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290.宰相の元娘の処遇〜ヘルトside
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『元王太子と元宰相夫人で元クェベル国王女、そいつらと直接行動を共にした反逆者達数名は公開処刑される。
元宰相夫婦は白い結婚だった事、亡くなった宰相の婚約者への犯罪が明らかになった事から遡って婚姻無効になった。
クェベル国王の承認も正式に得ている。
婚約者への犯罪内容は公には知らされてない』
「そうか。
そちらの方が良いだろう」
『だろうな。
元夫人の娘、ビアンカも宰相の籍から抜けた。
ビアンカは性格上の問題からだったが、幸か不幸か今回の反逆には何も関わっていない事は明白になった。
こっちは平民になる』
「そうだな。
だが反逆者の1親等でもあるが、そこはどうなっている?」
『確かに。
しかし彼女が最後に捕まった時の状況も加味された。
縛られて猿ぐつわ噛まされて、明らかに拐われた状況だった。
それと俺の可愛い天使が連れて行かれた場所を教えて助けるよう話したのと、本人は宰相が父親だと疑った事もなかった。
それと一応元父親って事になるのか?
宰相が国からの慰謝料の代わりに恩赦を願ったのも大きかった。
宰相からすれば最愛の婚約者を手酷いやり口で死に追いやったのがビアンカの実の両親だったからな。
親子の情があるなんて誰も思ってもみなかったみたいだ。
国王達だけじゃなく、ビアンカ本人も驚いたらしい。
だが宰相は俺の可愛い天使は勘づいてたって言っていたぞ。
あの一言が無かったら見殺しにして、一生後悔する道を選んだかもしれないってさ。
どんな一言だったかは知らないが、さすが俺の可愛い天使だな』
「うちの子は優秀だな」
長男の弾んだ声に私もしっかり同意する。
『元々が先代やら先々代国王時代のヒュイルグ国とクェベル国王家の理不尽な婚姻の被害者が宰相だったから、国からはそれなりの慰謝料が与えられる予定だったらしい。
娘もまた被害者であるとクェベル国との連名で公表した。
それでも元王太子と元王女の1親等の血族だし、血筋だけは何かしらの火種になりかねない。
ヒュイルグ国、ナビイマリ国、クェベル国の各国王立ち合いと承認の元に犯罪者の両親を持つ私生児として戸籍登録させた上で身分も名前も剥奪され、この3国には一生涯立ち入らない事を魔法誓約書によって誓約して、身1つで放逐する』
「そうか。
普通なら野垂れ死ぬだろうな」
『これで全部だが、俺の可愛い天使の要望は叶えられそうか?』
「まあ他ならぬ可愛い娘のお願いだ」
そう言って今後の計画を組み立てていく。
なかなか骨が折れそうだ。
そして娘のお願いの為に各方面に手を打ち、可愛い愛娘との再会までに準備を終えた。
その間にも旅人という役柄に扮して私の可愛い娘は私の可愛いちょっと年下の息子に変身して大公の手術を行い、やはりその後寝込んだ。
生死を彷徨うほどで無かった事が救いだろう。
レイヤードに私の可愛い年下の息子の映像を撮って欲しいと頼んだら断られた。
次男が冷たい。
諦めきれず、好々爺セバスチャンを発動したらあっさり了承した。
解せない。
大公の術後は大きな発作もなく、しかし魔法での回復はしなかった。
その為まともに歩けるようになるまでには1ヶ月ほどかかり、その間は不測の事態に備えて娘と同じ部屋で寝食を共にしたらしい。
兄達とも同室だったとはいえ許せん。
同室だった全員が羨ましい。
謝礼は上乗せさせた。
ヒュイルグ国王の訪問が無駄に多かったらしく、鬱陶しくなった私の可愛い娘はイタチやムササビとなって常に兄達の服の中で子カンガルー状態だったという。
息子達が羨ましい。
私も親カンガルーになりたい。
コンコン。
部屋のノック音に我に返る。
「僕だ」
「どうぞ」
扉近くに控えていたニーアがそっと扉を開けた。
「父上」
「バルトスに連絡はついたかな」
向こうの部屋で兄と連絡を取り終わったらしい次男のレイヤードが私と可愛い娘にあてがわれた寝室へと入ってきた。
うちの子はアドライド国から正式にヒュイルグ国に招かれた賓客だ。
国に報告はしておかなければ後が面倒になる。
大公との話し合いを終えた私達は予定を変更してこの城で一晩過ごす事になった。
ベッドに寝かせた私の可愛い娘は少し熱があるのも手伝ってずっと深く寝入っている。
娘の真横に腰かけて約1年ぶりの天使な寝顔を堪能しつつ、頭を撫でていたところだ。
「兄上達一行は無事にアドライド国の船着き場まで戻ったらしいよ」
長男のバルトスは王宮魔術師団副団長という立場上、自国の王太子の護衛として親善外交の為に滞在中だった第2王子と共に帰路についている。
まったく。
ついでの王太子はともかく、バルトスがエセ爽やか単純馬鹿の横槍を許すから。
お陰で私が来るタイミングが····。
いや、まあ、だが、可愛い妹が初めて兄を恋しがって言葉そのまま泣きついたのなら納得してやるしかない。
私は長男も次男も末娘も皆可愛い。
見た目だけは無駄に爽やかな赤髪のあの男。
頭が軽くて乳だけ無駄に重い光の女と同族で、気に入らなければ人でも物でも灰にすればいいと考える単純思考のあいつが全て悪いんだ。
あのロリコン野郎に娘が目をつけられたのだってあの男が関わったからだ。
もちろん乳だけ女と同じく私達家族は連中が気に入らない。
いくらうちの子が可愛いからと言っても、我儘を聞いて良いのは私達家族だけで良いはずだ。
レイヤードは妹に黙って魔具であの手の連中達が入って来れないように細工していたくらいだ。
もちろんうちの邸には力が一定以上に強いその手の輩を弾く結界は常に張ってある。
元宰相夫婦は白い結婚だった事、亡くなった宰相の婚約者への犯罪が明らかになった事から遡って婚姻無効になった。
クェベル国王の承認も正式に得ている。
婚約者への犯罪内容は公には知らされてない』
「そうか。
そちらの方が良いだろう」
『だろうな。
元夫人の娘、ビアンカも宰相の籍から抜けた。
ビアンカは性格上の問題からだったが、幸か不幸か今回の反逆には何も関わっていない事は明白になった。
こっちは平民になる』
「そうだな。
だが反逆者の1親等でもあるが、そこはどうなっている?」
『確かに。
しかし彼女が最後に捕まった時の状況も加味された。
縛られて猿ぐつわ噛まされて、明らかに拐われた状況だった。
それと俺の可愛い天使が連れて行かれた場所を教えて助けるよう話したのと、本人は宰相が父親だと疑った事もなかった。
それと一応元父親って事になるのか?
宰相が国からの慰謝料の代わりに恩赦を願ったのも大きかった。
宰相からすれば最愛の婚約者を手酷いやり口で死に追いやったのがビアンカの実の両親だったからな。
親子の情があるなんて誰も思ってもみなかったみたいだ。
国王達だけじゃなく、ビアンカ本人も驚いたらしい。
だが宰相は俺の可愛い天使は勘づいてたって言っていたぞ。
あの一言が無かったら見殺しにして、一生後悔する道を選んだかもしれないってさ。
どんな一言だったかは知らないが、さすが俺の可愛い天使だな』
「うちの子は優秀だな」
長男の弾んだ声に私もしっかり同意する。
『元々が先代やら先々代国王時代のヒュイルグ国とクェベル国王家の理不尽な婚姻の被害者が宰相だったから、国からはそれなりの慰謝料が与えられる予定だったらしい。
娘もまた被害者であるとクェベル国との連名で公表した。
それでも元王太子と元王女の1親等の血族だし、血筋だけは何かしらの火種になりかねない。
ヒュイルグ国、ナビイマリ国、クェベル国の各国王立ち合いと承認の元に犯罪者の両親を持つ私生児として戸籍登録させた上で身分も名前も剥奪され、この3国には一生涯立ち入らない事を魔法誓約書によって誓約して、身1つで放逐する』
「そうか。
普通なら野垂れ死ぬだろうな」
『これで全部だが、俺の可愛い天使の要望は叶えられそうか?』
「まあ他ならぬ可愛い娘のお願いだ」
そう言って今後の計画を組み立てていく。
なかなか骨が折れそうだ。
そして娘のお願いの為に各方面に手を打ち、可愛い愛娘との再会までに準備を終えた。
その間にも旅人という役柄に扮して私の可愛い娘は私の可愛いちょっと年下の息子に変身して大公の手術を行い、やはりその後寝込んだ。
生死を彷徨うほどで無かった事が救いだろう。
レイヤードに私の可愛い年下の息子の映像を撮って欲しいと頼んだら断られた。
次男が冷たい。
諦めきれず、好々爺セバスチャンを発動したらあっさり了承した。
解せない。
大公の術後は大きな発作もなく、しかし魔法での回復はしなかった。
その為まともに歩けるようになるまでには1ヶ月ほどかかり、その間は不測の事態に備えて娘と同じ部屋で寝食を共にしたらしい。
兄達とも同室だったとはいえ許せん。
同室だった全員が羨ましい。
謝礼は上乗せさせた。
ヒュイルグ国王の訪問が無駄に多かったらしく、鬱陶しくなった私の可愛い娘はイタチやムササビとなって常に兄達の服の中で子カンガルー状態だったという。
息子達が羨ましい。
私も親カンガルーになりたい。
コンコン。
部屋のノック音に我に返る。
「僕だ」
「どうぞ」
扉近くに控えていたニーアがそっと扉を開けた。
「父上」
「バルトスに連絡はついたかな」
向こうの部屋で兄と連絡を取り終わったらしい次男のレイヤードが私と可愛い娘にあてがわれた寝室へと入ってきた。
うちの子はアドライド国から正式にヒュイルグ国に招かれた賓客だ。
国に報告はしておかなければ後が面倒になる。
大公との話し合いを終えた私達は予定を変更してこの城で一晩過ごす事になった。
ベッドに寝かせた私の可愛い娘は少し熱があるのも手伝ってずっと深く寝入っている。
娘の真横に腰かけて約1年ぶりの天使な寝顔を堪能しつつ、頭を撫でていたところだ。
「兄上達一行は無事にアドライド国の船着き場まで戻ったらしいよ」
長男のバルトスは王宮魔術師団副団長という立場上、自国の王太子の護衛として親善外交の為に滞在中だった第2王子と共に帰路についている。
まったく。
ついでの王太子はともかく、バルトスがエセ爽やか単純馬鹿の横槍を許すから。
お陰で私が来るタイミングが····。
いや、まあ、だが、可愛い妹が初めて兄を恋しがって言葉そのまま泣きついたのなら納得してやるしかない。
私は長男も次男も末娘も皆可愛い。
見た目だけは無駄に爽やかな赤髪のあの男。
頭が軽くて乳だけ無駄に重い光の女と同族で、気に入らなければ人でも物でも灰にすればいいと考える単純思考のあいつが全て悪いんだ。
あのロリコン野郎に娘が目をつけられたのだってあの男が関わったからだ。
もちろん乳だけ女と同じく私達家族は連中が気に入らない。
いくらうちの子が可愛いからと言っても、我儘を聞いて良いのは私達家族だけで良いはずだ。
レイヤードは妹に黙って魔具であの手の連中達が入って来れないように細工していたくらいだ。
もちろんうちの邸には力が一定以上に強いその手の輩を弾く結界は常に張ってある。
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