69 / 491
5
68.馴れ初め
しおりを挟む
レイヤード義兄様の癒しの寝顔や、起きて僕を乗せてくれる義父様より少しだけ厚みの少ないお膝を堪能したりつつ、1度休憩を挟んで馬車は王都を少し越えて山を整地した貴族の別荘がいくつかの区画で区切って建ち並ぶ内の義父様の所有する別荘で停車。
休憩の時は義兄様が作った保冷温に優れた水筒の試作品の出来を2人で堪能しながら散策したよ。
義父様は残って馬車の具合や御者台の感想をニーア達に聞いてた。
うまくいけばロイヤリティーがまた入りそうだね。
既に夕方だから今日はここでお泊りなんだけど、僕がここに来たのは今回で2度目。
以前ここに来たのは僕が1才になった今くらいの時期だったかな。
その時も狩猟祭の為に家族で来たんだけど、生憎その時は僕が翌日に高熱を出して義母様とレイヤード義兄様とお留守番になったんだ。
当時は普通の馬車で通常の時間をかけて来たから小さかった僕には負担だったんだと思う。
本当はその時伯父様一家と僕の顔合わせをする予定だったけど、結局伯母様達と顔を合わせたのは義母様のお葬式の時だった。
伯父様と伯母様の馴れ初めは学園で義母様とお友達になった伯母様を伯父様が見初めて口説いたんだって前にバルトス義兄様から聞いたから、伯母様は友人で義妹の義母様とのお別れは惜しんでくれたんじゃないかな。
状況も状況だったし、伯母様達とは顔を合わせただけでその時は伯母様とは話せてないんだ。
ちなみに今回一緒に行動する従姉様以外にもバルトス義兄様より1つ年上のお兄さんが1人いて、今もなんだけど伯父様と従兄様はグレインビル領にお馬に乗って2人で来る事が時々あったから実は伯母様達女性陣より気心が知れてるんだよ。
明日はお昼前にここを出発して、夕方にアビニシア領領主が用意したゲストハウスで3日間泊まる予定だけど、義父様と伯父様は元々仲の良い友人同士だし、親戚関係もあるからどうせなら親交を深めようって伯父様の方から義父様と主催者側にお願いして3日間同じハウスになった。
従姉様はレイヤード義兄様の1つ下だけど学園での接点はないみたいで話に出た事がないし、従兄様からの前情報では公爵令嬢としての振る舞いは及第点だけど気が強いみたいだね。
伯母様は良くも悪くも普通で元は侯爵の出らしい。
学園で伯父様に出会う前は当時王太子だった国王陛下の婚約者候補の1人で王妃様と婚約者の座を争ってた····主にそれぞれの生家が。
伯母様も王妃様も未来の王妃に相応しい教育を受けてたのは間違いないんだけど、伯母様は侯爵令嬢としての義務感、王妃様は王様に好意は寄せてたけど王妃の立場には拘って無かったって。
ぶっちゃけ側妃のが責任少なくて良いって考えだったみたい。
ふふふ、これは義母様の秘密情報だからもちろん誰にも言わない。
3人は学園の寮で秘密の女子会をする仲だったらしいよ。
青春だよね。
明後日開催される狩猟祭に義父様達が参加する間、僕は伯母様と従姉様と一緒に王妃様が主催するお茶会に参加する予定だけど、他にも参加する婦女子がいる手前そこらへんの当時の恋バナは聞けないのがちょっぴり残念。
そうそう、義父様と義母様の馴れ初めはグレインビル領で開催された狩猟祭。
当時はまだ領のすぐ隣の隣国とは同盟結んでなくて戦争までは発展しないけど大きめの紛争はちょくちょくあったし経済面でも今より格段に劣ってたから当然狩猟祭は順番通りにうちの領でも開催されてたんだ。
当時8才の義母様を9才の義父様が見初めて1年間義母様の生家に週1で通って口説き落としたっていうのはグレインビル領内では周知の事実。
義父様の転移魔法はその時習得したらしいけど、9才で高位魔法を習得するって義母様への執念がそら恐ろしいよ。
義母様の生家の方はさすがに2人とも幼すぎるっていうのと、義母様は目を離すと走り回ってじっとしてないような淑女教育がままならないお転婆少女で、そのくせ時々倒れるような体の弱さを合わせ持ってたから辺境領に嫁がせるのが不安だったみたい。
それに本人が嫌がれば間違いなく家出するくらいには行動力のある頑固者だったから、本人の了承が絶対条件だったっていうのは伯父様から聞かされた。
当時陞爵したばかりとは言っても義母様の生家は実は公爵家。
陞爵間近だったとはいえ、当時はぎりぎり伯爵位だったグレインビル家との家格差はどうだったのか聞いたら、そこはグレインビル家が伯爵の中でも特殊な辺境伯だったのと、義母様の資質的な理由を考慮して気にされなかったって聞いたけど····でも今でも貴族は家格を優先する。
当時はもっと厳格だったと思うし、生家の娘は義母様1人なんだ。
生家から愛されてたのか、お転婆少女がかなりぶっ飛んでたのか、その両方か、どっちだろうって考えると····ねぇ。
とは言っても出会った翌年の冬には婚約してたんだから、義父様が情熱的だったんだろうな。
そうそう、この別荘なんだけど義母様の生家がある領にも近いんだよ。
婚約記念に義父様が10才になってすぐに冒険者登録して稼いだお金で購入したらしいよ。
義母様の生家に通いつつ、冒険者やりつつ、グレインビル領の次期領主としてお勉強と隣国との競り合いも参加して····幼い頃の義父様って凄すぎない。
休憩の時は義兄様が作った保冷温に優れた水筒の試作品の出来を2人で堪能しながら散策したよ。
義父様は残って馬車の具合や御者台の感想をニーア達に聞いてた。
うまくいけばロイヤリティーがまた入りそうだね。
