44 / 46
第四章 この星に彼女がいることを知る
6
しおりを挟む
事務所の机に座り、書類の整理をしていたが、ふと気づくと手が止まっていた。なかなか焦点が定まらない目を、ただぼんやりと虚空に向けているだけになっている。これでは仕事が、ちっともはかどらない。
目を閉じて浮かんでくるのは、真里の笑顔、佐野家にあった遺体、あかねちゃんの悲しそうな横顔、それらのすべてが嘘だったかのように、頭のなかを巡る。
「今日、あったことは現実だったのかな?」
そんな虚しさのなかで、かすかに猫の鳴き声が聞こえる。
「おや? また猫ちゃんが脱走したか?」
窓のほうを見ると、思ったとおり猫のシルエットが影になって映っていた。
やれやれ、なんてぼやきながら、窓を開けてあげる。
にゃ、と泣いた猫が事務所のなかに入ってきた。この猫、たしか名前はリンちゃんだったな。奈美さん、またゲージを開けたままにしてゲームをしているんだろう。
「まったく、どいつもこいつも」
今日は本当に不思議な日だ。身の回りで起きる現象が、本当にわけがわからない。おかしなことばかりだ。
事務所のソファで丸くなる猫は、優雅にあくびなんかしているし、まったく。
「のんきなもんだぜ……」
すると、玄関の扉が開く。
南風とともに、爽やかに揺れる髪をかきわけながら、一人の女性が入ってきた。黒いワイドパンツを穿きこなし、足もとは夏のミュールをひっかけている。上を見ると、薄手の白いニットは大きなおっぱいを強調させつつも、お腹にインしたきちんと感で、上品かつ綺麗にまとめている。所謂、ビジネスカジュアルという格好だ。見るからに、ファッション雑誌から飛び出てきたようなモデルさん、田中奈美、彼女はおしゃれなお姉さんだが、しゃべると天然がバレるからそこだけ。人の前では気をつけてほしいものがある。まぁ、本人はまったく気にしていないだろうけどな。
「すいません、またリンちゃんが……」
奈美さんは頭を下げる。と同時にソファにいる猫を発見して、あっと声を上げた。
「んもう、リンちゃん、こんなところにいて……」
「あはは、別にいいですよ、うちは」
「なんか、すいません」
笑って奈美さんを見つめている間でも、猫は相変わらずのんびりと丸くなっている。膝を曲げて猫をなでる奈美さんは、ポツリと漏らす。
「もしかして、リンちゃんも探偵さんのことが好きになったのかな?」
ん? いま、なんて言った? また天然ボケか?
あまりにも奈美さんの声が小さいから、上手く聞き取れなかった。首を傾けつつも俺は、開けていた窓を閉める。ふと、気になってきたのは、あかねちゃんのことだ。いま何をしているのだろうか。サヨナラ、なんて意味深なことを言って出て行ったけど、そのまま消えていたら、漫画みたいで、なんともウケる。
「奈美さん、あかねちゃんは? 勉強でもしてますか? いや、学習か」
「それが……」
急に歯切れが悪くなった奈美さんは、猫をぎゅっと抱きしめると話をつづけた。
「実家に帰りましたよ」
「え? 帰ったって……京都にですか?」
「はい。これ以上ここにいたらマズい……とか言って血相を変えて出ていきました」
「どういうことですか?」
「さぁ、何なんでしょうか? わたしにはさっぱり……でも」
「ん?」
「探偵さんのことが原因なのかな、とは思います」
「えっ? 俺?」
「うふふ、女の感です」
ふーん、帰ったのか……。
ツンデレ美少女あかねちゃん。君のやることは、ホントに俺の心を揺らしてくるぜ、まったく、心なしかイライラする。寂しいってわけじゃない。別に今日会ったばかりの十四歳の少女に、なんでこの俺が動揺しなくちゃならないんだ? わけがわからない。しっかしろ、和泉秋斗、俺は探偵になって、やっと行方不明だった彼女を見つけだし、さぁ、これから仕事を頑張っていこう! そういうところなんだぞ。だから、未成年のあかねちゃんに恋なんかしてる場合ではないんだ。忘れよう。今回のことはいい勉強になった。好きだという気持ちは、年齢なんか関係ないんだ。そのことがわかっただけでもよかった。そう思うことにして、仕事に集中しよう。
不適な笑みを浮かべる奈美さんは、猫を抱いたままソファに座る。太ももの上で、猫は気持ちよさそう伸びをする。可愛らしい猫の毛並みをなでながら、奈美さんは唐突に尋ねてくる。
「さて、探偵さん。すべての謎は解けましたか?」
「ん? 事件は解決したよ。無事に失踪していた彼女を見つけ、家に届けました」
「それはよかったですね。でも……謎はそれだけでしょうか、他に気になることがあるんじゃないですか?」
「いや、特に……なにもないが」
「嘘、探偵さんは、なぜ気絶したのか?」
奈美さんの言葉にドキッとした。
たしかに、まだこの謎を解き明かしてはいない。だが、この謎を解くと、記憶が戻ってしまい、この世界が消える可能性があると、あかねちゃんから宣告を受けていたことを思い出す。したがって、謎を解いて大丈夫なのだろうかと不安になるのだが、どうしたものか。
「でも、あまり詮索するとさ、あかねちゃんが困るみたいなんだよなあ」
奈美さんは、目を細めると両手を軽く掲げる。
「では、別に謎を解く必要はないんじゃないかしら」
「というと?」
「推理ではなくて、仮説で空想すればいいんですよ」
「えっ? つまり、推理ではなく、推量をしろと」
「はい、この世界はゲームだと仮定すればいいのですよ」
「な……なに? ゲーム?」
「そう、つまり仮想現実です」
「仮想現実……この世界がか? ふむ、なるほど」
乾いた口のなかで息を飲む。
一瞬だけ時の流れがスローになったような、そんな感覚があった。
奈美さんは猫をなでていた手を止めると、俺のほうを見つめながら微笑を浮かべている。エメラルドグリーンの猫の瞳も、ジッと俺を見つめ、まるで、謎を解けと言わんばかりの顔を見せる。真夏の陽炎のような謎だったが、この世界、星、宇宙、万物そのものすべてが仮想現実だと仮定して、推量してみると、果たしてどうなるだろうか。
猫を助けたあとに起きた奇妙な気絶。
スマホに保存された匿名の情報、メモボイス、メモ帳のデータ。
佐野健の死体、十年間の記憶を喪失した真里の出現。
そして、不思議な天才美少女、田中あかね。
そもそも、なぜ、これらの現象は、ほぼ同時に起きたのだろうか?
なぜ、これらの現象は、相互に関係しあっているのだろうか?
この謎は解けそうにないが、空想するだけならできる。
よって、こんな仮説を立てる。
もしも、気絶した俺がどこか別の仮想空間に飛んでいたとしたら?
すべての謎は、一気に解き明かすことができる。
つまり、こういうことだ。
仮想空間で、俺、あかねちゃん、真里、佐野健、が出会い、身の上話を語っていた。
それらのことを、あかねちゃんはスマホに記録していた。
やがて、俺が気絶から戻ったと同時に、みんなも元の生活に復帰した。
だが、その間の記憶はすべて喪失していた。
そして、もしも記憶を取り戻した者同士が、この現実世界で接触するとバグが発生し、この世界が消えてしまうとしたら、どうなるだろうか。
勘が冴えるあかねちゃんたけがスマホのデータを見つけ、俺のために行動していたとしたら……。
いや、いや、まったく、バカみたいな推量だ。
そんな空想をするが、しかし……。
メモボイスに録音された二人の女性のうち、一方の女性が誰なのか? まったくわからない。
大人になった真里に、優しい口調で刑事のような聴取をする可愛い声の謎の人物……。
いったい、誰なのだろうか?
さらに空想をするが……いやいや、本当にバカげたものだと思える。
なぜなら、気絶したとき、俺は猫のリンちゃんを抱えていたからだ。
ということは……どういうことが空想できるかな?
にゃ、と鳴く猫の声が響く。まるで、私ですよ、と言わんばかりの顔を見せる。
「まさかね……」
すると、奈美さんは一息吐くと立ち上がった。
抱いていた猫がまた鳴く。サヨナラと告げているような、そんなふうに聞こえる。いやいや、猫が人間になるなんて、そんなことはありえない……。
「とりあえず、探偵さんの名刺をください」
「ん? いいけど」
ジャケットの内側から財布を取り出し、一枚の名刺をぬくと奈美さんに渡してあげる。
「じゃあ、ここのSNSに祇園にあるうちの店のサイトを送信しときますね」
「祇園? たしか奈美さんの実家は京都だっけ?」
「はい」
「なぜ? 俺に実家を教える? 意味がわからないんだが」
名刺を指にはさんだ奈美さんは、うふふと笑みを浮かべながら猫を抱き直し、
「追いかけるんでしょ? お姉ちゃんを」
と、楽しそうに答えた。くねくねと踊る猫のしっぽは、なにやら俺のことを試しているように見えた。
目を閉じて浮かんでくるのは、真里の笑顔、佐野家にあった遺体、あかねちゃんの悲しそうな横顔、それらのすべてが嘘だったかのように、頭のなかを巡る。
「今日、あったことは現実だったのかな?」
そんな虚しさのなかで、かすかに猫の鳴き声が聞こえる。
「おや? また猫ちゃんが脱走したか?」
窓のほうを見ると、思ったとおり猫のシルエットが影になって映っていた。
やれやれ、なんてぼやきながら、窓を開けてあげる。
にゃ、と泣いた猫が事務所のなかに入ってきた。この猫、たしか名前はリンちゃんだったな。奈美さん、またゲージを開けたままにしてゲームをしているんだろう。
「まったく、どいつもこいつも」
今日は本当に不思議な日だ。身の回りで起きる現象が、本当にわけがわからない。おかしなことばかりだ。
事務所のソファで丸くなる猫は、優雅にあくびなんかしているし、まったく。
「のんきなもんだぜ……」
すると、玄関の扉が開く。
南風とともに、爽やかに揺れる髪をかきわけながら、一人の女性が入ってきた。黒いワイドパンツを穿きこなし、足もとは夏のミュールをひっかけている。上を見ると、薄手の白いニットは大きなおっぱいを強調させつつも、お腹にインしたきちんと感で、上品かつ綺麗にまとめている。所謂、ビジネスカジュアルという格好だ。見るからに、ファッション雑誌から飛び出てきたようなモデルさん、田中奈美、彼女はおしゃれなお姉さんだが、しゃべると天然がバレるからそこだけ。人の前では気をつけてほしいものがある。まぁ、本人はまったく気にしていないだろうけどな。
「すいません、またリンちゃんが……」
奈美さんは頭を下げる。と同時にソファにいる猫を発見して、あっと声を上げた。
「んもう、リンちゃん、こんなところにいて……」
「あはは、別にいいですよ、うちは」
「なんか、すいません」
笑って奈美さんを見つめている間でも、猫は相変わらずのんびりと丸くなっている。膝を曲げて猫をなでる奈美さんは、ポツリと漏らす。
「もしかして、リンちゃんも探偵さんのことが好きになったのかな?」
ん? いま、なんて言った? また天然ボケか?
あまりにも奈美さんの声が小さいから、上手く聞き取れなかった。首を傾けつつも俺は、開けていた窓を閉める。ふと、気になってきたのは、あかねちゃんのことだ。いま何をしているのだろうか。サヨナラ、なんて意味深なことを言って出て行ったけど、そのまま消えていたら、漫画みたいで、なんともウケる。
「奈美さん、あかねちゃんは? 勉強でもしてますか? いや、学習か」
「それが……」
急に歯切れが悪くなった奈美さんは、猫をぎゅっと抱きしめると話をつづけた。
「実家に帰りましたよ」
「え? 帰ったって……京都にですか?」
「はい。これ以上ここにいたらマズい……とか言って血相を変えて出ていきました」
「どういうことですか?」
「さぁ、何なんでしょうか? わたしにはさっぱり……でも」
「ん?」
「探偵さんのことが原因なのかな、とは思います」
「えっ? 俺?」
「うふふ、女の感です」
ふーん、帰ったのか……。
ツンデレ美少女あかねちゃん。君のやることは、ホントに俺の心を揺らしてくるぜ、まったく、心なしかイライラする。寂しいってわけじゃない。別に今日会ったばかりの十四歳の少女に、なんでこの俺が動揺しなくちゃならないんだ? わけがわからない。しっかしろ、和泉秋斗、俺は探偵になって、やっと行方不明だった彼女を見つけだし、さぁ、これから仕事を頑張っていこう! そういうところなんだぞ。だから、未成年のあかねちゃんに恋なんかしてる場合ではないんだ。忘れよう。今回のことはいい勉強になった。好きだという気持ちは、年齢なんか関係ないんだ。そのことがわかっただけでもよかった。そう思うことにして、仕事に集中しよう。
不適な笑みを浮かべる奈美さんは、猫を抱いたままソファに座る。太ももの上で、猫は気持ちよさそう伸びをする。可愛らしい猫の毛並みをなでながら、奈美さんは唐突に尋ねてくる。
「さて、探偵さん。すべての謎は解けましたか?」
「ん? 事件は解決したよ。無事に失踪していた彼女を見つけ、家に届けました」
「それはよかったですね。でも……謎はそれだけでしょうか、他に気になることがあるんじゃないですか?」
「いや、特に……なにもないが」
「嘘、探偵さんは、なぜ気絶したのか?」
奈美さんの言葉にドキッとした。
たしかに、まだこの謎を解き明かしてはいない。だが、この謎を解くと、記憶が戻ってしまい、この世界が消える可能性があると、あかねちゃんから宣告を受けていたことを思い出す。したがって、謎を解いて大丈夫なのだろうかと不安になるのだが、どうしたものか。
「でも、あまり詮索するとさ、あかねちゃんが困るみたいなんだよなあ」
奈美さんは、目を細めると両手を軽く掲げる。
「では、別に謎を解く必要はないんじゃないかしら」
「というと?」
「推理ではなくて、仮説で空想すればいいんですよ」
「えっ? つまり、推理ではなく、推量をしろと」
「はい、この世界はゲームだと仮定すればいいのですよ」
「な……なに? ゲーム?」
「そう、つまり仮想現実です」
「仮想現実……この世界がか? ふむ、なるほど」
乾いた口のなかで息を飲む。
一瞬だけ時の流れがスローになったような、そんな感覚があった。
奈美さんは猫をなでていた手を止めると、俺のほうを見つめながら微笑を浮かべている。エメラルドグリーンの猫の瞳も、ジッと俺を見つめ、まるで、謎を解けと言わんばかりの顔を見せる。真夏の陽炎のような謎だったが、この世界、星、宇宙、万物そのものすべてが仮想現実だと仮定して、推量してみると、果たしてどうなるだろうか。
猫を助けたあとに起きた奇妙な気絶。
スマホに保存された匿名の情報、メモボイス、メモ帳のデータ。
佐野健の死体、十年間の記憶を喪失した真里の出現。
そして、不思議な天才美少女、田中あかね。
そもそも、なぜ、これらの現象は、ほぼ同時に起きたのだろうか?
なぜ、これらの現象は、相互に関係しあっているのだろうか?
この謎は解けそうにないが、空想するだけならできる。
よって、こんな仮説を立てる。
もしも、気絶した俺がどこか別の仮想空間に飛んでいたとしたら?
すべての謎は、一気に解き明かすことができる。
つまり、こういうことだ。
仮想空間で、俺、あかねちゃん、真里、佐野健、が出会い、身の上話を語っていた。
それらのことを、あかねちゃんはスマホに記録していた。
やがて、俺が気絶から戻ったと同時に、みんなも元の生活に復帰した。
だが、その間の記憶はすべて喪失していた。
そして、もしも記憶を取り戻した者同士が、この現実世界で接触するとバグが発生し、この世界が消えてしまうとしたら、どうなるだろうか。
勘が冴えるあかねちゃんたけがスマホのデータを見つけ、俺のために行動していたとしたら……。
いや、いや、まったく、バカみたいな推量だ。
そんな空想をするが、しかし……。
メモボイスに録音された二人の女性のうち、一方の女性が誰なのか? まったくわからない。
大人になった真里に、優しい口調で刑事のような聴取をする可愛い声の謎の人物……。
いったい、誰なのだろうか?
