74 / 84
8 愛は、死にますか?
8ー3 王都を改革しよう!
しおりを挟む僕らが城に捕らえられてから3日が過ぎた。
「もう、我慢の限界だ!」
僕は、叫んだ。
だって、この城のご飯、不味すぎ!
僕がアウデミスならこんな料理人は、雇わないよ!
「仕方がない。使用人たちは、昔から働いてくれている人たちがほとんどだからな。兄様は、そういうことには疎いかただし」
アリアが溜め息をついた。
「それをいいことにして、使用人たちは、けっこう好き勝手しているという噂だ」
なんですと?
僕は、次にマリアンヌが来たときに訊ねた。
「料理人が材料費をくすねてるってほんとのこと?」
「はい?」
マリアンヌがキョトンとした。
「料理人が?」
そして、その日の内に、マリアンヌは、行動を起こしたらしくって、夕食時には、ちゃんと焼いた肉が出ていた。
今までは、野菜のスープとかしかついてなかったことを考えればすごい変化だ。
「すまなかったな。まさか、城の料理人が横領していたとは気がつかなかった」
マリアンヌが頭を下げた。
僕は、言った。
「あと、執事とメイド長が、城の備品を勝手に売り飛ばしてるよ」
「本当か?」
僕らは、頷いた。
「わかった」
マリアンヌは、それだけ言うと、すぐに姿を消した。
僕らは、けっこうおいしくなった食事を済ませると、食器をドアの外へと出した。
「うん・・なんか、ここの食事は、美味しくないなあ」
僕は、呟いた。
アリアが言った。
「水が悪いのかもしれないな。この王都は、水事情があまりよくない」
アリアによると王都で使われている水は、井戸水らしいのだが、あまり水質がよくないらしい。
僕は、唸った。
「このままだと、悪い病気が流行りかねないぞ」
僕は、その夜、マリアンヌに言った。
「上下水道を設備した方がいいよ。それに、水は、井戸水は、飲み水にせずに近くに川があったから、そこからひいた方がいい」
「なぜ、そんなことをしなくてはいけない?」
マリアンヌが言ったので、僕は、答えた。
「王都で病気が流行ったりしたらまずいだろう?」
マリアンヌが溜め息をついた。
「アウデミス様に掛け合ってみる」
2、3日後、城のあちこちで工事が始まっているようだった。
僕は、その日の昼食の味が変わったことに気づいて、マリアンヌに訊ねた。
「水が変わった?」
「ああ。アウデミス様の命で、井戸水から川の水に飲用水が変えられたのだ」
マリアンヌが答えた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
84
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる