いでいる」
昼間に僕と畑を見回りながら魔王のおっさんが話した。
「そのこと事態は、たいして悪いことではない。だが、アーキライトの奴は気にしている」
魔王のおっさんは、畑になっている赤いトーラの実をもぐとそれをうまそうに齧った。
「これ、うまいな!」
「勝手に食うなよな!」
僕は、ちっと舌打ちをした。魔王のおっさんは、ちっとも悪びれた様子もない。なんか、ムカつく!
「アーキライト、兄さんは、なんで気にしてるんだよ?」
僕は、石ころを蹴飛ばながら畦道を歩いた。魔王のおっさんは、もう1つトーラの実をもぐとうまそうにかぶり付く。
「こんなうまいもん、魔王国にはねぇし!やっぱ、お前、魔王国に来ないか?俺の義理の息子だし、大臣にしてやるぞ」
「んなもん、知らねぇし!僕は、普通に生きていきたいんだよ!」
僕が言うと魔王のおっさんは、僕をちらっと見た。
「普通、ねぇ。そんな力を持ってて普通を目指すか?」
「僕は、目指すんだよ!」
そこで僕は、その日、まだ、誰の願い事も叶えてないことを思い出した。
母さんは、最近、願い事をきいてもあまりいい反応がないし、農園には、他にはゴーレムたちしかいないし。
僕は、仕方なく魔王のおっさんにきいた。
「なんか願い事ある?」
「なんだ?突然」
魔王のおっさんが疑うような目で僕を見たので僕は、力の対価について話した。
おっさんは、特に興味もなさげに僕に言った。
「花」
「花?」
僕がきくと魔王のおっさんが照れた様子で答えた。
「花束が欲しいな」
僕は、その魔王らしからぬ願いにホッとしていた。
僕がすぐに花束を出してやると魔王のおっさんは、かっと目を見開いた。
「これ、どこから出した?」
「今、ここで空間?から、出したんだけど」
僕が答えると、魔王のおっさんがちょっと考え込んだ。
「空間って、なんだよ。あぶねぇ力だな!マジで、ヤバい力だぞ、これ」
「いらないのか?」
「いる!」
魔王のおっさんは、僕が出してやった花束を持って家の方へと走っていった。
609
お気に入りに追加
918
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜
・話の流れが遅い
・作者が話の進行悩み過ぎてる
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
風紀“副”委員長はギリギリモブです
柚実
BL
名家の子息ばかりが集まる全寮制の男子校、鳳凰学園。
俺、佐倉伊織はその学園で風紀“副”委員長をしている。
そう、“副”だ。あくまでも“副”。
だから、ここが王道学園だろうがなんだろうが俺はモブでしかない────はずなのに!
BL王道学園に入ってしまった男子高校生がモブであろうとしているのに、主要キャラ達から逃げられない話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「僕の方がぜってー綺麗なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談? 本気? 二人の結末は?
美形病みホスと平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい
椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。
その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。
婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!!
婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。
攻めズ
ノーマルなクール王子
ドMぶりっ子
ドS従者
×
Sムーブに悩むツッコミぼっち受け
作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる