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71.あざとい角度~ガウディードside
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「申し訳ありません、叔父上。
クラウディアはもちろんの事、我が公爵家一同、心より此度の事をお詫び申し上げます」
出て行ったレイヤードをクラウディアが追いかけて俺は叔父上と2人っきりだ。
きちんと誠心誠意謝るもののだ····正直に言おう。
(めちゃくちゃ怖い!!)
背中を流れる冷たい汗が全く引かない。
男の俺からしてもどこか色気のある叔父上の氷の微笑がブリザードのように寒々しい。
そして過去最高に怖い!
父上、あんなポンコツ不良物件を俺に押し付けるとか、どんだけ荒行なんだ!
娘に嫌われたくないとか、絶対公爵家の当主らしからぬ理由で押しつけてきたのバレバレなんですけど!
「それで、どう始末をつけるんだい?
初めに言っておくけど、レイヤードに彼女は今後一切付けないというのがうちとそちらとの決まりだったよね?
まさかそれも見切り発車と同じく君達は聞いていないのかな?
それに家同士で取り決めた約束事を下らない言葉遊びのように考えて直接近づかなければ何をしても良いというわけじゃないんだよ?」
うっ、少し前まで不良物件が人を使って忍ばせてた手紙の件だ。
やっぱりバレてた!
すみません、叔父上!
俺達もまさか1年大人しくしてた不良物件が人を使ってあんな怪文書を従弟に送り付けるなんて思ってなかったんです!
「その件で改めて····」
「断る」
早いな!?
「何故うちの可愛い娘を危険に晒してまで私の可愛い娘に敵意を隠さない者の後始末に手を貸す必要があるんだい?
先程の私の可愛い娘への態度を公爵令嬢らしく表面上だけでも取り繕う技量があるのならまだしも、ただ身分が高いというだけで中身が何1つ伴っていないよ。
自分の家の不良物件の処理は自分達でできるだろう。
大方エミリアが何かしら画策したんだろうが、甚だ迷惑だ。
そちらの不良物件とは違って私の可愛らしくも察しの良い娘は間違いなく明後日の茶会で1人になる事を選ぶ。
私の可愛い娘の気質は知らないわけではないだろう?」
····何回私の可愛い娘を連呼するんだよ。
まあそれだけ自分の養女を軽んじるなって言いたいんだろうけど。
てかまさかの叔父上も不良物件呼び。
気が合いますね。
なんて現実逃避してる場合でもないな。
わかっているさ。
わかっていて父上は母上の提案を受け入れやがったんだよ、叔父上。
でもって叔母上と顔立ちが少なからず似ている俺を生贄という名の交渉役に選んだ。
(マジで勘弁して欲しい!!)
今後は親父、じゃない、父上共々グレインビル領は出禁だな。
「わかっていますが、こちらとしても我が公爵家の駒としての妹をすぐに切り捨てるには惜しいんです。
妹はレイヤードという麗しの初恋に狂っていますが、駒としての教育は及第点。
とはいえ初恋が恋敵に取られると思うほど冷静にはなれないんです。
叔父上も叔母上との婚約が決まるまでは常に冷静ではいられなかったはず。
叔母上と同じ血を引く妹に温情をかけてはいただけませんか。
もし無理なようであれば妹は金だけあるようなどこぞの下位貴族の後妻に嫁がせると母上は決めました。
母上は良くも悪くも公爵夫人としての気質を持っています。
今回の件で妹の事については父上も匙を投げました。
俺も叔父上が了承していただけなければ母上の意見に従うつもりで無理を承知で妹と押しかけました。
もちろんそれならば明後日の茶会は妹に欠席させます。
どのみち今後社交界に出る事のないような後妻の立場になりますから。
しかし妹の兄として最後に叔父上に甥としてすがりたいんです。
叔父上の可愛い娘を害した妹ではなく、叔母上と血の繋がるこの甥にどうか慈悲をいただけませんか」
研究した叔母上に少しでも似ている部分を見せる角度で頭を下げていく。
「従兄様、私にもその角度であざとくお顔見せて!」
····いつの間に入って来たんだろ。
後ろで控える天使様の専属侍女様がとっても冷え冷えとした怖い目をしてるのとは正反対に叔父上達の天使様は天使様のような可愛らしいキラキラした目でブリザードの中のほっとスポットですね。
心が洗われて昇天しそうです····ていうか、めっちゃバレてる!?
クラウディアはもちろんの事、我が公爵家一同、心より此度の事をお詫び申し上げます」
出て行ったレイヤードをクラウディアが追いかけて俺は叔父上と2人っきりだ。
きちんと誠心誠意謝るもののだ····正直に言おう。
(めちゃくちゃ怖い!!)
背中を流れる冷たい汗が全く引かない。
男の俺からしてもどこか色気のある叔父上の氷の微笑がブリザードのように寒々しい。
そして過去最高に怖い!
父上、あんなポンコツ不良物件を俺に押し付けるとか、どんだけ荒行なんだ!
娘に嫌われたくないとか、絶対公爵家の当主らしからぬ理由で押しつけてきたのバレバレなんですけど!
「それで、どう始末をつけるんだい?
初めに言っておくけど、レイヤードに彼女は今後一切付けないというのがうちとそちらとの決まりだったよね?
まさかそれも見切り発車と同じく君達は聞いていないのかな?
それに家同士で取り決めた約束事を下らない言葉遊びのように考えて直接近づかなければ何をしても良いというわけじゃないんだよ?」
うっ、少し前まで不良物件が人を使って忍ばせてた手紙の件だ。
やっぱりバレてた!
すみません、叔父上!
俺達もまさか1年大人しくしてた不良物件が人を使ってあんな怪文書を従弟に送り付けるなんて思ってなかったんです!
「その件で改めて····」
「断る」
早いな!?
「何故うちの可愛い娘を危険に晒してまで私の可愛い娘に敵意を隠さない者の後始末に手を貸す必要があるんだい?
先程の私の可愛い娘への態度を公爵令嬢らしく表面上だけでも取り繕う技量があるのならまだしも、ただ身分が高いというだけで中身が何1つ伴っていないよ。
自分の家の不良物件の処理は自分達でできるだろう。
大方エミリアが何かしら画策したんだろうが、甚だ迷惑だ。
そちらの不良物件とは違って私の可愛らしくも察しの良い娘は間違いなく明後日の茶会で1人になる事を選ぶ。
私の可愛い娘の気質は知らないわけではないだろう?」
····何回私の可愛い娘を連呼するんだよ。
まあそれだけ自分の養女を軽んじるなって言いたいんだろうけど。
てかまさかの叔父上も不良物件呼び。
気が合いますね。
なんて現実逃避してる場合でもないな。
わかっているさ。
わかっていて父上は母上の提案を受け入れやがったんだよ、叔父上。
でもって叔母上と顔立ちが少なからず似ている俺を生贄という名の交渉役に選んだ。
(マジで勘弁して欲しい!!)
今後は親父、じゃない、父上共々グレインビル領は出禁だな。
「わかっていますが、こちらとしても我が公爵家の駒としての妹をすぐに切り捨てるには惜しいんです。
妹はレイヤードという麗しの初恋に狂っていますが、駒としての教育は及第点。
とはいえ初恋が恋敵に取られると思うほど冷静にはなれないんです。
叔父上も叔母上との婚約が決まるまでは常に冷静ではいられなかったはず。
叔母上と同じ血を引く妹に温情をかけてはいただけませんか。
もし無理なようであれば妹は金だけあるようなどこぞの下位貴族の後妻に嫁がせると母上は決めました。
母上は良くも悪くも公爵夫人としての気質を持っています。
今回の件で妹の事については父上も匙を投げました。
俺も叔父上が了承していただけなければ母上の意見に従うつもりで無理を承知で妹と押しかけました。
もちろんそれならば明後日の茶会は妹に欠席させます。
どのみち今後社交界に出る事のないような後妻の立場になりますから。
しかし妹の兄として最後に叔父上に甥としてすがりたいんです。
叔父上の可愛い娘を害した妹ではなく、叔母上と血の繋がるこの甥にどうか慈悲をいただけませんか」
研究した叔母上に少しでも似ている部分を見せる角度で頭を下げていく。
「従兄様、私にもその角度であざとくお顔見せて!」
····いつの間に入って来たんだろ。
後ろで控える天使様の専属侍女様がとっても冷え冷えとした怖い目をしてるのとは正反対に叔父上達の天使様は天使様のような可愛らしいキラキラした目でブリザードの中のほっとスポットですね。
心が洗われて昇天しそうです····ていうか、めっちゃバレてる!?
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