さらに空想をするが……いやいや、本当にバカげたものだと思える。
なぜなら、気絶したとき、俺は猫のリンちゃんを抱えていたからだ。
ということは……どういうことが空想できるかな?
にゃ、と鳴く猫の声が響く。まるで、私ですよ、と言わんばかりの顔を見せる。
「まさかね……」
すると、奈美さんは一息吐くと立ち上がった。
抱いていた猫がまた鳴く。サヨナラと告げているような、そんなふうに聞こえる。いやいや、猫が人間になるなんて、そんなことはありえない……。
「とりあえず、探偵さんの名刺をください」
「ん? いいけど」
ジャケットの内側から財布を取り出し、一枚の名刺をぬくと奈美さんに渡してあげる。
「じゃあ、ここのSNSに祇園にあるうちの店のサイトを送信しときますね」
「祇園? たしか奈美さんの実家は京都だっけ?」
「はい」
「なぜ? 俺に実家を教える? 意味がわからないんだが」
名刺を指にはさんだ奈美さんは、うふふと笑みを浮かべながら猫を抱き直し、
「追いかけるんでしょ? お姉ちゃんを」
と、楽しそうに答えた。くねくねと踊る猫のしっぽは、なにやら俺のことを試しているように見えた。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説


ダブルネーム
しまおか
ミステリー
有名人となった藤子の弟が謎の死を遂げ、真相を探る内に事態が急変する!
四十五歳でうつ病により会社を退職した藤子は、五十歳で純文学の新人賞を獲得し白井真琴の筆名で芥山賞まで受賞し、人生が一気に変わる。容姿や珍しい経歴もあり、世間から注目を浴びテレビ出演した際、渡部亮と名乗る男の死についてコメント。それが後に別名義を使っていた弟の雄太と知らされ、騒動に巻き込まれる。さらに本人名義の土地建物を含めた多額の遺産は全て藤子にとの遺書も発見され、いくつもの謎を残して死んだ彼の過去を探り始めた。相続を巡り兄夫婦との確執が産まれる中、かつて雄太の同僚だったと名乗る同性愛者の女性が現れ、警察は事故と処理したが殺されたのではと言い出す。さらに刑事を紹介され裏で捜査すると告げられる。そうして真相を解明しようと動き出した藤子を待っていたのは、予想をはるかに超える事態だった。登場人物のそれぞれにおける人生や、藤子自身の過去を振り返りながら謎を解き明かす、どんでん返しありのミステリー&サスペンス&ヒューマンドラマ。
カフェ・シュガーパインの事件簿
山いい奈
ミステリー
大阪長居の住宅街に佇むカフェ・シュガーパイン。
個性豊かな兄姉弟が営むこのカフェには穏やかな時間が流れる。
だが兄姉弟それぞれの持ち前の好奇心やちょっとした特殊能力が、巻き込まれる事件を解決に導くのだった。

失せ物探し・一ノ瀬至遠のカノウ性~謎解きアイテムはインスタント付喪神~
わいとえぬ
ミステリー
「君の声を聴かせて」――異能の失せ物探しが、今日も依頼人たちの謎を解く。依頼された失せ物も、本人すら意識していない隠された謎も全部、全部。
カノウコウコは焦っていた。推しの動画配信者のファングッズ購入に必要なパスワードが分からないからだ。落ち着ける場所としてお気に入りのカフェへ向かうも、そこは一ノ瀬相談事務所という場所に様変わりしていた。
カノウは、そこで失せ物探しを営む白髪の美青年・一ノ瀬至遠(いちのせ・しおん)と出会う。至遠は無機物の意識を励起し、インスタント付喪神とすることで無機物たちの声を聴く異能を持つという。カノウは半信半疑ながらも、その場でスマートフォンに至遠の異能をかけてもらいパスワードを解いてもらう。が、至遠たちは一年ほど前から付喪神たちが謎を仕掛けてくる現象に悩まされており、依頼が謎解き形式となっていた。カノウはサポートの百目鬼悠玄(どうめき・ゆうげん)すすめのもと、至遠の助手となる流れになり……?
