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第二章 ローマ旅行で賢者に覚醒ですわ!
12 エピソード・隼人
しおりを挟むクズ旦那の全責任の元、エミリエンヌ子爵令嬢を居候させると誓約書に明記させた。
同居の期限は1ヶ月。延長は認めない。金銭の貸し借りや物の貸し借りはしない。それぞれの個室には無断で立ち入らない。同居人は私たち夫婦の寝室には立ち入らない。食事は自分で用意する。清掃や洗濯も自分で行う。問題が起これば保証人が責任を取る。
まあこんなところだ。
かなり譲歩した。だってジョエルにも同じ誓約書を書かせたし。細かく設定しすぎてあいつが先に問題を起こすと私の責任だ。
まあね?ふっつーーに生活してればなんら問題がないんだよ、うん。
それなのに、クズ旦那は次々とやらかしてくれている。
まず、初夜をすっぽかされた。
ええ……うん。白い結婚って言ったら聞こえはいいんだけど、要するに夫婦の共同作業できずに未だに処女なのよ……。
なんかね?お腹痛かったらしいよ、クソ女。一晩中ついてたらしいよ、旦那。それをちょっと咎めたら「お前はなんて冷たい女なんだ!」とかさあ……うん。あー…あのね、枯渇しちゃった愛情っていうのを補充したいんですがどこで買えますか?え?売ってないの?困ったね、旦那への愛情がもう小麦一粒分も残ってないよ。
そしてクソ女。私が実家の商会で働いてる間に、私の部屋に入ってきてるんだよね。生活費もろもろの財布は実家の金庫に預けてるから現金はないんだけどね。腹いせなのかアクセサリーがごっそり無いんだよね…。流石にサイズが合わないのかドレスとか仕事着とか下着は持っていってない。漁った形跡はあるけどね。ピッキングまでして入ってくるってもうね。アッハッハ、家に泥棒飼ってるって辛いなあ。
旦那はうちの商会の見習いからスタートなんだけど、外回りって言いながらどこかに行ってる。うちの商会の興信所部門に3日ほど貼り付かせたら、それはもう素晴らしい浮気の証拠が積み上がった。
半月は我慢するつもりだったんだけど、正直10日も持たなかった。
「……ジョエル、ゴー!」
私が言うと、ジョエルは嬉しそうに笑った。
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