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「私をご自分のエゴを通す為に餌として使われている方が綺麗事を仰っても説得力などありませんよ」
にっこり威圧感を与えるように微笑めば、流石に目が泳ぎましたね、陛下。
「自覚されましたら、ちゃちゃっとやって下さい。
いざとなったらこちらで処理しますから」
「くっ、痛い所を突くな!
小娘が怖い事を言うな!
本当に良いのだな?!」
「良いです、良いです。
ただし誓約を壊すのではなく、誓約という錠前を開けるような心づもりで紋にゆっくりと、馴染ませるように低出力で魔力を流して下さい。
あと、今後必要になる事なので、こういう魔力操作はしっかり練習しておいて下さいね。
決して一気に魔力を流したり、壊すような気持ちで行ってはなりません。
それがコツらしいですから」
廃人になるとしたら、そのコツを知らずに誓約を壊すという心象でもって魔力を紋に向かって一気に与えた場合です。
解除の時の反動が全て血流が多く流れる脳や心臓に出てしまいます。
下手くそか魔力の少なく解除に不慣れな者が無理矢理やると廃人になるんじゃないでしょうか。
覇気や威圧をやりたい放題垂れ流しているそこのお2人なら問題ありません。
もしかして誓約魔法を扱う者達はその魔法の原点を知らないか、何者かが故意に秘匿したのかもしれませんね。
今世では既にジャオという部族もほぼ滅びておりましたし。
「聞いていた方法と違うぞ?!
本当にそれで良いのか?!」
「壊そうとするから廃人になるのでは?
もちろん誓約した者との魔力差が大きい方が良いので陛下ほどうってつけな方もおりません。
ほらほら、早くやってみて下さい」
「軽いな?!」
「陛下、ここです」
丞相が彼の服をはだけさせ、心臓のあたりにつけられた赤黒い紋を見つけて指差しました。
誓約の種類によって使う墨が違うのですが、一体何を使っているのだか。
それにしても準備万端ですね、丞相。
一応私、うら若き乙女だってわかってますか?
聞いていた通り体の右半分に火傷の痕もございますし、探し人はこの者で間違い無さそうです。
それにしても……鍛えられた体躯が何とも素敵。
眼福ですね。
火傷痕に悲しみそうな部下が1人おりますので、痕ができるだけ薄くなるよう色々と生薬を塗りたくりましょうね。
ついでに割れた腹筋触りたい放題ですよ、ふふふ。
「そなたは早いな?!
やはり私がやるのか?!
小娘は男の裸を食い入るように見すぎであろう?!
顔がニヤついておるぞ?!」
「あら、ついうっかり。
目に眼福なので早くして下さい」
「眼福と言うでない!」
などとやっているうちに陛下は屈んで紋に触れ、魔力を流します。
私もその紋に触れて紋の性質とどれくらい魔力が流れているかを感じ取ります。
陛下の魔力量ならこの誓約でも問題は無さそうです。
「陛下、魔力はもう少し少なく、もっとゆっくりです」
「チッ。
これ程に少なくて良いものか?!
大体こちらの方が調整が難しいのだぞ?!」
「魔力量の多い方は少ない出力の方が難しいようですからね。
ふふふ、まるで……」
あの方に教えていた時のよう。
「まるで?」
「……下手っぴです」
「何と?!」
「ほら、多いですよ。
調整して下さい。
強弱をつけず、同じ調子で魔力を注ぐんです。
この紋をつけた者と陛下との魔力差はそれほど大きいのですよ。
焦らなければ直に……」
「むっ、カチッと音がした?」
「ならばしまいです。
お疲れ様でした。
ほら、紋も消えましたよ」
「おぉ、こんなに簡単に……」
陛下は驚きと解除の手応えに興奮されております。
「それだけ陛下の魔力量が多いのですよ。
子が欲しいなら今の感覚を忘れないで下さいね」
「そうか、子が……どういう意味だ?」
「ああ、そういう意味ですよ?」
魔力の差を埋めて馴染ませる作業がありますからね。
それよりそろそろ差し入れを確認したいです。
お腹が空きましたし、魔力を使って疲れたのでお菓子食べたいです。
しょっぱいのと甘いの両方あれば最高です。
「すっかり興味を無くしたように流そうとするでない!
