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序章〜終わり、そして始まり〜

【第二話】絶望の始まり

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目標ターゲットを補足ただちに捕獲を開始する。オーb』
「バレバレなんだよマスクマン!!!」
  私は瞬時に掌に魔力を込め「【フレイ】!!!」と言いながら炎の魔導を繰り出した。
  謎のマスクマンはそれが顔面に直撃しぐへぇという断末魔を発しながらそのまま倒れ込んだ。
   (一体こいつはなに?武具に魔力が込められている所を見ると【ギルム】の連中の手先か、、、、めんどーなことになってきたわね )
  色々と思案を巡らせてはいるが何も分からない、心当たりもないこの連中にいくつもの疑念を抱きながら村長やみんなの元へ【フライ】の魔法を使い急いで向かった。

「なに、、、、これ、、、、」
  着いた時には遅かった、あののどかな畑は一晩にして住民達の死体でいっぱいの地獄と化しており、周りの山や森には火が放たれていた。
「、、、、、、村長のとこ、行かなきゃ」
  私はまた全速力で村長の家まで飛んで行った。

「村長!!!大丈夫!?」
「おぉ、マリア様ご無事でなりよりです。」
「んな事言ってる場合じゃないでしょ!!一体何が起こったの!?」
  「、、、、、、分かりません、我々も気づいたらこの惨状でどうすることも出来ず、、申し訳ありません、、、、」
  村長達を責めることは出来ない、この人達も自分を守るのに精一杯なのは見なくても分かる、それくらいのひどい有様だった。
「とにかく、ここが最後の砦ってわけなんでしょ、あたしも手伝うわよ!!!」
「、、、、、、いや、ここはもう砦ではございません」
「、、、、へ?」
「最後の砦はマリア様、あなたなのでございます。」
  意味がわからなかった私が砦?なんで?
そんな私を置いてけぼりにしながら話を続けた。
「奴らの狙いは、マリア様なのでございます。マリア様だけ奴らは捕獲、と言っていましたからな、ですがあんな真似をする連中がまともな理由でこんなことすると思えません、」
「まともだとしてもこんなことするヤツらゴメンだね、じゃああたしはどうしたらいいのさ」
「逃げて下さい。」
「、、、、なんで?あたしも戦うよ?」
「いや、目の前に自分達の目的であるマリア様がいれば奴らからしたらとんでもないチャンスを我らが作ってしまいます、そうなったら我々に勝ち目はありません、我々にとってはマリア様が捕まることが唯一の敗北なのです!!!」
「でも、」
「でもじゃありません!!!」
「!?」
「我々は、あなたに救われたのです、その恩を返したいと思うのは当然でしょうが!!」
「、、、、あたし何にもしてないのに?」
「とんでもありません、我々はあなた様が来てからこの老いぼれしかいない村に希望を与えて下さった光なのです。」
「、、、、、、」
「生きて下さい、それが我々の願いです。」
「、、、、分かった」
  そう言うと村長はにっこりと今までで見たこともない笑顔を見せた。
  私は【フライ】の魔法を使い一目散に逃げた、みんなの願いを叶えるために、、、、

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  「、、、、さて、マリア様はお逃げになられたのだろうか、どうかご無事を祈っております、、、、
  さて、この若造共だがどうしてくれようか、
今のわしはジャックナイフなんかよりよっぽどよく切れるぞ、、、、」
  そう言いながらわしは古き日を思い出し杖に魔力を込め全力の魔導を繰り出した、
「グラビティウォルド!!!」
  たちまち奴らは生々しい音を立てながら潰れていく。
「どうじゃ!わしの魔導【重力グラビティ】!まだまだ捨てたもんじゃないのぉ!!」
「その魔導は、」
「!?誰じゃ!!」
「初代近衛兵隊長の魔導ではないか、こんな所で老いぼれていたとはな。」
「質問に答えい!!お前は何もんじゃ!!!」
  (なぜだ、なぜやつに【重力グラビティ】が効かないんじゃ!?何か細工でもしたのか?)
「無駄だ。」
「!?」
「今のお前の実力では私の足止めも出来ん、そこまで落ちたか初代。」
  奴はため息混じりに呆れたかのようにその言葉を発する。
(ど、どうすればいいんじゃ、、、、)
「今度はこちらの番だ」
(!?く、来る!!構えなければ!!)
「行くぞ。」
  そう言うと奴は拳を構え【破壊デストロイ】と言いながら拳をつく、瞬間何が起こったのかわからなかった、ただ一つ確かなのは体にぽっかり穴が空いたことだけだった。
「ガハァッ」
  そんな声を発しながら、口から血を吐き出した、穴の空いた体も徐々に痛くなってきた。
(死、死ぬ、やばい、どうすれば、、、、呼吸も出来ない、苦しい、痛い、辛い、)
  そう思った瞬間、今までの人生がフラッシュバックしてきた。
(これが、、走馬灯、、、、か)
(マ、、、、リア、、、、、、様、、、、ご、、、、無事、、、、を、、、、、、祈って、、、、、、、、おり、、、、、、、、、、ます、、、、、、、、、、、、ぞ、、、、、、)

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『、、、、死亡、確認これより処理作業に入る。』
『そんなもの要らん。』
『!!はっ!ボス!』
『どうせすぐこんな村無くなるんだ、そんなことしなくても良いだろう。』
『了解、致しました。』
『マリア=ニーナはどこへ行った?』
『この森の奥かと。』
『分かった、俺一人で行く、後のものは着いてくるな。』
『はっ!!了解致しました!!』
『待っていろ、マリア=ニーナよ俺の計画に貴様は必要不可欠だからなぁ。』
  そう言うと奴は異様に長い舌でベロリと舌なめずりをした。
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