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第一部 春
68 花屋さん ④
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「おはようございます! いらっしゃいませ~」
フルール王国にある花屋さん『フローレンス』に、今日もたくさんのお客さんが詰めかけている。わたし、マリエンヌ・フローレンスは朝からお店のお手伝い。赤いワンピースに白いエプロンを着ていた。
「どのような花束にしましょうか?」
お客さんと相談して花束を作ってあげているんだけど、これがなかなか楽しいもので、お客さんそれぞれに人生のドラマがある。たとえば、いま接客しているのは六歳くらいの娘さんを連れた父親は、妻に花束をプレゼントするらしい。うーん、なんてロマンチックなの。
「でしたら、ピンクの胡蝶蘭の花束はいかがでしょうか? 永遠の愛という花言葉があります」
わたしがそう提案すると、娘さんが花の香りを嗅ぎたいと言いだした。
「はい、どうぞ」
わたしは、胡蝶蘭を一本だけ子どもに手渡した。くんか、くんか、と匂いを嗅いでいる仕草がかわいい。
「これ、いい匂いがする、これがいい、ママきっと喜ぶよぉぉ」
そうだな、と父親は満足げな表情を浮かべた。まかせて、と言ったわたしは娘さんにウインクすると、ささっと花束を作って紙に包む。おお! と歓喜の声をあげる娘さん。うふふ、嬉しい反応をしてくれるわね。
「ママの名前は?」娘さんに訊いた。
「えっと、ステファニー」
「じゃあ、パパさん、何か伝えたい言葉はありますか? メッセージカードをつけることができます」
「うーん、パッと思いつかないなあ、誕生日おめでとうとか? それか、何かおすすめはある?」
「それでは……」
わたしはサラサラっと『ハッピーバースディ、愛するステファニーへ』と筆を走らせた。カードを花束と紙包みの間に挟みこむ。花の色や香りを感じたあと、言葉の愛情表現によって、ママさんはきっと喜ぶことだろう。
「ありがとー! お姉ちゃん」
花束を娘さんに渡してあげると、満面の笑みを浮かべた。父親はその間にお会計。受付にいる母が、わたしを見据えて微笑んでいた。グッジョブとでも言っているようだ。
バイバーイ、と手を振って店からお見送りする。
父親の横を歩く花束を抱えた娘さんに、わたしは高嶺真理絵の幼少時代を重ねた。ああ、わたしもあんなふうに笑っていたな、と。
それからも、ひっきりなしにお客さんが来店した。忙しいけど、やりがいはある。しかし、昼頃にはいったん客足が引く波のようにいなくなった。
「ふう、疲れた」
その隙にカウンターの裏に隠れる。アイスティーを飲んで喉をリフレッシュ。そのとき、店の扉が開く。またか……わたしは顔をあげてカウンターから客をのぞいた。
あっ! わたしのお腹の底から嬉しい声がでた。
「教授ぅ!」
よっ、と帽子のつばに触れて挨拶するフィレ教授は、ビシッとスーツを着ていた。
うわあ、かっこいい。
彼はいつも農作業をする格好をしているから、スーツスタイルが余計に新鮮に見える。これは、女子大生にモテるはず。わたしと同じく、お店を手伝っていたメイドさんたちの視線がフィレ教授に注がれる。母に至ってはカウンターから飛びだしてしまった。
「今日は何をお探しですか? フィレ教授」
ちょっとぉ、母上様、なにその積極的な接客は? さっきまでカウンターの奥でかったるそうに、会計してたじゃない。こんなところをお父さんに見られたら、マズい! わたしは、さっと割って入った。
「教授っ! 持ってきてくれましたぁ?」
うむ、とうなずいた教授はジャケットのポケットに手を突っ込んだ。取り出したのは小瓶だった。中身の種が緑色に輝いている。神秘的にうごめく光りが怪しく見えた。
「ありがとうございます」
「じゃあ、頼むよ」
それなに? と母が尋ねてきた。「レレリーよ」わたしは教授から小瓶を受けってから答える。
「また、変な植物を育てるつもり?」母は眉根を寄せた。
「フローレンスさん、変な植物ではないですよ」教授が反論する。がんばれ~。
「だって、まえなんて虫を食べる植物をマリエンヌと一緒に育ててたじゃないですか?」
「あれは、キマネシウスという食虫植物で、花々を荒らす害虫を駆除してもらおうと研究をしていたのですが……見た目がやはりダメでしたか?」
「ええ、グロかったわ、マリエンヌも女の子ですから……少し配慮のほうをしてくださらないと」
「すいません、ですが、今回は薬品なのでグロくはないですよ」
「それならいいですけど、あんまりマリエンヌに刺激的なものはやめてくださいね」
「はい」
母は目を細めた。植物研究のことを、あまりよくは思っていないらしい。わたしは小瓶をカウンターの奥にある薬品室の鍵を開けると、そこに閉まった。夜にでも父が帰って来たら相談しよう、そう思った。
植物学者は後頭部をかくと、それでは、と言って別れの挨拶した。ええええ! もうちょっとお喋りしたい!
わたしはすぐに教授のジャケットをつまんだ。
「もういくんですか?」
「うむ、今日は大学でカンファレンスがあるんだ。お偉いさんの貴族もくる」
「へ~、なにを話すんですか?」
「フルール王国の民が不満を爆発しそうな件について」
「はい、わかります。身分制度の崩壊にきていると……」
「マリちゃん……君ってやっぱりただの女の子じゃないね」
「え? あ、あああ、なんとなくそうかなって感じただけですよ、うふふ」
フィレ教授は、ふっと鼻で笑うとつづけた。
「実はそうなんだ。一割の貴族と聖書者を贅沢させる代わりに、残り九割の民が貧乏になるのは、さすがに限界がきている。民が畑を耕すクワから人を殺す剣に持ち変える日も近いだろう」
「はい、まもなく革命が起きます」
「え? 革命のことまで未来予知できるのか!」
フィレ教授は目を剥いた。「マリちゃん、君も会議に来ないか?」
あ……とわたしは声を漏らした。調子にのって喋りすぎたか……。
そのとき、店の扉が開いた。お客さんだ、と思い顔を向けると、爽やかな笑顔がそこにはあった。太陽の光りをいっぱいに浴びながら。
え? ソレイユがなぜ店に来るの?
しかも教授がいるタイミングで。こんなこと、公式ファンブックには載ってないから、わたしは当惑する。しかし、アドリブでなんとかするしかない。んもう、ソレイユ……あなたはいったい何しに来たの?
わたしが首を傾けていると、ソレイユは太陽のような笑顔を振りまいた。
「やあ、マリエンヌ。花束をくれないか」
はぁ?
誰にあげるのだろう、と思った。
フルール王国にある花屋さん『フローレンス』に、今日もたくさんのお客さんが詰めかけている。わたし、マリエンヌ・フローレンスは朝からお店のお手伝い。赤いワンピースに白いエプロンを着ていた。
「どのような花束にしましょうか?」
お客さんと相談して花束を作ってあげているんだけど、これがなかなか楽しいもので、お客さんそれぞれに人生のドラマがある。たとえば、いま接客しているのは六歳くらいの娘さんを連れた父親は、妻に花束をプレゼントするらしい。うーん、なんてロマンチックなの。
「でしたら、ピンクの胡蝶蘭の花束はいかがでしょうか? 永遠の愛という花言葉があります」
わたしがそう提案すると、娘さんが花の香りを嗅ぎたいと言いだした。
「はい、どうぞ」
わたしは、胡蝶蘭を一本だけ子どもに手渡した。くんか、くんか、と匂いを嗅いでいる仕草がかわいい。
「これ、いい匂いがする、これがいい、ママきっと喜ぶよぉぉ」
そうだな、と父親は満足げな表情を浮かべた。まかせて、と言ったわたしは娘さんにウインクすると、ささっと花束を作って紙に包む。おお! と歓喜の声をあげる娘さん。うふふ、嬉しい反応をしてくれるわね。
「ママの名前は?」娘さんに訊いた。
「えっと、ステファニー」
「じゃあ、パパさん、何か伝えたい言葉はありますか? メッセージカードをつけることができます」
「うーん、パッと思いつかないなあ、誕生日おめでとうとか? それか、何かおすすめはある?」
「それでは……」
わたしはサラサラっと『ハッピーバースディ、愛するステファニーへ』と筆を走らせた。カードを花束と紙包みの間に挟みこむ。花の色や香りを感じたあと、言葉の愛情表現によって、ママさんはきっと喜ぶことだろう。
「ありがとー! お姉ちゃん」
花束を娘さんに渡してあげると、満面の笑みを浮かべた。父親はその間にお会計。受付にいる母が、わたしを見据えて微笑んでいた。グッジョブとでも言っているようだ。
バイバーイ、と手を振って店からお見送りする。
父親の横を歩く花束を抱えた娘さんに、わたしは高嶺真理絵の幼少時代を重ねた。ああ、わたしもあんなふうに笑っていたな、と。
それからも、ひっきりなしにお客さんが来店した。忙しいけど、やりがいはある。しかし、昼頃にはいったん客足が引く波のようにいなくなった。
「ふう、疲れた」
その隙にカウンターの裏に隠れる。アイスティーを飲んで喉をリフレッシュ。そのとき、店の扉が開く。またか……わたしは顔をあげてカウンターから客をのぞいた。
あっ! わたしのお腹の底から嬉しい声がでた。
「教授ぅ!」
よっ、と帽子のつばに触れて挨拶するフィレ教授は、ビシッとスーツを着ていた。
うわあ、かっこいい。
彼はいつも農作業をする格好をしているから、スーツスタイルが余計に新鮮に見える。これは、女子大生にモテるはず。わたしと同じく、お店を手伝っていたメイドさんたちの視線がフィレ教授に注がれる。母に至ってはカウンターから飛びだしてしまった。
「今日は何をお探しですか? フィレ教授」
ちょっとぉ、母上様、なにその積極的な接客は? さっきまでカウンターの奥でかったるそうに、会計してたじゃない。こんなところをお父さんに見られたら、マズい! わたしは、さっと割って入った。
「教授っ! 持ってきてくれましたぁ?」
うむ、とうなずいた教授はジャケットのポケットに手を突っ込んだ。取り出したのは小瓶だった。中身の種が緑色に輝いている。神秘的にうごめく光りが怪しく見えた。
「ありがとうございます」
「じゃあ、頼むよ」
それなに? と母が尋ねてきた。「レレリーよ」わたしは教授から小瓶を受けってから答える。
「また、変な植物を育てるつもり?」母は眉根を寄せた。
「フローレンスさん、変な植物ではないですよ」教授が反論する。がんばれ~。
「だって、まえなんて虫を食べる植物をマリエンヌと一緒に育ててたじゃないですか?」
「あれは、キマネシウスという食虫植物で、花々を荒らす害虫を駆除してもらおうと研究をしていたのですが……見た目がやはりダメでしたか?」
「ええ、グロかったわ、マリエンヌも女の子ですから……少し配慮のほうをしてくださらないと」
「すいません、ですが、今回は薬品なのでグロくはないですよ」
「それならいいですけど、あんまりマリエンヌに刺激的なものはやめてくださいね」
「はい」
母は目を細めた。植物研究のことを、あまりよくは思っていないらしい。わたしは小瓶をカウンターの奥にある薬品室の鍵を開けると、そこに閉まった。夜にでも父が帰って来たら相談しよう、そう思った。
植物学者は後頭部をかくと、それでは、と言って別れの挨拶した。ええええ! もうちょっとお喋りしたい!
わたしはすぐに教授のジャケットをつまんだ。
「もういくんですか?」
「うむ、今日は大学でカンファレンスがあるんだ。お偉いさんの貴族もくる」
「へ~、なにを話すんですか?」
「フルール王国の民が不満を爆発しそうな件について」
「はい、わかります。身分制度の崩壊にきていると……」
「マリちゃん……君ってやっぱりただの女の子じゃないね」
「え? あ、あああ、なんとなくそうかなって感じただけですよ、うふふ」
フィレ教授は、ふっと鼻で笑うとつづけた。
「実はそうなんだ。一割の貴族と聖書者を贅沢させる代わりに、残り九割の民が貧乏になるのは、さすがに限界がきている。民が畑を耕すクワから人を殺す剣に持ち変える日も近いだろう」
「はい、まもなく革命が起きます」
「え? 革命のことまで未来予知できるのか!」
フィレ教授は目を剥いた。「マリちゃん、君も会議に来ないか?」
あ……とわたしは声を漏らした。調子にのって喋りすぎたか……。
そのとき、店の扉が開いた。お客さんだ、と思い顔を向けると、爽やかな笑顔がそこにはあった。太陽の光りをいっぱいに浴びながら。
え? ソレイユがなぜ店に来るの?
しかも教授がいるタイミングで。こんなこと、公式ファンブックには載ってないから、わたしは当惑する。しかし、アドリブでなんとかするしかない。んもう、ソレイユ……あなたはいったい何しに来たの?
わたしが首を傾けていると、ソレイユは太陽のような笑顔を振りまいた。
「やあ、マリエンヌ。花束をくれないか」
はぁ?
誰にあげるのだろう、と思った。
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