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第二章 ローマ旅行で賢者に覚醒ですわ!
10 俺の妹があんなにエロいわけがない
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「マティーニをくれ」
クラブに着いていた綾瀬隼人は、何もやることがないので酒を注文した。
男前のバーテンダーが、ドライジンとドライベルモットを加えてシェイカーする。
スッ……。
トッピングのオリーブオイルを添えたカクテルが隼人の前に差し出された。
隼人はそいつを一口飲んでから、
「それにしても……遅い」
と呟いた。頬杖をつき、おもわずため息がでる。
ハルカから送られてきたラインをもう一度確認する。
『わたくしの友人がアヤ様を連れてそちらに向かってます。しばらくお待ちくださいませ』
という内容だ。
ハルちゃんは来ないのか? と返信してみるが、既読がつかない。
何かあったのだろうか?
隼人は、う~む、と唸り声を漏らすと、またカクテルを口に含む。
ふと、気になっていた心地いいピアノの音に耳を傾けてみる。
ここはナヴォーナ広場の近くのナイトクラブ。
隼人がいるフロアでは、グランドピアノが置かれたクラシックなピアノバーになっていた。
だが対照的に、隣のダンスフロアではDJによるテクノやハウスといったEDMが、ドチドチと反響している。
所謂、ブチアゲられた箱だ。おそらくあちらはカオス。客たちが踊り狂っていることだろう。
ジッと向こうのフロアで踊る妖艶な女たちを見ていると……隼人は、あっと閃いた。
もしかしたら、妹はあっちで踊っているのか?
ありえる話だった。
ハルちゃんがいないようなので、俺の存在に気づかずに踊り始めているのだろう。
隼人はカクテルをグイっと飲み干すと席を立った。
予想した通り、隣のダンスフロアは人であふれていた。
隼人は人混みを掻き分けながら歩みを進め、DJブースの前へと移動する。
しばらくすると、やっと耳が爆音に慣れてきた。
ドチドチ打ち込まれる重低音に合わせながら隼人は首を振る。
そうやって熱狂して踊る若者たちと波長を合わせながら歩く。
男たちの力強いステップ。
女たちの魅力的な腰のくねり。
隼人はダンスビートに酔いしれる若者の間を、ズンズン縫っていく。
すると一つの空間が異様な盛り上がりを見せていた。
んん?
隼人が覗き込むと、ああ、やっぱりか……と肩をすくめた。
また変なコスプレをして踊ってやがる、あれはサキュバスってやつか?
エロすぎるじゃないか……おや?
あと、もう一人コスプレをしてる子がいるな……あの子がハルちゃんの友達か……。
え!?
うわぁ……か、かわいい! しかも……おっぱいが大きい!
と隼人が思った。その瞬間!
フィィィィィィン!
と電子音が上昇していきダンスフロアが熱狂の渦に巻き込まれていく。
超立体的なフルサウンドが隼人の体を震わす……そして……。
バンッ!
爆音が弾け、メロディアスなサビが流れる。
テンションが上がった若者たちが一斉に踊り出す。
絶叫が響き、女たちの集団がハイタッチを始めた。
その渦にハマった隼人は、女たちに揉みくちゃにされて、うわっ、と驚く。
するとその中に見覚えのあるサキュバスのコスプレを着た女がいた。
女の正体は妹のアヤだった。
隼人とアヤは目があった。
アヤはピタッと踊るのをやめた。
まるで電池が切れたロボットのように動かない。
周りでは対象的に踊り狂う女たち。
相変わらず立ち尽くす隼人とアヤ。
ダンスビートは止まることなく流れ続ける。
目を大きく開けたアヤは、呆然と隼人を眺めながら、
「お、お兄ちゃん……なんでここに?」
と驚きの声を上げた。
だが、ダンスフロアの爆音でその声は掻き消された。
隣にいるコスプレの女性は大きな目をさらに開いて隼人を見ている。
隼人は二人にゆっくりと近づくと、耳元で大きな声を出した。
「誕生日おめでとう!」
「……はぁい?」
「誕生日おめでとう!!」
「はぁ!? 何? 聞こえない!?」
「……」
爆音が鳴り響くダンスフロアだ。まともに話なんかできない。
三人はとりあえず場所を移動することにした。隣のピアノバーだ。
激しかったダンスビートから一変。
ピアノバーは優しいピアノの旋律とアンビエントな電子音が跳ねる。
極上のリラックス空間を演出していた。
これならゆっくり話ができる。
と思いきや、アヤは、サッと走ってバーカウンターに向かった。
ビールを注文している。隼人は、やれやれ、と肩をすくめた。
と同時に安心もした。なぜなら妹は俺のことをあまり怒ってないような気がしたからだ。
なぜだろう?
すると、隼人は視線を感じた。
おそらく友達であろう女の子が、隼人の横顔をジッと見つめていた。
名前も知らない女の子に見つめられて、どうしたものかと照れて頭を掻く隼人。
その裏から、アヤがひょっこり現れた。瓶ビールを片手に笑っている。
「ウェーイ! お兄ちゃんも飲もうよっ」
アヤは隼人の肩に腕を絡める。
「うわ! なんだめちゃくちゃ酔ってるじゃないか!?」
「いいじゃない。今夜はあたしの誕生日だよ! 忘れてなかったんだねお兄ちゃん」
「あ、当たり前だ!」
「ふっ、どうせハルちゃんから教えてもらったくせに! きゃはは、ま、いいや~、あ、そうそう、あたしの新しい友達を紹介するよ~」
アヤがステップを踏んで移動すると理音に抱きついた。
「リオンちゃんで~す! どう可愛いでしょ?」
「あ、ああ、かわいい……」
隼人の褒め言葉に反応した理音は、ぺこりと頭を下げた。
恥ずかしいようで頬を赤く染めている。
ああ、失礼しました、と隼人は謝ってから、自己紹介した。
「俺は隼人です。はやぶさにひと、と書きます」
「カッコいい名前ですね」と理音は返しておいた。
「か、カッコいいかな? 仲間からはよく足が速そうといわれるけどね」
「女に手を出すのも速いよねっ!」
と横からアヤにツッコミされた隼人は、
「いやいや、気に入った女だけだ」
と否定する。本当に? なんて顔をするアヤは妖艶なサキュバスそのものだった。
何やらあたふたしている隼人を見て理音は、うふふと微笑んだ。
すると隼人は覗き込むように理音に近づいた。
「リオンちゃんが妹をここに連れて来てくれたんだね。どうもありがとう」
「いえ、どういたしまして……」
理音は小さくそういった。隼人に見つめられて、パッと目を逸らす。
アヤは、いもうと……と囁くように呟くと、いきなり飛び跳ねた。
「んもう、お兄ちゃん! やっとあたしのことを妹って呼んでくれたねっ」
そういいながらアヤは隼人に抱きつく。
それはイチャイチャする男と女のようだった。見ているこっちが恥ずかしくなる。
両手で目を覆った理音は、まともに正面を見れない。
「おい! ちょ、やめろ!」
「きゃははは、お兄ちゃん大好き♡」
隼人はアヤの両手をゆっくり絡め取ると、深々と頭を下げた。
「ごめんな……おまえは俺の妹だよ……」
「お兄ちゃん……もういいよ……もう……」
アヤは笑いながら泣いていた。ヒクヒクと鼻を啜っている。
隼人がアヤの涙を親指を当てて拭いてあげた。優しいな、と理音は思った。
ふと、隼人が首を振った。何かを探しているように尋ねてきた。
「ところで、恭介、ハルちゃんはどうした?」
「ああ……さっき喧嘩したんだった……忘れてた」
「やっぱり……また喧嘩したのか!」
「えへへ、ついねっ」
「恭介はハルちゃんの怒った顔が好きだもんな」
「きゃはは」
困ったやつだ、と隼人が呟いた。その瞬間だった。
しまった……ヤバイかも……。
と隼人は察した。妹を下の名前で呼んでしまったからだ。
じわり、理音の顔を覗いてみた。
理音は目を点にして、
「きょうすけって誰ですか?」
と尋ねる。こちらを見つめる視線は逸らしそうにない。
隼人とアヤは、あ……と固まった。
そこに……。
「お疲れ様でございますわ~」
ハルカが満面の笑みを浮かべながら歩いてくる。
よかったですわ~なんていいながらスキップまで始めた。
「ぜんぜんよくな~い!」
理音の叫ぶ声がクラシックなピアノバーに響いた。
クラブに着いていた綾瀬隼人は、何もやることがないので酒を注文した。
男前のバーテンダーが、ドライジンとドライベルモットを加えてシェイカーする。
スッ……。
トッピングのオリーブオイルを添えたカクテルが隼人の前に差し出された。
隼人はそいつを一口飲んでから、
「それにしても……遅い」
と呟いた。頬杖をつき、おもわずため息がでる。
ハルカから送られてきたラインをもう一度確認する。
『わたくしの友人がアヤ様を連れてそちらに向かってます。しばらくお待ちくださいませ』
という内容だ。
ハルちゃんは来ないのか? と返信してみるが、既読がつかない。
何かあったのだろうか?
隼人は、う~む、と唸り声を漏らすと、またカクテルを口に含む。
ふと、気になっていた心地いいピアノの音に耳を傾けてみる。
ここはナヴォーナ広場の近くのナイトクラブ。
隼人がいるフロアでは、グランドピアノが置かれたクラシックなピアノバーになっていた。
だが対照的に、隣のダンスフロアではDJによるテクノやハウスといったEDMが、ドチドチと反響している。
所謂、ブチアゲられた箱だ。おそらくあちらはカオス。客たちが踊り狂っていることだろう。
ジッと向こうのフロアで踊る妖艶な女たちを見ていると……隼人は、あっと閃いた。
もしかしたら、妹はあっちで踊っているのか?
ありえる話だった。
ハルちゃんがいないようなので、俺の存在に気づかずに踊り始めているのだろう。
隼人はカクテルをグイっと飲み干すと席を立った。
予想した通り、隣のダンスフロアは人であふれていた。
隼人は人混みを掻き分けながら歩みを進め、DJブースの前へと移動する。
しばらくすると、やっと耳が爆音に慣れてきた。
ドチドチ打ち込まれる重低音に合わせながら隼人は首を振る。
そうやって熱狂して踊る若者たちと波長を合わせながら歩く。
男たちの力強いステップ。
女たちの魅力的な腰のくねり。
隼人はダンスビートに酔いしれる若者の間を、ズンズン縫っていく。
すると一つの空間が異様な盛り上がりを見せていた。
んん?
隼人が覗き込むと、ああ、やっぱりか……と肩をすくめた。
また変なコスプレをして踊ってやがる、あれはサキュバスってやつか?
エロすぎるじゃないか……おや?
あと、もう一人コスプレをしてる子がいるな……あの子がハルちゃんの友達か……。
え!?
うわぁ……か、かわいい! しかも……おっぱいが大きい!
と隼人が思った。その瞬間!
フィィィィィィン!
と電子音が上昇していきダンスフロアが熱狂の渦に巻き込まれていく。
超立体的なフルサウンドが隼人の体を震わす……そして……。
バンッ!
爆音が弾け、メロディアスなサビが流れる。
テンションが上がった若者たちが一斉に踊り出す。
絶叫が響き、女たちの集団がハイタッチを始めた。
その渦にハマった隼人は、女たちに揉みくちゃにされて、うわっ、と驚く。
するとその中に見覚えのあるサキュバスのコスプレを着た女がいた。
女の正体は妹のアヤだった。
隼人とアヤは目があった。
アヤはピタッと踊るのをやめた。
まるで電池が切れたロボットのように動かない。
周りでは対象的に踊り狂う女たち。
相変わらず立ち尽くす隼人とアヤ。
ダンスビートは止まることなく流れ続ける。
目を大きく開けたアヤは、呆然と隼人を眺めながら、
「お、お兄ちゃん……なんでここに?」
と驚きの声を上げた。
だが、ダンスフロアの爆音でその声は掻き消された。
隣にいるコスプレの女性は大きな目をさらに開いて隼人を見ている。
隼人は二人にゆっくりと近づくと、耳元で大きな声を出した。
「誕生日おめでとう!」
「……はぁい?」
「誕生日おめでとう!!」
「はぁ!? 何? 聞こえない!?」
「……」
爆音が鳴り響くダンスフロアだ。まともに話なんかできない。
三人はとりあえず場所を移動することにした。隣のピアノバーだ。
激しかったダンスビートから一変。
ピアノバーは優しいピアノの旋律とアンビエントな電子音が跳ねる。
極上のリラックス空間を演出していた。
これならゆっくり話ができる。
と思いきや、アヤは、サッと走ってバーカウンターに向かった。
ビールを注文している。隼人は、やれやれ、と肩をすくめた。
と同時に安心もした。なぜなら妹は俺のことをあまり怒ってないような気がしたからだ。
なぜだろう?
