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4 魔王様は、お年頃

4ー1 『カピパランド』へ、いらっしゃい!

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   薬草の店を出して1年ほど過ぎた頃のことだ。
   『カンパニュラ』は、思った以上に繁盛し、僕らは、いつしかカスケード国内に10の系列店舗を持つようになっていた。
    薬草、というかもう、ドラッグストアだよね。
   だって、扱ってる商品が薬草だけじゃなくって、食料品から、生活用品まで多岐にわたってるんだから。
    こういった店の他にも、王都グリニッジだけでも3軒のレストランや、カフェを開いていた。
    僕は、この世界初の複合企業グループ『カンパニュラ』グループのCEOとなった。
    といっても、主に表に出てくれているのは、ドラッグストア部門と外食産業部門の社長であるアリー・スフィアだった。
    アリーは、商業ギルドの長  アゼリアさんのもとで働いていたギルド職員だったのだが、僕がこのカスケード王国であまりおおっぴらに活動できないことを知ったアゼリアさんが僕の代理に動くようにと、ギルドから派遣してくれた人物だった。
    だが、半年ほどしてアゼリアさんの許可を得て、正式な『カンパニュラ』グループの一員となった。
    柔らかい栗色の髪を肩までで切り揃えた、眼鏡をかけたアリーは、どうみても十代にしか見えない童顔の持ち主だったが、本当は、今年で30才になる大人の女の人だ。
    彼女のサポートのもと、僕は、いろいろな新規事業を立ち上げていった。
   その1つが王都グリニッジの郊外に建設された巨大アミューズメントパーク『カピパランド』だった。
    『カピパランド』は、プーティをイメージキャラとして造られた遊園地でプーティの『カピパラ』くんが国王をつとめる国という設定だった。
     『カピパランド』は、もうほとんど完成していて来週には開園する予定だ。
    そして、『カピパランド』の周辺には、荒れ地が広がっていたのだが、そこもうちの企業で開発して一大観光都市を建設した。
    新しい街の名前は、『カンパニュラ』グループの名から、カンパニュラの街と名付けられた。
   僕は、カンパニュラの街に劇場やホテル、レストランなどを作った。
   もちろん、この街で働くスタッフのための家も用意した。
    僕たちは、カスケード王国全土から街やパークで働くスタッフを募集した。
   魔族との戦いで疲弊していたカスケード王国には、仕事を失って困っている人々がたくさんいたため、スタッフの募集は、順調に進んだ。
    特に、力を入れたのは、芸能部門のスタッフの採用だった。
   劇場のスタッフや、歌手、俳優などを募集したのだが、この国には、正式な歌手とか俳優といった仕事の人はいなかった。
   そこで、僕のサーチ能力が役に立った。
   僕は、異世界地図でカスケード王国の全体像を出し、それぞれ才能を持った人々を表示させた。
    この地図の示した人材を探しだしスカウトしていったのだ。
   王国の南にある村  アマンドからは、歌の天才ともいえる少女サリアを見つけ出すことができた。
   サリアは、ごく目立たない黒髪の地味な、そばかすだらけの少女だったが、3ヶ月ほどの特訓の末、絶世の美少女となった。
    これは、カンパニュラの街の目玉の1つでもある美容クリニック『アフロディア』のおかげでもあった。
    
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