詳しく!」
「嫌です、興味ありません。
お腹が空きました。
それに時期尚早です」
「詳しくお願いします」
むぅ、しつこい。
陛下の次は成り行きを興味津々で観察していた丞相も参戦ですか。
さすがに不機嫌になりますよ。
お菓子食べたいです。
にっこり威圧感を与えるように微笑めば、流石に目が泳ぎましたね、陛下。
「自覚されましたら、ちゃちゃっとやって下さい。
いざとなったらこちらで処理しますから」
「くっ、痛い所を突くな!
小娘が怖い事を言うな!
本当に良いのだな?!」
「良いです、良いです。
ただし誓約を壊すのではなく、誓約という錠前を開けるような心づもりで紋にゆっくりと、馴染ませるように低出力で魔力を流して下さい。
あと、今後必要になる事なので、こういう魔力操作はしっかり練習しておいて下さいね。
決して一気に魔力を流したり、壊すような気持ちで行ってはなりません。
それがコツらしいですから」
廃人になるとしたら、そのコツを知らずに誓約を壊すという心象でもって魔力を紋に向かって一気に与えた場合です。
解除の時の反動が全て血流が多く流れる脳や心臓に出てしまいます。
下手くそか魔力の少なく解除に不慣れな者が無理矢理やると廃人になるんじゃないでしょうか。
覇気や威圧をやりたい放題垂れ流しているそこのお2人なら問題ありません。
もしかして誓約魔法を扱う者達はその魔法の原点を知らないか、何者かが故意に秘匿したのかもしれませんね。
今世では既にジャオという部族もほぼ滅びておりましたし。
「聞いていた方法と違うぞ?!
本当にそれで良いのか?!」
「壊そうとするから廃人になるのでは?
もちろん誓約した者との魔力差が大きい方が良いので陛下ほどうってつけな方もおりません。
ほらほら、早くやってみて下さい」
「軽いな?!」
「陛下、ここです」
丞相が彼の服をはだけさせ、心臓のあたりにつけられた赤黒い紋を見つけて指差しました。
誓約の種類によって使う墨が違うのですが、一体何を使っているのだか。
それにしても準備万端ですね、丞相。
一応私、うら若き乙女だってわかってますか?
聞いていた通り体の右半分に火傷の痕もございますし、探し人はこの者で間違い無さそうです。
それにしても……鍛えられた体躯が何とも素敵。
眼福ですね。
火傷痕に悲しみそうな部下が1人おりますので、痕ができるだけ薄くなるよう色々と生薬を塗りたくりましょうね。
ついでに割れた腹筋触りたい放題ですよ、ふふふ。
「そなたは早いな?!
やはり私がやるのか?!
小娘は男の裸を食い入るように見すぎであろう?!
顔がニヤついておるぞ?!」
「あら、ついうっかり。
目に眼福なので早くして下さい」
「眼福と言うでない!」
などとやっているうちに陛下は屈んで紋に触れ、魔力を流します。
私もその紋に触れて紋の性質とどれくらい魔力が流れているかを感じ取ります。
陛下の魔力量ならこの誓約でも問題は無さそうです。
「陛下、魔力はもう少し少なく、もっとゆっくりです」
「チッ。
これ程に少なくて良いものか?!
大体こちらの方が調整が難しいのだぞ?!」
「魔力量の多い方は少ない出力の方が難しいようですからね。
ふふふ、まるで……」
あの方に教えていた時のよう。
「まるで?」
「……下手っぴです」
「何と?!」
「ほら、多いですよ。
調整して下さい。
強弱をつけず、同じ調子で魔力を注ぐんです。
この紋をつけた者と陛下との魔力差はそれほど大きいのですよ。
焦らなければ直に……」
「むっ、カチッと音がした?」
「ならばしまいです。
お疲れ様でした。
ほら、紋も消えましたよ」
「おぉ、こんなに簡単に……」
陛下は驚きと解除の手応えに興奮されております。
「それだけ陛下の魔力量が多いのですよ。
子が欲しいなら今の感覚を忘れないで下さいね」
「そうか、子が……どういう意味だ?」
「ああ、そういう意味ですよ?」
魔力の差を埋めて馴染ませる作業がありますからね。
それよりそろそろ差し入れを確認したいです。
お腹が空きましたし、魔力を使って疲れたのでお菓子食べたいです。
しょっぱいのと甘いの両方あれば最高です。
「すっかり興味を無くしたように流そうとするでない!
詳しく!」
「嫌です、興味ありません。
お腹が空きました。
それに時期尚早です」
「詳しくお願いします」
むぅ、しつこい。
陛下の次は成り行きを興味津々で観察していた丞相も参戦ですか。
さすがに不機嫌になりますよ。
お菓子食べたいです。
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