すると、隼人は視線を感じた。
おそらく友達であろう女の子が、隼人の横顔をジッと見つめていた。
名前も知らない女の子に見つめられて、どうしたものかと照れて頭を掻く隼人。
その裏から、アヤがひょっこり現れた。瓶ビールを片手に笑っている。
「ウェーイ! お兄ちゃんも飲もうよっ」
アヤは隼人の肩に腕を絡める。
「うわ! なんだめちゃくちゃ酔ってるじゃないか!?」
「いいじゃない。今夜はあたしの誕生日だよ! 忘れてなかったんだねお兄ちゃん」
「あ、当たり前だ!」
「ふっ、どうせハルちゃんから教えてもらったくせに! きゃはは、ま、いいや~、あ、そうそう、あたしの新しい友達を紹介するよ~」
アヤがステップを踏んで移動すると理音に抱きついた。
「リオンちゃんで~す! どう可愛いでしょ?」
「あ、ああ、かわいい……」
隼人の褒め言葉に反応した理音は、ぺこりと頭を下げた。
恥ずかしいようで頬を赤く染めている。
ああ、失礼しました、と隼人は謝ってから、自己紹介した。
「俺は隼人です。はやぶさにひと、と書きます」
「カッコいい名前ですね」と理音は返しておいた。
「か、カッコいいかな? 仲間からはよく足が速そうといわれるけどね」
「女に手を出すのも速いよねっ!」
と横からアヤにツッコミされた隼人は、
「いやいや、気に入った女だけだ」
と否定する。本当に? なんて顔をするアヤは妖艶なサキュバスそのものだった。
何やらあたふたしている隼人を見て理音は、うふふと微笑んだ。
すると隼人は覗き込むように理音に近づいた。
「リオンちゃんが妹をここに連れて来てくれたんだね。どうもありがとう」
「いえ、どういたしまして……」
理音は小さくそういった。隼人に見つめられて、パッと目を逸らす。
アヤは、いもうと……と囁くように呟くと、いきなり飛び跳ねた。
「んもう、お兄ちゃん! やっとあたしのことを妹って呼んでくれたねっ」
そういいながらアヤは隼人に抱きつく。
それはイチャイチャする男と女のようだった。見ているこっちが恥ずかしくなる。
両手で目を覆った理音は、まともに正面を見れない。
「おい! ちょ、やめろ!」
「きゃははは、お兄ちゃん大好き♡」
隼人はアヤの両手をゆっくり絡め取ると、深々と頭を下げた。
「ごめんな……おまえは俺の妹だよ……」
「お兄ちゃん……もういいよ……もう……」
アヤは笑いながら泣いていた。ヒクヒクと鼻を啜っている。
隼人がアヤの涙を親指を当てて拭いてあげた。優しいな、と理音は思った。
ふと、隼人が首を振った。何かを探しているように尋ねてきた。
「ところで、恭介、ハルちゃんはどうした?」
「ああ……さっき喧嘩したんだった……忘れてた」
「やっぱり……また喧嘩したのか!」
「えへへ、ついねっ」
「恭介はハルちゃんの怒った顔が好きだもんな」
「きゃはは」
困ったやつだ、と隼人が呟いた。その瞬間だった。
しまった……ヤバイかも……。
と隼人は察した。妹を下の名前で呼んでしまったからだ。
じわり、理音の顔を覗いてみた。
理音は目を点にして、
「きょうすけって誰ですか?」
と尋ねる。こちらを見つめる視線は逸らしそうにない。
隼人とアヤは、あ……と固まった。
そこに……。
「お疲れ様でございますわ~」
ハルカが満面の笑みを浮かべながら歩いてくる。
よかったですわ~なんていいながらスキップまで始めた。
「ぜんぜんよくな~い!」
理音の叫ぶ声がクラシックなピアノバーに響いた。
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