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第一部 春
82 第一部 晴 完
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マリエンヌ・フローレンスと一緒に。
駆け回り、くすぐり、笑いながら。たくさんの白い墓標が並ぶ草原のなかで、彼女から告げられた言葉。
『あなたがヒロインよ』
あたしは、この言葉の意味を探っていた、ずっと、ずっと、夜がふけるまで。
寝つけない……のもある。
この言葉が、なかなか頭から離れない。深夜。月明かりの女子寮の部屋。未だに起きているのはあたしだけだった。いびきをかくベニー。すやすやと寝ているメルちゃん。マリエンヌは……いない。
すると、またマリエンヌから言われた言葉が、頭をよぎる。
『あなたがヒロインよ』
そうマリから告白された。いつもクールな賢いマリが言うのだから事実だろうけど。この世界はどうやら、あたし、ルナスタシア・リュミエールが主人公。つまり、あたしはヒロインらしい……。
なるほどぉ……と思った。
と同時に……。
『おぎゃあ、おぎゃあ……」
と、赤ちゃんの泣き声が頭に響く。やっぱりだ。あたしはヒロインだから、波乱万丈な人生をおくっていたのだ。ずっと、疑問だった。あたしの人生って、普通じゃない。そのことに、やっと辻褄が合わせられたような、そんな気がした。
なぜならあたしは、親を見たことがない。
顔を知らないのだ。温もりも、眼差しも、当たり前に親から与えられる愛情のすべてが、皆目、見当もつかない。物心がついたとき、おじいちゃんとおばあちゃんに教えてもらった話によると、どうやらあたしは、村の入り口に置かれていた。
白い布に包れていた……らしい。うーん、全然覚えていない。
『おぎゃあ、おぎゃあ……』
けたましく、泣いていたらしい。
親に捨てられたあたしは、貧乏な田舎の村で優しい老夫婦に育てられた。老夫婦の子は雇い兵士となり戦死したらしい。それでも、別にそのことに対して不幸だとは思っていないようだ。
そして、あたし自信も自分のことを不幸とは思っていなかった。
本当の親は、未だに消息不明だけど、あたしにとっての父母は老夫婦だ、と思っていた。それがあたしのサダメとも。そして、別に本当の親を見つけ出そうという発想にも至らなかった。その点においては、あたしは自分のことをクールだと思う。冷血で、無常とも。
だって、親はあたしのことを捨てたんだから……。
いまさら、探して会いにいったら、親のほうも迷惑だろう。だからあたしは、今を元気いっぱいに生きて、あたしみたいに、親を知らない子どもが生まれないようにしたいと思う。この世に生まれたら、ちゃんと親に育てられる。愛情たっぷりに。そのことが当たり前の世界に。温かくて、優しい、そんな平和な世界に、あたしはしたいと思い立ち上がった。そのためにパルテール学園に入学して知識と人脈を培っている。そして、将来的な夢は……。
村に学校を作る。
マリエンヌは、村ごと発展させるためにマインクラフトすればいいと言っていたけど、まさに、その通りだと思った。がんばりたい。未来の子どもたちのために。
だって、本当は、あたしだって泣いていたもん。
いまだから客観的に自分の幼少時代を省みれる……あたしの子どもの頃は、ふとしたときに涙がこぼれてきてしまう。情緒不安定な子どもだった。
『おぎゃあ、おぎゃあ……』
目を閉じると浮かびあがる。あたしが泣き叫んだであろう喚き声が。
子どもころ、ひとりで寝ていると、いきなり寂しくなって泣いてしまう。そんな夜は、抑えられない孤独感と焦燥感に襲われ、布団にくるまって、いつまでも泣いていた。
夢に出てくるのは空想なのか真実なのか、おぼろげな夢。赤ちゃんのあたし。村の入り口と深い森の境界線。置き去りにされた赤ちゃん。それは……あたし。
『おぎゃあ、おぎゃあ……」
本当の親が誰なのか気になって仕方がない。そんな衝動に駆られる夜もあった。どうしようもない孤独。どうしようもない焦燥。そして、愛情の不足。すると、決まっておばあちゃんが歌ってくれた。あたしの頭をなでながら、眠りに着くまで、すやすやと。
『歌には、魔法の力があるんだよ……』
おばあちゃんはそう言って、あたしに歌を教えてくれた。どのように、声を出したらいいのか。どのように、リズムを取ればいいのか。歌詞にはどのような、秘密が隠されているのか。男とはなにか。女とはなにか。この世界とはなにか……。
そうやって、おばあちゃんと歌を唄う練習をしていた。
やがてあたしが十四歳を迎える頃には、ありとあらゆる歌い方をマスターしていて、すでにあたしは村一番の歌手になっていた。と同時に、村人たちから、
「天性の才能がある」
「魔法使い」
あるいは……。
「天使だ!」
と、噂もされた。ヴォワの村で祭りがあると、よく歌手として踊り回った。ある日は、焚き火のまえで。またある日は、舞台の上や丘の上で……精霊と対話するように、天災がないように、穀物豊富に収穫できるように、病気が蔓延しないよう歌った。ときに物思いにふけり、白昼夢のように意識が朦朧とし、不思議な光りに包まれているような、そんな錯覚もあった。
あたしは歌った。精霊とともに。
村のみんなの願いを、風に乗せて空に飛ばした。
自信がついてきた。ひとりでもやっていけそうだ! という元気が身体の内側から湧いてきた。夜に泣くこともなくなった。やがて、夢に向かって生きると決めたあたしは、フルール王国にあるパルテール学園に入学した。
そして今度は、フルール王国を救うために歌うのだと、マリは言った。
マジ? と思った。
だけど、それもこれもあたしがヒロインだから、という理由ですべての辻褄が合わせることができた。入学して、マリエンヌに出会って。あたしは人生の歯車が、やっと動き出したような、そんな気がした。
始まったのだ。あたしの物語が、クルクルと歯車のように、いままさに。
第一部 晴
完
ども、花野りらです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
物語は、第二部の夏に続いていくのですが、とにかく、次作からイチャラブして官能的にしてやろうかな……とも思ったりなんかして……あ、ということは、R18にしなきゃ♡
ってな感じで、高嶺の花屋さんは、いったんお休みです。
あ、あと、宣伝です。
異世界ファンタジーの作品【流星のダークナイフが僕にだけ装備できてチートすぎる】のほうの執筆をしています。八月中に連載予定です。よかったら、そちらの作品を読んでみていただけたら、幸いです。それでは、またね~。
駆け回り、くすぐり、笑いながら。たくさんの白い墓標が並ぶ草原のなかで、彼女から告げられた言葉。
『あなたがヒロインよ』
あたしは、この言葉の意味を探っていた、ずっと、ずっと、夜がふけるまで。
寝つけない……のもある。
この言葉が、なかなか頭から離れない。深夜。月明かりの女子寮の部屋。未だに起きているのはあたしだけだった。いびきをかくベニー。すやすやと寝ているメルちゃん。マリエンヌは……いない。
すると、またマリエンヌから言われた言葉が、頭をよぎる。
『あなたがヒロインよ』
そうマリから告白された。いつもクールな賢いマリが言うのだから事実だろうけど。この世界はどうやら、あたし、ルナスタシア・リュミエールが主人公。つまり、あたしはヒロインらしい……。
なるほどぉ……と思った。
と同時に……。
『おぎゃあ、おぎゃあ……」
と、赤ちゃんの泣き声が頭に響く。やっぱりだ。あたしはヒロインだから、波乱万丈な人生をおくっていたのだ。ずっと、疑問だった。あたしの人生って、普通じゃない。そのことに、やっと辻褄が合わせられたような、そんな気がした。
なぜならあたしは、親を見たことがない。
顔を知らないのだ。温もりも、眼差しも、当たり前に親から与えられる愛情のすべてが、皆目、見当もつかない。物心がついたとき、おじいちゃんとおばあちゃんに教えてもらった話によると、どうやらあたしは、村の入り口に置かれていた。
白い布に包れていた……らしい。うーん、全然覚えていない。
『おぎゃあ、おぎゃあ……』
けたましく、泣いていたらしい。
親に捨てられたあたしは、貧乏な田舎の村で優しい老夫婦に育てられた。老夫婦の子は雇い兵士となり戦死したらしい。それでも、別にそのことに対して不幸だとは思っていないようだ。
そして、あたし自信も自分のことを不幸とは思っていなかった。
本当の親は、未だに消息不明だけど、あたしにとっての父母は老夫婦だ、と思っていた。それがあたしのサダメとも。そして、別に本当の親を見つけ出そうという発想にも至らなかった。その点においては、あたしは自分のことをクールだと思う。冷血で、無常とも。
だって、親はあたしのことを捨てたんだから……。
いまさら、探して会いにいったら、親のほうも迷惑だろう。だからあたしは、今を元気いっぱいに生きて、あたしみたいに、親を知らない子どもが生まれないようにしたいと思う。この世に生まれたら、ちゃんと親に育てられる。愛情たっぷりに。そのことが当たり前の世界に。温かくて、優しい、そんな平和な世界に、あたしはしたいと思い立ち上がった。そのためにパルテール学園に入学して知識と人脈を培っている。そして、将来的な夢は……。
村に学校を作る。
マリエンヌは、村ごと発展させるためにマインクラフトすればいいと言っていたけど、まさに、その通りだと思った。がんばりたい。未来の子どもたちのために。
だって、本当は、あたしだって泣いていたもん。
いまだから客観的に自分の幼少時代を省みれる……あたしの子どもの頃は、ふとしたときに涙がこぼれてきてしまう。情緒不安定な子どもだった。
『おぎゃあ、おぎゃあ……』
目を閉じると浮かびあがる。あたしが泣き叫んだであろう喚き声が。
子どもころ、ひとりで寝ていると、いきなり寂しくなって泣いてしまう。そんな夜は、抑えられない孤独感と焦燥感に襲われ、布団にくるまって、いつまでも泣いていた。
夢に出てくるのは空想なのか真実なのか、おぼろげな夢。赤ちゃんのあたし。村の入り口と深い森の境界線。置き去りにされた赤ちゃん。それは……あたし。
『おぎゃあ、おぎゃあ……」
本当の親が誰なのか気になって仕方がない。そんな衝動に駆られる夜もあった。どうしようもない孤独。どうしようもない焦燥。そして、愛情の不足。すると、決まっておばあちゃんが歌ってくれた。あたしの頭をなでながら、眠りに着くまで、すやすやと。
『歌には、魔法の力があるんだよ……』
おばあちゃんはそう言って、あたしに歌を教えてくれた。どのように、声を出したらいいのか。どのように、リズムを取ればいいのか。歌詞にはどのような、秘密が隠されているのか。男とはなにか。女とはなにか。この世界とはなにか……。
そうやって、おばあちゃんと歌を唄う練習をしていた。
やがてあたしが十四歳を迎える頃には、ありとあらゆる歌い方をマスターしていて、すでにあたしは村一番の歌手になっていた。と同時に、村人たちから、
「天性の才能がある」
「魔法使い」
あるいは……。
「天使だ!」
と、噂もされた。ヴォワの村で祭りがあると、よく歌手として踊り回った。ある日は、焚き火のまえで。またある日は、舞台の上や丘の上で……精霊と対話するように、天災がないように、穀物豊富に収穫できるように、病気が蔓延しないよう歌った。ときに物思いにふけり、白昼夢のように意識が朦朧とし、不思議な光りに包まれているような、そんな錯覚もあった。
あたしは歌った。精霊とともに。
村のみんなの願いを、風に乗せて空に飛ばした。
自信がついてきた。ひとりでもやっていけそうだ! という元気が身体の内側から湧いてきた。夜に泣くこともなくなった。やがて、夢に向かって生きると決めたあたしは、フルール王国にあるパルテール学園に入学した。
そして今度は、フルール王国を救うために歌うのだと、マリは言った。
マジ? と思った。
だけど、それもこれもあたしがヒロインだから、という理由ですべての辻褄が合わせることができた。入学して、マリエンヌに出会って。あたしは人生の歯車が、やっと動き出したような、そんな気がした。
始まったのだ。あたしの物語が、クルクルと歯車のように、いままさに。
第一部 晴
完
ども、花野りらです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
物語は、第二部の夏に続いていくのですが、とにかく、次作からイチャラブして官能的にしてやろうかな……とも思ったりなんかして……あ、ということは、R18にしなきゃ♡
ってな感じで、高嶺の花屋さんは、いったんお休みです。
あ、あと、宣伝です。
異世界ファンタジーの作品【流星のダークナイフが僕にだけ装備できてチートすぎる】のほうの執筆をしています。八月中に連載予定です。よかったら、そちらの作品を読んでみていただけたら、幸いです。それでは、またね~。
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