どんでん返し、あります。

聖女の如く、永遠に囚われて
white love it
ミステリー
旧貴族、秦野家の令嬢だった幸子は、すでに百歳という年齢だったが、その外見は若き日に絶世の美女と謳われた頃と、少しも変わっていなかった。
彼女はその不老の美しさから、地元の人間達から今も魔女として恐れられながら、同時に敬われてもいた。
ある日、彼女の世話をする少年、遠山和人のもとに、同級生の島津良子が来る。
良子の実家で、不可解な事件が起こり、その真相を幸子に探ってほしいとのことだった。
実は幸子はその不老の美しさのみならず、もう一つの点で地元の人々から恐れられ、敬われていた。
━━彼女はまぎれもなく、名探偵だった。
登場人物
遠山和人…中学三年生。ミステリー小説が好き。
遠山ゆき…中学一年生。和人の妹。
島津良子…中学三年生。和人の同級生。痩せぎみの美少女。
工藤健… 中学三年生。和人の友人にして、作家志望。
伊藤一正…フリーのプログラマー。ある事件の犯人と疑われている。
島津守… 良子の父親。
島津佐奈…良子の母親。
島津孝之…良子の祖父。守の父親。
島津香菜…良子の祖母。守の母親。
進藤凛… 家を改装した喫茶店の女店主。
桂恵… 整形外科医。伊藤一正の同級生だった。
秦野幸子…絶世の美女にして名探偵。百歳だが、ほとんど老化しておらず、今も若い頃の美しさを保っている。
エリカ
喜島 塔
ミステリー
藍浦ツバサ。21歳。都内の大学に通う普通の大学生。ただ、彼には、人を愛するという感情が抜け落ちていたかのように見えた。「エリカ」という女に出逢うまでは。ツバサがエリカと出逢ってから、彼にとっての「女」は「エリカ」だけとなった。エリカ以外の、生物学上の「女」など、すべて、この世からいなくなればいい、と思った。そんなふたりが辿り着く「愛」の終着駅とはいかに?
天使の顔して悪魔は嗤う
ねこ沢ふたよ
ミステリー
表紙の子は赤野周作君。
一つ一つで、お話は別ですので、一つずつお楽しいただけます。
【都市伝説】
「田舎町の神社の片隅に打ち捨てられた人形が夜中に動く」
そんな都市伝説を調べに行こうと幼馴染の木根元子に誘われて調べに行きます。
【雪の日の魔物】
周作と優作の兄弟で、誘拐されてしまいますが、・・・どちらかと言えば、周作君が犯人ですね。
【歌う悪魔】
聖歌隊に参加した周作君が、ちょっとした事件に巻き込まれます。
【天国からの復讐】
死んだ友達の復讐
<折り紙から、中学生。友達今井目線>
【折り紙】
いじめられっ子が、周作君に相談してしまいます。復讐してしまいます。
【修学旅行1~3・4~10】
周作が、修学旅行に参加します。バスの車内から目撃したのは・・・。
3までで、小休止、4からまた新しい事件が。
※高一<松尾目線>
【授業参観1~9】
授業参観で見かけた保護者が殺害されます
【弁当】
松尾君のプライベートを赤野君が促されて推理するだけ。
【タイムカプセル1~7】
暗号を色々+事件。和歌、モールス、オペラ、絵画、様々な要素を取り入れた暗号
【クリスマスの暗号1~7】
赤野君がプレゼント交換用の暗号を作ります。クリスマスにちなんだ暗号です。
【神隠し】
同級生が行方不明に。 SNSや伝統的な手品のトリック
※高三<夏目目線>
【猫は暗号を運ぶ1~7】
猫の首輪の暗号から、事件解決
【猫を殺さば呪われると思え1~7】
暗号にCICADAとフリーメーソンを添えて♪
※都市伝説→天使の顔して悪魔は嗤う、タイトル変更
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる