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第二章 異世界の王都 転移した彼女 謎の白骨遺体
25 異世界の夜は煩悩であふれている
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「さてと、『盤面』を出してリンちゃんの現在地点を『サーチ』するか」
指パッチンでウィンドウを放つと『盤面』を表示させた。
ピコン♪ と緑色のアイコンが点滅している。そこがリンちゃんのいる位置だ。
「よし、走るか」
俺は金もないから馬も借りれなれないし、馬車というタクシーにも乗れない。
気がつけば、王都ネイザーランドは夜の帳がおり、コウモリが二、三羽ほど飛び交っていた。街の通りにはランタンが灯され、往来する冒険者たちを明るく照らす。
みんなそれぞれパーティがあって、一人でいるのは俺だけだった。
耳をすませば、楽しそうな冒険者の会話が聞こえる。
「やだぁ、まだパーティ組んだばっかりだもん、ヤダよ」
なんて言う出るとこ出てない美少女僧侶ちゃんがいれば。
「いいじゃん、一緒にラグーニアいこうぜ」
と言うイケメン戦士くんがいて。
「こら、戦士くん自重したまえ」
とツッコミを入れる魔法使いのお姉さんは、安定の巨乳。
はいはい、楽しそうで何より。
俺にはこんな美少女お姉さんおっぱいハーレムできません。
なぜなら呪われているからだ。
くそ……神様の鬼、悪魔、人でなし!
王都じゅうにあふれる冒険者のパーティが、みんなこんな感じなこともあり、俺は泣きそうに、いや、泣きながら走った。
「ランタンの明かりがやけに目に染みるぜ」
なんてつぶやきながら、天下一商店街にたどり着いた。
夜の商店街は昼の顔とはまた違った大人の雰囲気があった。
ランタンと店の照明の明かりが、綺麗なイルミネーションだった。
「うわぁ、綺麗だな。こんな景色を真里ちゃんにも見せてあげたいよ」
真里ちゃんは今ごろ何をやっているのだろうか。
『プリンセス』という呪いによって王宮から出られないらしい。
錬金術師チュ・アーメイの論文によると、磁場と真里ちゃんにコアが磁石のような作用でくっつくとか、意味不明なことを言っていたが、なんなんだろうな。
明日の朝、王宮に行って真里ちゃんと話そう。
「うん、そうしよう。普通に会いたいし」
独り言が加速する俺は、手元の『盤面』を見ながらリンちゃんを探す。
行き交う冒険者たちに『盤面』を不思議そうに見られたが、絡まれることもなかったので無視した。
っというか、商店街の大通りに歩く冒険者が……。
「みんな手繋ぎカップルってどいうことだよぉぉぉぉ!」
これ完全に呪われた俺へのいじめだろ。
なぁ、いじめて楽しいか? 神様、見てるんだろ? バカ。
それでも、俺は神様に感謝している。
それは真里ちゃんと会えたからだ。真里ちゃんは記憶をなくしていたけれど、俺と出会ったことによって、記憶を取り戻した。
泥まみれの過去から、ひとつだけ希望の光りを見つけた。
やり直しができない代わりに、こんな冒険を俺に与えてくれたんだ。神様、ありがとう。俺は別に呪われていたってかまわない。
俺は、真里ちゃんを助けるため、それだけに生きるよ。
そして、魔王を倒して、真里ちゃんを生き返らせる。
わかりきったことだろう。
なぜなら、あの北の夜空を見れば、もういつ爆発してもおかしくない一筋の閃光が輝いているんだ。往来する冒険者たちは、よくあれを見て怖がらないか不思議でならない。俺はあの閃光を見るたびに恐ろしくてたまらない。
「あの閃光の下に何があるのか?」
自分に問うようにつぶやいた。
あの閃光の下に行って、何があるのか、この目で見て確かめなければならない。
そして、曇りなき眼で見定め、魔王を倒す。
そのためには、船がいる。ベルセリウス号だ。あと、船長もいる。食糧もいる。
一人ではダメだ。俺には仲間が必要だ。この異世界から飛び立つための仲間だ。
でも、地球に帰還したら、また会えるだろうか。
もし、地球で仲間に会いたくなったらオフ会をすればいい。
よし、そのためにもいま問題の謎に満ちた殺人事件を解決しよう。
そんなことを考えながら俺は歩く。
やがて、『盤面』のリンちゃんのアイコンと重なった。
「ここか」
眼前にはおしゃれなバーの看板『ルシッドエーテル』。
文字通り、錆びたエーテルだ。名前の響きから呪詛的な魔の力を感じるな。
本音を言うと入りたくない。怖いから。
俺は心霊系が苦手なことが、アルケミストラボの遺体安置室に行ってからわかった。
それでも、いまはそんなこと言ってられない。俺は勇気を出して入店した。
カランコロンと、扉を開けると呼び鈴が鳴る。
足を踏み入れた床材が、ギギギと音を立てて軋み、古くて陰気なアンテッドっぽい屋敷を彷彿とさせた。その奥の扉は固く閉ざされていて、受付をしなければ入店できないという理由を告げていた。すると、女性の声が受付窓口から聞こえてきた。
「いらっしゃいませ~」
声のほうに振り向くと、片目を眼帯でぐるぐる巻きにしたロリ巨乳が座っていた。
受付の窓から覗く彼女の容姿はゴスロリだった。ブルーの髪が血の気を引き、ギラついた片目の赤い瞳がいきなりギョロリと動いて俺を見据えたので、思わず叫んでしまった。
「ひゃぁぁぁ!」
受付嬢は眉ひとつ動かさず、淡々と俺に接客をする。
「お一人さまですか?」
「あ、はい」
「入場料、一万Gです」
「え?」
うそ、金持ってないんだが。
どうしよう? このまま外でリンちゃんが出て来るまで外で見張るか、それともどこかで金を作って来るか、最後の手段は強行突破でこの扉を蹴破るかの三つだな。
どれにしようかな、と考えていると、扉がキィと音を立てて開いた。
まずゴツい腕がヌッと現れたかと思うと、その体臭のキツさが漂ってきただけで、なんとなく誰かわかった。軽装の鎧に半裸の鎖かたびら、ゴツい身体を揺らしながら歩く大男、フェルナンドその人だった。何杯飲んだのだろうか。顔が真っ赤だった。
その後ろに、青い絹のローブに身を包んだ少女がいた。
猫耳美少女のリンちゃんだ。銀髪のボブヘアがサラサラと揺れ、細いくびれのおっぱい美女の香りを醸しながら扉から出てくる。俺は思わず声をかけそうになったが、やめた。なぜならリンちゃんが少しも俺のことを見ないからだ。
そういうことか……と思った。
敵を欺くには、まずは味方から、俺はフェルナンドから顔バレしていので、堂々としていられる。そのため自由に動けるので、余裕を持って尾行できるということだ。
フェルナンドは陽気に腰を振ると、リンちゃんの肩を抱き、店を出ていった。
「くそ……触るんじゃねぇ」
尾行する俺は思わずつぶやいてしまったが、二人はもう遠く離れたところにいる。
それにしても、これからどこに行くのだろうか。
嫌な予感がした。そんな俺の心境とリンクするように、すぐ隣を歩く手繋ぎカップルから、こんな会話が聞こえてきた。
「なぁ、ラブホいこうぜ」
「ええ! またいくのぉ、ほんと好きだね」
「仕方ないだろ。男はたまるんだから」
「でもなぁ……」
なんて言い出したから、さぁ、大変だ。
俺の妄想は加速していく。でもまさか、それはないよな。リンちゃんに限ってそれはない。猫耳だよ? 猫なんだよ? 人間とそんなこと……あるわけがない。
隣のカップルだって、話の流れが変わってきたぞ。
「でも、あれだな。金がもったいなくない?」
「ん? まぁそうだな」
よし、あきらめて解散しろ。そして爆発しろ。
「ねぇ、たまには家行きたいなぁ」
「ええ、俺の家か~汚いぞ」
は? なんでそうなる?
カップルってもうそういうことするの? こんなの半分同棲だろ?
「わたしが掃除してあげるよ」
「マジか~じゃあ、いいよ」
「やったぁ、好きぃ♡」
「よせ、ここ外だぞ」
「きゃ、きゃ」
家か……。
まさか、フェルナンドのやつリンちゃんを家にお持ち帰るする気じゃないよな。
でも、そんなことをしたら、流石にリンちゃんが断るだろう。いくらおとり捜査とは言え、そこまで……しないよな? だろ?
すると、カップルに気を取られた間に、リンちゃんを見失った。
「しまった。煩悩が……」
俺は指を鳴らしてウィンドウを開いた。『盤面』を見ると、今まで出会った人たちの位置が丸い緑色のアイコンで表示されていた。
一番近いのはリンちゃん、天下一商店街の大通りを南に下っている。そして、また馬に乗ったようだ。アイコンが勢いよく中心点、つまり俺のいるところから離れていた。
まぁ、時速四十キロってところだろう。俺の足なら秒で追いつける。
ついでに、他の人たちもどこにいるか確認しておこう。
田中さんは、ベルセリウス宮殿にいて、他にセガール、ジャマール、僧侶ニーナ、戦士ジルベルト、赤胄の騎士アルバートがいた。アイコンが重なっていると、わちゃわちゃして、見た目だけでも楽しそうだった。
ギルドには犬飼、青胄の騎士ジャック、そして勇者黒咲。
アルケミストラボには錬金術師アーメイ。
王宮には愛しの真里ちゃんがいた。
「よし、サッサと犯人を捕まえて夕飯食って風呂入って寝よう」
俺は『盤面』のウィンドウを閉じると、地面を蹴って穴を二つ開けた。そして、その穴に足裏を踏むと、陸上競技のクラウチングスタートの体制を作った。前屈みになる、地面を蹴ることで、大きな推進力を得るのだ。
「よーい、ドン!」
電光石火のごとく走る俺は、リンちゃんのもとへ向かった。
指パッチンでウィンドウを放つと『盤面』を表示させた。
ピコン♪ と緑色のアイコンが点滅している。そこがリンちゃんのいる位置だ。
「よし、走るか」
俺は金もないから馬も借りれなれないし、馬車というタクシーにも乗れない。
気がつけば、王都ネイザーランドは夜の帳がおり、コウモリが二、三羽ほど飛び交っていた。街の通りにはランタンが灯され、往来する冒険者たちを明るく照らす。
みんなそれぞれパーティがあって、一人でいるのは俺だけだった。
耳をすませば、楽しそうな冒険者の会話が聞こえる。
「やだぁ、まだパーティ組んだばっかりだもん、ヤダよ」
なんて言う出るとこ出てない美少女僧侶ちゃんがいれば。
「いいじゃん、一緒にラグーニアいこうぜ」
と言うイケメン戦士くんがいて。
「こら、戦士くん自重したまえ」
とツッコミを入れる魔法使いのお姉さんは、安定の巨乳。
はいはい、楽しそうで何より。
俺にはこんな美少女お姉さんおっぱいハーレムできません。
なぜなら呪われているからだ。
くそ……神様の鬼、悪魔、人でなし!
王都じゅうにあふれる冒険者のパーティが、みんなこんな感じなこともあり、俺は泣きそうに、いや、泣きながら走った。
「ランタンの明かりがやけに目に染みるぜ」
なんてつぶやきながら、天下一商店街にたどり着いた。
夜の商店街は昼の顔とはまた違った大人の雰囲気があった。
ランタンと店の照明の明かりが、綺麗なイルミネーションだった。
「うわぁ、綺麗だな。こんな景色を真里ちゃんにも見せてあげたいよ」
真里ちゃんは今ごろ何をやっているのだろうか。
『プリンセス』という呪いによって王宮から出られないらしい。
錬金術師チュ・アーメイの論文によると、磁場と真里ちゃんにコアが磁石のような作用でくっつくとか、意味不明なことを言っていたが、なんなんだろうな。
明日の朝、王宮に行って真里ちゃんと話そう。
「うん、そうしよう。普通に会いたいし」
独り言が加速する俺は、手元の『盤面』を見ながらリンちゃんを探す。
行き交う冒険者たちに『盤面』を不思議そうに見られたが、絡まれることもなかったので無視した。
っというか、商店街の大通りに歩く冒険者が……。
「みんな手繋ぎカップルってどいうことだよぉぉぉぉ!」
これ完全に呪われた俺へのいじめだろ。
なぁ、いじめて楽しいか? 神様、見てるんだろ? バカ。
それでも、俺は神様に感謝している。
それは真里ちゃんと会えたからだ。真里ちゃんは記憶をなくしていたけれど、俺と出会ったことによって、記憶を取り戻した。
泥まみれの過去から、ひとつだけ希望の光りを見つけた。
やり直しができない代わりに、こんな冒険を俺に与えてくれたんだ。神様、ありがとう。俺は別に呪われていたってかまわない。
俺は、真里ちゃんを助けるため、それだけに生きるよ。
そして、魔王を倒して、真里ちゃんを生き返らせる。
わかりきったことだろう。
なぜなら、あの北の夜空を見れば、もういつ爆発してもおかしくない一筋の閃光が輝いているんだ。往来する冒険者たちは、よくあれを見て怖がらないか不思議でならない。俺はあの閃光を見るたびに恐ろしくてたまらない。
「あの閃光の下に何があるのか?」
自分に問うようにつぶやいた。
あの閃光の下に行って、何があるのか、この目で見て確かめなければならない。
そして、曇りなき眼で見定め、魔王を倒す。
そのためには、船がいる。ベルセリウス号だ。あと、船長もいる。食糧もいる。
一人ではダメだ。俺には仲間が必要だ。この異世界から飛び立つための仲間だ。
でも、地球に帰還したら、また会えるだろうか。
もし、地球で仲間に会いたくなったらオフ会をすればいい。
よし、そのためにもいま問題の謎に満ちた殺人事件を解決しよう。
そんなことを考えながら俺は歩く。
やがて、『盤面』のリンちゃんのアイコンと重なった。
「ここか」
眼前にはおしゃれなバーの看板『ルシッドエーテル』。
文字通り、錆びたエーテルだ。名前の響きから呪詛的な魔の力を感じるな。
本音を言うと入りたくない。怖いから。
俺は心霊系が苦手なことが、アルケミストラボの遺体安置室に行ってからわかった。
それでも、いまはそんなこと言ってられない。俺は勇気を出して入店した。
カランコロンと、扉を開けると呼び鈴が鳴る。
足を踏み入れた床材が、ギギギと音を立てて軋み、古くて陰気なアンテッドっぽい屋敷を彷彿とさせた。その奥の扉は固く閉ざされていて、受付をしなければ入店できないという理由を告げていた。すると、女性の声が受付窓口から聞こえてきた。
「いらっしゃいませ~」
声のほうに振り向くと、片目を眼帯でぐるぐる巻きにしたロリ巨乳が座っていた。
受付の窓から覗く彼女の容姿はゴスロリだった。ブルーの髪が血の気を引き、ギラついた片目の赤い瞳がいきなりギョロリと動いて俺を見据えたので、思わず叫んでしまった。
「ひゃぁぁぁ!」
受付嬢は眉ひとつ動かさず、淡々と俺に接客をする。
「お一人さまですか?」
「あ、はい」
「入場料、一万Gです」
「え?」
うそ、金持ってないんだが。
どうしよう? このまま外でリンちゃんが出て来るまで外で見張るか、それともどこかで金を作って来るか、最後の手段は強行突破でこの扉を蹴破るかの三つだな。
どれにしようかな、と考えていると、扉がキィと音を立てて開いた。
まずゴツい腕がヌッと現れたかと思うと、その体臭のキツさが漂ってきただけで、なんとなく誰かわかった。軽装の鎧に半裸の鎖かたびら、ゴツい身体を揺らしながら歩く大男、フェルナンドその人だった。何杯飲んだのだろうか。顔が真っ赤だった。
その後ろに、青い絹のローブに身を包んだ少女がいた。
猫耳美少女のリンちゃんだ。銀髪のボブヘアがサラサラと揺れ、細いくびれのおっぱい美女の香りを醸しながら扉から出てくる。俺は思わず声をかけそうになったが、やめた。なぜならリンちゃんが少しも俺のことを見ないからだ。
そういうことか……と思った。
敵を欺くには、まずは味方から、俺はフェルナンドから顔バレしていので、堂々としていられる。そのため自由に動けるので、余裕を持って尾行できるということだ。
フェルナンドは陽気に腰を振ると、リンちゃんの肩を抱き、店を出ていった。
「くそ……触るんじゃねぇ」
尾行する俺は思わずつぶやいてしまったが、二人はもう遠く離れたところにいる。
それにしても、これからどこに行くのだろうか。
嫌な予感がした。そんな俺の心境とリンクするように、すぐ隣を歩く手繋ぎカップルから、こんな会話が聞こえてきた。
「なぁ、ラブホいこうぜ」
「ええ! またいくのぉ、ほんと好きだね」
「仕方ないだろ。男はたまるんだから」
「でもなぁ……」
なんて言い出したから、さぁ、大変だ。
俺の妄想は加速していく。でもまさか、それはないよな。リンちゃんに限ってそれはない。猫耳だよ? 猫なんだよ? 人間とそんなこと……あるわけがない。
隣のカップルだって、話の流れが変わってきたぞ。
「でも、あれだな。金がもったいなくない?」
「ん? まぁそうだな」
よし、あきらめて解散しろ。そして爆発しろ。
「ねぇ、たまには家行きたいなぁ」
「ええ、俺の家か~汚いぞ」
は? なんでそうなる?
カップルってもうそういうことするの? こんなの半分同棲だろ?
「わたしが掃除してあげるよ」
「マジか~じゃあ、いいよ」
「やったぁ、好きぃ♡」
「よせ、ここ外だぞ」
「きゃ、きゃ」
家か……。
まさか、フェルナンドのやつリンちゃんを家にお持ち帰るする気じゃないよな。
でも、そんなことをしたら、流石にリンちゃんが断るだろう。いくらおとり捜査とは言え、そこまで……しないよな? だろ?
すると、カップルに気を取られた間に、リンちゃんを見失った。
「しまった。煩悩が……」
俺は指を鳴らしてウィンドウを開いた。『盤面』を見ると、今まで出会った人たちの位置が丸い緑色のアイコンで表示されていた。
一番近いのはリンちゃん、天下一商店街の大通りを南に下っている。そして、また馬に乗ったようだ。アイコンが勢いよく中心点、つまり俺のいるところから離れていた。
まぁ、時速四十キロってところだろう。俺の足なら秒で追いつける。
ついでに、他の人たちもどこにいるか確認しておこう。
田中さんは、ベルセリウス宮殿にいて、他にセガール、ジャマール、僧侶ニーナ、戦士ジルベルト、赤胄の騎士アルバートがいた。アイコンが重なっていると、わちゃわちゃして、見た目だけでも楽しそうだった。
ギルドには犬飼、青胄の騎士ジャック、そして勇者黒咲。
アルケミストラボには錬金術師アーメイ。
王宮には愛しの真里ちゃんがいた。
「よし、サッサと犯人を捕まえて夕飯食って風呂入って寝よう」
俺は『盤面』のウィンドウを閉じると、地面を蹴って穴を二つ開けた。そして、その穴に足裏を踏むと、陸上競技のクラウチングスタートの体制を作った。前屈みになる、地面を蹴ることで、大きな推進力を得るのだ。
「よーい、ドン!」
電光石火のごとく走る俺は、リンちゃんのもとへ向かった。
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