既に夕方だから今日はここでお泊りなんだけど、僕がここに来たのは今回で2度目。
以前ここに来たのは僕が1才になった今くらいの時期だったかな。
その時も狩猟祭の為に家族で来たんだけど、生憎その時は僕が翌日に高熱を出して義母様とレイヤード義兄様とお留守番になったんだ。
当時は普通の馬車で通常の時間をかけて来たから小さかった僕には負担だったんだと思う。
本当はその時伯父様一家と僕の顔合わせをする予定だったけど、結局伯母様達と顔を合わせたのは義母様のお葬式の時だった。
伯父様と伯母様の馴れ初めは学園で義母様とお友達になった伯母様を伯父様が見初めて口説いたんだって前にバルトス義兄様から聞いたから、伯母様は友人で義妹の義母様とのお別れは惜しんでくれたんじゃないかな。
状況も状況だったし、伯母様達とは顔を合わせただけでその時は伯母様とは話せてないんだ。
ちなみに今回一緒に行動する従姉様以外にもバルトス義兄様より1つ年上のお兄さんが1人いて、今もなんだけど伯父様と従兄様はグレインビル領にお馬に乗って2人で来る事が時々あったから実は伯母様達女性陣より気心が知れてるんだよ。
明日はお昼前にここを出発して、夕方にアビニシア領領主が用意したゲストハウスで3日間泊まる予定だけど、義父様と伯父様は元々仲の良い友人同士だし、親戚関係もあるからどうせなら親交を深めようって伯父様の方から義父様と主催者側にお願いして3日間同じハウスになった。
従姉様はレイヤード義兄様の1つ下だけど学園での接点はないみたいで話に出た事がないし、従兄様からの前情報では公爵令嬢としての振る舞いは及第点だけど気が強いみたいだね。
伯母様は良くも悪くも普通で元は侯爵の出らしい。
学園で伯父様に出会う前は当時王太子だった国王陛下の婚約者候補の1人で王妃様と婚約者の座を争ってた····主にそれぞれの生家が。
伯母様も王妃様も未来の王妃に相応しい教育を受けてたのは間違いないんだけど、伯母様は侯爵令嬢としての義務感、王妃様は王様に好意は寄せてたけど王妃の立場には拘って無かったって。
ぶっちゃけ側妃のが責任少なくて良いって考えだったみたい。
ふふふ、これは義母様の秘密情報だからもちろん誰にも言わない。
3人は学園の寮で秘密の女子会をする仲だったらしいよ。
青春だよね。
明後日開催される狩猟祭に義父様達が参加する間、僕は伯母様と従姉様と一緒に王妃様が主催するお茶会に参加する予定だけど、他にも参加する婦女子がいる手前そこらへんの当時の恋バナは聞けないのがちょっぴり残念。
そうそう、義父様と義母様の馴れ初めはグレインビル領で開催された狩猟祭。
当時はまだ領のすぐ隣の隣国とは同盟結んでなくて戦争までは発展しないけど大きめの紛争はちょくちょくあったし経済面でも今より格段に劣ってたから当然狩猟祭は順番通りにうちの領でも開催されてたんだ。
当時8才の義母様を9才の義父様が見初めて1年間義母様の生家に週1で通って口説き落としたっていうのはグレインビル領内では周知の事実。
義父様の転移魔法はその時習得したらしいけど、9才で高位魔法を習得するって義母様への執念がそら恐ろしいよ。
義母様の生家の方はさすがに2人とも幼すぎるっていうのと、義母様は目を離すと走り回ってじっとしてないような淑女教育がままならないお転婆少女で、そのくせ時々倒れるような体の弱さを合わせ持ってたから辺境領に嫁がせるのが不安だったみたい。
それに本人が嫌がれば間違いなく家出するくらいには行動力のある頑固者だったから、本人の了承が絶対条件だったっていうのは伯父様から聞かされた。
当時陞爵したばかりとは言っても義母様の生家は実は公爵家。
陞爵間近だったとはいえ、当時はぎりぎり伯爵位だったグレインビル家との家格差はどうだったのか聞いたら、そこはグレインビル家が伯爵の中でも特殊な辺境伯だったのと、義母様の資質的な理由を考慮して気にされなかったって聞いたけど····でも今でも貴族は家格を優先する。
当時はもっと厳格だったと思うし、生家の娘は義母様1人なんだ。
生家から愛されてたのか、お転婆少女がかなりぶっ飛んでたのか、その両方か、どっちだろうって考えると····ねぇ。
とは言っても出会った翌年の冬には婚約してたんだから、義父様が情熱的だったんだろうな。
そうそう、この別荘なんだけど義母様の生家がある領にも近いんだよ。
婚約記念に義父様が10才になってすぐに冒険者登録して稼いだお金で購入したらしいよ。
義母様の生家に通いつつ、冒険者やりつつ、グレインビル領の次期領主としてお勉強と隣国との競り合いも参加して····幼い頃の義父様って凄すぎない。
1
お気に入りに追加
413
あなたにおすすめの小説
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
乙女ゲームの断罪イベントが終わった世界で転生したモブは何を思う
ひなクラゲ
ファンタジー
ここは乙女ゲームの世界
悪役令嬢の断罪イベントも終わり、無事にエンディングを迎えたのだろう…
主人公と王子の幸せそうな笑顔で…
でも転生者であるモブは思う
きっとこのまま幸福なまま終わる筈がないと…
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~
涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる