78 / 491
5
77.修羅場1
しおりを挟む
「お兄様、私は公爵令嬢として社交界デビューもしていますし、交友関係を広く持ち、将来嫁いだ家に繁栄をもたらす為にこの者と同じ年にはお茶会にも出席して今では私自身の力でお茶会を開く事だってできますの。
友人も多いですし、お茶会を開いて試食として出せば王都の貴婦人が好むようなケーキに仕上げられて貴婦人たちの風評を使って今より更に売上も見込めるはずですわ。
貴族令嬢たるもの社交の場に身を置くのは当然ですし、体の弱さを理由に引きこもっている者よりもよほどお兄様に益をもたらせられますわ」
わお、従妹様ってばできる女アピールと僕への蹴落としに余念がないね。
ちゃっかり嫁いだ時の有益アピールもプレゼンしちゃうなんて、やるなあ。
お陰で義父様の機嫌が急転直下だよ。
腰掛けた従姉様の隣にいる従兄様なんてお顔が青いの通り越して白くなってて····うん、これはこれで義母様には無かった趣があって、いいかもしれない。
まあ実際義母様がこんな顔色になったら流石にこんな事しでかした人間を放っておいたりはしないんだけど、従兄様だしね。
僕は微笑ましくてついついニコニコしながら従兄様に見入っちゃう。
そんな僕に怯えた視線を投げかける従兄様と、今まさに笑顔を向ける僕をひと睨みしてすぐさま何かを期待する眼差しを義父様に向ける従姉様。
にしても義父様発するこの威圧感を通り越して殺気すら放つ凍結空間をものともしないなんて、さすが公爵令嬢を自負するだけの事はあるな。
公爵令息の従兄様なんて、既に真っ白な灰にと化しそうな雰囲気になってるんだから根性がたりないのかな。
「····クラウディア、お前はとにかく今すぐ口を閉じるんだ。
アリー、うちの愚妹が本当にごめん。
叔父上も不快にさせて····」
「あら、お兄様ったら、この程度の事は貴族令嬢として当然なのですから叔父様だってわかっていらっしゃいますわ。
なのに笑顔を浮かべてケーキまで食べ始めるなんて。
明日のお茶会が思いやられますわね」
「ふふふ、美味しいですよ、従姉様。
お1ついかがで····」
「お姉様と呼ぶのを偽物には許しておりませんわよ!
私を姉と呼んで良いのは本物の従妹であるルナチェリアだけですわ!」
「クラウディア!」
おっと、従兄様の制止の叫びも無視して僕に直接怒鳴りつけてきちゃったか。
にしても····。
「ねえ、君、今誰に何を言ったのかな」
「えっ、あっ、これは····」
興奮しててレイヤード義兄様が入って来たのに気づかなかったみたいだけど、今更慌ててももう遅いよ?
つかつかと大股で僕の隣に来る義兄様ってば無表情なのに地獄の門番みたいな形相に感じるのは僕の気のせいじゃないと思うんだけど、器用で素敵だよね。
「レ、レイヤード、様?」
「ねぇ、僕は君に名前を呼ぶ事を許していないよ。
ああ、全てが中途半端で現実問題何の役にもたたない、プライドだけが無駄に高いだけの無能な人間でも公爵家の令嬢で家格が上だから勝手に呼んだ?
確か家同士の取り決めで今後は節度ある言動を僕に対して取るんじゃなかった?
でも学園の先輩で生徒会の補佐をしてる僕の名前を僕の許可なく呼ぶのは今後先輩として許さないよ。
で、今誰に何を言ったのか教えてくれない?
ルナチェリアが何?
仮に生きてたとして君みたいな無意味な人間を姉と慕うとでも思っているとか?」
戸惑う従姉様(いや、今後はクラウディア様かフォンデアス公爵令嬢様って呼ぶべきかな)に容赦ない言葉の刃で突き刺していく。
····にしても、家同士の取り決め、ねぇ。
僕の目が細くなったのに気づいた従兄様が思わず腰を浮かせるけど、僕は無視して今のところ無言を貫く義父様にチラリと視線を投げかける。
しばらく赤い目と語り合い、やがて義父様は小さなため息を吐いて少しふてくされた顔をして横を向く。
ふふふ、何だか僕の遠い昔の幼馴染みたいでこんな状況なのに胸が温かくなる。
ま、それはそうと僕の勝ちだね。
後で詳しく教えてよね。
僕は小さく微笑んで公爵令嬢様へと視線を戻す。
公爵令嬢様はそんな僕の様子には全く気づかず、青くなった顔色で立ち上がる事も出来ないようで呆然と義兄様を見上げていた。
小刻みに震えて今にも涙が流れそうだね。
「兄様、座って」
僕の言葉に無表情なままだけど義兄様が両手、両足を組んでボスンと座る。
それを見届けてからケーキを置いて姿勢を正し、義母様直伝の静かなグレインビル侯爵令嬢としての威厳を示しつつ微笑む。
目の前の2人はハッとしたような顔をしたから成功かな。
「フォンデアス公爵令嬢様。
血縁関係がないとはいえ私達の関係は従姉妹同士です。
明日のお茶会の場で伯母様も含めて私達が共にいる理由は不慣れな私が粗相しないようフォンデアス公爵夫人とその令嬢が見守る為、と既に周知されております。
お茶会の場でグレインビル侯爵令嬢である私と不仲であると噂が立つことは伯母様も望まれないと思いますが、いかがでしょう」
お茶会とはいえ王妃様主催だから席次の関係で予め公爵家から通達されてるんだ。
「ああ、その通りだ」
「それでは明日のお茶会の場ではクラウディア様、とお呼びする事を了承下さいませ。
兄様も、今後の互いの領としての付き合いも考えてご令嬢の名前呼びをお許し下さい。
先程アリリアの実の使い道が決まりましたの。
ね、フォンデアス公爵令息様」
従兄様の返事を待って令息呼びで名前の許可を従兄様に求める。
ふふふ、ばつの悪そうなお顔もやっぱりいいね。
「俺は従兄様呼びに戻してくれると嬉しい。
それから重ね重ねグレインビル家に愚妹が迷惑をかけて申し訳ない。
その通りだ。
今回の件のお詫びもある。
今期の取引額を提示された金額の2割増しにさせて欲しい。
もちろんだからと言って愚妹の件を水に流せだなんて事はフォンデアス公爵家の名にかけて言わない。
そしてクラウディア」
1度話を切って妹へ感情のこもらない冷たいお顔を向ける。
そのお顔は伯母様に似ているね。
「そもそもが叔母上の葬儀の時にお前は俺の目の前で従姉様呼びを許している。
最初に従姉様呼びをアリーに持ちかけたのは一緒に席にいた母上だ。
その上でお前にもアリーは侯爵令嬢としての礼を守って許可を求めているが、あの時お前はレイヤードに気を取られて生返事をしていたから覚えていないだけだ」
「そんな····」
本人的には衝撃の事実かな。
うん、まあいきなりほぼほぼ初対面の表面上は家格が上の令嬢をお姉様呼びするのはハードル高いって、縦社会が色濃い貴族社会にいたら普通は気づいて当たり障りなく確認するもんだけどね。
※※※※※※※※※
お知らせ
※※※※※※※※※
全2話の短編小説を投稿しています。
<【花護哀淡恋】ある初代皇帝の手記>
ハロウィン→墓→ホラー→ミステリー?あれ?みたいな感じでハロウィンからかけ離れた内容の小説が出来上がりました。
よろしければご覧下さい。
友人も多いですし、お茶会を開いて試食として出せば王都の貴婦人が好むようなケーキに仕上げられて貴婦人たちの風評を使って今より更に売上も見込めるはずですわ。
貴族令嬢たるもの社交の場に身を置くのは当然ですし、体の弱さを理由に引きこもっている者よりもよほどお兄様に益をもたらせられますわ」
わお、従妹様ってばできる女アピールと僕への蹴落としに余念がないね。
ちゃっかり嫁いだ時の有益アピールもプレゼンしちゃうなんて、やるなあ。
お陰で義父様の機嫌が急転直下だよ。
腰掛けた従姉様の隣にいる従兄様なんてお顔が青いの通り越して白くなってて····うん、これはこれで義母様には無かった趣があって、いいかもしれない。
まあ実際義母様がこんな顔色になったら流石にこんな事しでかした人間を放っておいたりはしないんだけど、従兄様だしね。
僕は微笑ましくてついついニコニコしながら従兄様に見入っちゃう。
そんな僕に怯えた視線を投げかける従兄様と、今まさに笑顔を向ける僕をひと睨みしてすぐさま何かを期待する眼差しを義父様に向ける従姉様。
にしても義父様発するこの威圧感を通り越して殺気すら放つ凍結空間をものともしないなんて、さすが公爵令嬢を自負するだけの事はあるな。
公爵令息の従兄様なんて、既に真っ白な灰にと化しそうな雰囲気になってるんだから根性がたりないのかな。
「····クラウディア、お前はとにかく今すぐ口を閉じるんだ。
アリー、うちの愚妹が本当にごめん。
叔父上も不快にさせて····」
「あら、お兄様ったら、この程度の事は貴族令嬢として当然なのですから叔父様だってわかっていらっしゃいますわ。
なのに笑顔を浮かべてケーキまで食べ始めるなんて。
明日のお茶会が思いやられますわね」
「ふふふ、美味しいですよ、従姉様。
お1ついかがで····」
「お姉様と呼ぶのを偽物には許しておりませんわよ!
私を姉と呼んで良いのは本物の従妹であるルナチェリアだけですわ!」
「クラウディア!」
おっと、従兄様の制止の叫びも無視して僕に直接怒鳴りつけてきちゃったか。
にしても····。
「ねえ、君、今誰に何を言ったのかな」
「えっ、あっ、これは····」
興奮しててレイヤード義兄様が入って来たのに気づかなかったみたいだけど、今更慌ててももう遅いよ?
