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第二章 異世界の王都 転移した彼女 謎の白骨遺体
30 ギルド館長 ジン
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ギルドの館から出された俺は、野次馬の冒険者たちにぐるりと囲まれてしまった。
そのなかにいるのは、館長と俺、そして犬飼とジャックだ。
「犬飼、てめえが余計なことを言うから」
「まぁ、こういう熱血漢は力を見せつけないとわからんぞな、すまん」
「たしかに、いくら話してもダメだろうな」
「うむ、あれをやってやれ」
「あれ?」
「ステータスオープンぞな、あれを見せれば腰を抜かすだろう」
「かもな……。まぁ、ここはなんとかするから、犬飼はフェルナンドの遺体処理を頼む」
「御意」
犬飼はジャックを連れて去っていった。
その瞬間、背後から鋭い殺気を感じた。
拳を作って、ゴキゴキと骨の位置を確認する館長がこちらを睨んでいる。
その豪腕な筋肉はいまにもはち切れそうな、闘魂を燃やす。
昔、漫画で見た、喧嘩大好き番長みたいな男の姿があった。すぐにでも殴りかかってきそうなオーラを放っている。
「やれやれ、とりあえずステータスオープンするか」
指をパチンと鳴らし、虚空にウィンドウを放つ。
その瞬間、俺と館長をぐるりと囲んでいた冒険者たちから響めきが走った。
「おい! なんだあれ?」
「トレカか?」
「いや、トレカが浮かぶとか聞いたことないぞ」
「何あれ~」
集まる冒険者たちの人数はみるみるあふれ、いまでは百人は超える数がいそうだった。まぁ、そんなことはどうでもいい。
一番びっくりしているのは、館長だった。
「な、なんだそれは……」
「館長、あんたのステータスだ」
「えっ、俺の?」
「見たいか?」
「あ、ああ」
素直にコクリと首を縦に振る館長。
なんだ、意外と可愛いところあるぞ。ウィンドウを広げて見やすくしてやってから指先で挟んで、シュッと投げた。まるで、トランプカードのように回転し、ウィンドウが館長の手前で、ピタッと止まって浮遊する。そこには、こんな内容のデータがあった。
『 ジン 館長 性別:男 』
『 レベル:52 年齢:43 』
『 ちから:255 』
『 すばやさ: 95 』
『 みのまもり:210 』
『 かしこさ: 64 』
『 うんのよさ: 80 』
『 さいだいHP:510 』
『 さいだいMP: 0 』
『 こうげき力:255 』
『 しゅび力:255 』
『 EX:28479200 』
『 G:33000000 』
『 スキル:総合格闘技 』
館長は自分のステータスを見つめて、わなわなと震えている。
「お、俺には総合格闘技のスキルがあったのか! やはりそうか!」
「どうした? トレカにはスキルは載ってないのか?」
「ああ、トレカには魔法は載るが、スキルだけは不明なんだ」
「どういうことだ。そもそもトレカを発行する仕組みとはなんだ?」
「トレカは古代機械と呼ばれるものの一つだ」
「へ~、そういうことか。なんとなく話が見えてきたぞ」
「それにしても、なぜ君はこんなことができる?」
ジャケットの襟を整えた俺は答えた。
「探偵だからさ」
そのなかにいるのは、館長と俺、そして犬飼とジャックだ。
「犬飼、てめえが余計なことを言うから」
「まぁ、こういう熱血漢は力を見せつけないとわからんぞな、すまん」
「たしかに、いくら話してもダメだろうな」
「うむ、あれをやってやれ」
「あれ?」
「ステータスオープンぞな、あれを見せれば腰を抜かすだろう」
「かもな……。まぁ、ここはなんとかするから、犬飼はフェルナンドの遺体処理を頼む」
「御意」
犬飼はジャックを連れて去っていった。
その瞬間、背後から鋭い殺気を感じた。
拳を作って、ゴキゴキと骨の位置を確認する館長がこちらを睨んでいる。
その豪腕な筋肉はいまにもはち切れそうな、闘魂を燃やす。
昔、漫画で見た、喧嘩大好き番長みたいな男の姿があった。すぐにでも殴りかかってきそうなオーラを放っている。
「やれやれ、とりあえずステータスオープンするか」
指をパチンと鳴らし、虚空にウィンドウを放つ。
その瞬間、俺と館長をぐるりと囲んでいた冒険者たちから響めきが走った。
「おい! なんだあれ?」
「トレカか?」
「いや、トレカが浮かぶとか聞いたことないぞ」
「何あれ~」
集まる冒険者たちの人数はみるみるあふれ、いまでは百人は超える数がいそうだった。まぁ、そんなことはどうでもいい。
一番びっくりしているのは、館長だった。
「な、なんだそれは……」
「館長、あんたのステータスだ」
「えっ、俺の?」
「見たいか?」
「あ、ああ」
素直にコクリと首を縦に振る館長。
なんだ、意外と可愛いところあるぞ。ウィンドウを広げて見やすくしてやってから指先で挟んで、シュッと投げた。まるで、トランプカードのように回転し、ウィンドウが館長の手前で、ピタッと止まって浮遊する。そこには、こんな内容のデータがあった。
『 ジン 館長 性別:男 』
『 レベル:52 年齢:43 』
『 ちから:255 』
『 すばやさ: 95 』
『 みのまもり:210 』
『 かしこさ: 64 』
『 うんのよさ: 80 』
『 さいだいHP:510 』
『 さいだいMP: 0 』
『 こうげき力:255 』
『 しゅび力:255 』
『 EX:28479200 』
『 G:33000000 』
『 スキル:総合格闘技 』
館長は自分のステータスを見つめて、わなわなと震えている。
「お、俺には総合格闘技のスキルがあったのか! やはりそうか!」
「どうした? トレカにはスキルは載ってないのか?」
「ああ、トレカには魔法は載るが、スキルだけは不明なんだ」
「どういうことだ。そもそもトレカを発行する仕組みとはなんだ?」
「トレカは古代機械と呼ばれるものの一つだ」
「へ~、そういうことか。なんとなく話が見えてきたぞ」
「それにしても、なぜ君はこんなことができる?」
ジャケットの襟を整えた俺は答えた。
「探偵だからさ」
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