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8 愛は、死にますか?

8ー7 悪魔の計画

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   「これが君の兄さんが手に入れようとしている『生命の書』だとしても、なんで、こんな簡単に手に入っちゃったわけかな?」
    僕は、ずしりと重い魔導書を小脇に抱えて長い階段を上っていた。
   アリアは、小首を傾げる。
   「確かに、簡単に手に入りすぎだけど・・」
    何時間もかけて地上へと戻ると、僕は、入ったときと同じように入り口のドアをストレージに取り込んで外に出て、再び、もとに戻した。
    部屋へと戻ると、マリアンヌが僕たちを待っていた。
   「・・マリアンヌ・・?」
    はっと顔を上げたマリアンヌが信じられないというように僕らのことを見つめた。
   「なんで戻ってきた?」
    「いや、だって・・」
     僕は、思わず、言い訳を探そうとした。
   マリアンヌは、僕が言葉を探すのを待つことなく言い放った。
   「バカなのか?あなたたちは?」
    はい?
   僕とアリアは、じっと顔を見合わせた。
  僕たち、バカなの?
   マリアンヌは、僕の抱えている魔導書に気づいて、あっと声を漏らした。
   「もしかして・・『生命の書』?」
    「そうみたいだけど」
     僕が言うと、マリアンヌが呆然として言った。
   「そうみたいって・・いいですか?『生命の書』は、神器なんですよ?それをそんな簡単に?あり得ない!」
  マリアンヌが溜め息をついた。
   「アウデミス様が近寄ることもできなかったのに!」
   マジか?
   僕は、ちょっと考え込んだ。
   アウデミスが近寄ることもできなかった?
  そんな難関じゃなかったぞ!
   アウデミスだから、近づけなかったんじゃないか?
   彼についている悪魔のせいで、奴は、これを手に入れられなかったんじゃないか?
   「その通りだ」
   ドアが開いてアウデミスが暗い笑みを浮かべて現れた。
   「まさか、自分達から『生命の書』を手に入れに行くとは思っていなかったが。まあ、予定通りといえなくもない。ユヅキ、お前ならなんにしても手に入れられるだろうと思っていた」
     「あなたは、これを使うことはできない。なぜなら、聖なる神器に悪魔と契約した者が触れられるわけがないから」
    僕は、言った。
   「ならば、あなたは、どうやってこの本を使うつもりだったんだ?」
   「ああ、それは、ユヅキ、お前が考えている通りだよ」
    アウデミスは、笑った。
   「お前が使うんだ。私の命によって、お前がすべての術を執り行うのだ」
   
    
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