つかつかと大股で僕の隣に来る義兄様ってば無表情なのに地獄の門番みたいな形相に感じるのは僕の気のせいじゃないと思うんだけど、器用で素敵だよね。
「レ、レイヤード、様?」
「ねぇ、僕は君に名前を呼ぶ事を許していないよ。
ああ、全てが中途半端で現実問題何の役にもたたない、プライドだけが無駄に高いだけの無能な人間でも公爵家の令嬢で家格が上だから勝手に呼んだ?
確か家同士の取り決めで今後は節度ある言動を僕に対して取るんじゃなかった?
でも学園の先輩で生徒会の補佐をしてる僕の名前を僕の許可なく呼ぶのは今後先輩として許さないよ。
で、今誰に何を言ったのか教えてくれない?
ルナチェリアが何?
仮に生きてたとして君みたいな無意味な人間を姉と慕うとでも思っているとか?」
戸惑う従姉様(いや、今後はクラウディア様かフォンデアス公爵令嬢様って呼ぶべきかな)に容赦ない言葉の刃で突き刺していく。
····にしても、家同士の取り決め、ねぇ。
僕の目が細くなったのに気づいた従兄様が思わず腰を浮かせるけど、僕は無視して今のところ無言を貫く義父様にチラリと視線を投げかける。
しばらく赤い目と語り合い、やがて義父様は小さなため息を吐いて少しふてくされた顔をして横を向く。
ふふふ、何だか僕の遠い昔の幼馴染みたいでこんな状況なのに胸が温かくなる。
ま、それはそうと僕の勝ちだね。
後で詳しく教えてよね。
僕は小さく微笑んで公爵令嬢様へと視線を戻す。
公爵令嬢様はそんな僕の様子には全く気づかず、青くなった顔色で立ち上がる事も出来ないようで呆然と義兄様を見上げていた。
小刻みに震えて今にも涙が流れそうだね。
「兄様、座って」
僕の言葉に無表情なままだけど義兄様が両手、両足を組んでボスンと座る。
それを見届けてからケーキを置いて姿勢を正し、義母様直伝の静かなグレインビル侯爵令嬢としての威厳を示しつつ微笑む。
目の前の2人はハッとしたような顔をしたから成功かな。
「フォンデアス公爵令嬢様。
血縁関係がないとはいえ私達の関係は従姉妹同士です。
明日のお茶会の場で伯母様も含めて私達が共にいる理由は不慣れな私が粗相しないようフォンデアス公爵夫人とその令嬢が見守る為、と既に周知されております。
お茶会の場でグレインビル侯爵令嬢である私と不仲であると噂が立つことは伯母様も望まれないと思いますが、いかがでしょう」
お茶会とはいえ王妃様主催だから席次の関係で予め公爵家から通達されてるんだ。
「ああ、その通りだ」
「それでは明日のお茶会の場ではクラウディア様、とお呼びする事を了承下さいませ。
兄様も、今後の互いの領としての付き合いも考えてご令嬢の名前呼びをお許し下さい。
先程アリリアの実の使い道が決まりましたの。
ね、フォンデアス公爵令息様」
従兄様の返事を待って令息呼びで名前の許可を従兄様に求める。
ふふふ、ばつの悪そうなお顔もやっぱりいいね。
「俺は従兄様呼びに戻してくれると嬉しい。
それから重ね重ねグレインビル家に愚妹が迷惑をかけて申し訳ない。
その通りだ。
今回の件のお詫びもある。
今期の取引額を提示された金額の2割増しにさせて欲しい。
もちろんだからと言って愚妹の件を水に流せだなんて事はフォンデアス公爵家の名にかけて言わない。
そしてクラウディア」
1度話を切って妹へ感情のこもらない冷たいお顔を向ける。
そのお顔は伯母様に似ているね。
「そもそもが叔母上の葬儀の時にお前は俺の目の前で従姉様呼びを許している。
最初に従姉様呼びをアリーに持ちかけたのは一緒に席にいた母上だ。
その上でお前にもアリーは侯爵令嬢としての礼を守って許可を求めているが、あの時お前はレイヤードに気を取られて生返事をしていたから覚えていないだけだ」
「そんな····」
本人的には衝撃の事実かな。
うん、まあいきなりほぼほぼ初対面の表面上は家格が上の令嬢をお姉様呼びするのはハードル高いって、縦社会が色濃い貴族社会にいたら普通は気づいて当たり障りなく確認するもんだけどね。
※※※※※※※※※
お知らせ
※※※※※※※※※
全2話の短編小説を投稿しています。
<【花護哀淡恋】ある初代皇帝の手記>
ハロウィン→墓→ホラー→ミステリー?あれ?みたいな感じでハロウィンからかけ離れた内容の小説が出来上がりました。
よろしければご覧下さい。
1
お気に入りに追加
413
あなたにおすすめの小説
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
乙女ゲームの断罪イベントが終わった世界で転生したモブは何を思う
ひなクラゲ
ファンタジー
ここは乙女ゲームの世界
悪役令嬢の断罪イベントも終わり、無事にエンディングを迎えたのだろう…
主人公と王子の幸せそうな笑顔で…
でも転生者であるモブは思う
きっとこのまま幸福なまま終わる筈がないと…
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~
涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる