ゲームちっくな異世界でゆるふわ箱庭スローライフを満喫します 〜私の作るアイテムはぜーんぶ特別らしいけどなんで？〜

35.再現できた

35.再現できた

翌日。


「ねぇ、スピカちゃん。落下耐性+8って、効果としては高いの？」


「効果付きのアイテム自体がレアですから貴重ですし、効果は高いですよ」


「でも、今の私のHPって2200くらいあるじゃない？ それに+8されても大したことなくない？」


「防御も含めた耐性効果は、単純にHPに足されるのではありません。
何かのダメージを受けた際に、この値を元にダメージが軽減されるのです」


「へー、+8だからHPが8減りにくい、とかじゃないんだね」


「ですから、+8でも充分な効果がありますよ」




「分かった。じゃあ作ってみよう！ 
今度は人間サイズで、私と同じかちょっと大きいくらいの女の子が着るサイズにしようかな」


「装備アイテムは、私のように非常に小さいのでなければ身体にフィットするように変化してくれますから、あまりサイズは気にしなくても大丈夫ですよ」


「そんな便利機能もあるんだ！ じゃあ、私と同じサイズで作ったらいい？」


「いえ、サイズ選択の際に『free』という項目がありますのでそれがよろしいかと」


「OK！ じゃあそれで作ってみよう」




昨日と全く同じ手順で、ウエストのテープを赤い革ベルトに、くるみボタンをそれに合わせて濃いめの赤色にした。これはこれでかわいいな。


そして、完成品のアイテム詳細がこちら。




《オーガンジーコットンワンピース》★★
効果:落下耐性+8

素材:《オーガンジーコットン》★、《ミシン糸》★、《ラッセルレース》★、《くるみボタン》★、《革ベルト》★
道具:針
スキル:裁縫



「さっきのスピカちゃんの服と同じだ。
ベルトに変えたからどうかと思ってたけど、どっちでも良かったみたいだね」


「ええ、幾つもの素材を組み合わせる方法がある、というだけでも非常に画期的な発見ですが、それが何度も繰り返し出来るのは本当に素晴らしいことです。
それこそ、いつもの麻婆豆腐グループであれば欲しがるのではありませんか？」


「え、あの人たちは戦闘職メインだと思うけど、こんなひらひらワンピース、着るかな？」


「女性もいるでしょうし、たとえゴツい男の人でも、効果が良ければ着るでしょうね」


「それはちょっとヤダなぁ……可愛い人に着て欲しいんですが、って注釈付きで聞いてみるよ」




いつも買ってくれるお得意様だし、私がお金に困らないのは間違いなくこの人たちのおかげだからね。


「ですが、今回のアイテムは料理と違って効果が永続します。
高値がつくでしょうからオークションに掛けるのもありだと思いますよ」


「え、オークション？ そんなのあるの？」