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第一部 春
61 悪役令嬢なのにいじられる
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「いい度胸してるじゃねぇか、んん? マリのことをやらしい目で見るなんてなあ、おい!」
ロックは身がすくむような地鳴り声で、モブ男子を脅していた。
「うわぁぁぁ」
面白いように悲鳴をあげたモブ男子は、ガクブルにおびえている。よっわ……さすがモブちゅうのモブの男子ね。
わたしは、スッと立ちあがると、ロックと対峙した。悪役令嬢っぽく、ガチで。あと、もうちょっとで身体が触れ合うギリギリのところで肉薄。目線を合わせ、火花を散らす。バチバチ。
「なによ? ロック。わたしの選んだパートナーが気に入らないの?」
「ああ、気に入らないね」
「なぜ? あなたはメリッサとでしょ?」
「それはそれだ。っていうか、なんでスカート短くした? マリ」
「別に……ロックに関係ないでしょ」
「関係ある」
「はあ? ないわよ」
嫌なんだよ……とつぶやきながらロックは拳を作った。腕の血管がグッと盛り上がり、筋肉がむきむき。わお、かっこいい……。
彼は次の言葉に重みを持たせるため口をつぐんでから、一気に解放した。
「マリが他の男からやらしい目で見られるのが嫌なんだよ!」
キュンとした。
胸が張り裂けそうって言うのはこのことね。いやん、わたしを独占しようとする気まんまんじゃない、ロック。女はそういう身勝手な溺愛に弱い。
思わず顔が赤くなるわたしは、言葉を失った。そのとき、胸ポケットのなかが振動して我に返った。
妖精フェイの羽がバタついている。
はっ! いけない! わたしは悪役令嬢になるんだ。しっかりしなさい、マリ。
「わ、わ、わたしは! 男子からやらしい目で見られたって平気よ。さあ、どんどん見ていいわよっ!」
わたしはそう宣言すると、右足を椅子に乗せて腰に手を当てた。ほら、これがわたしの思いつく限りのセクシーポーズよ。見るがいい!
そのとたん、男子たち、特にすぐ近くにいるモブ男子の視線が、わたしの身体に集中した。うわあ、生足をガン見されるとドキドキするわね。
見られるのって……ちょっと快感。
「ぐわぁぁ、見るな! おまえらぁぁぁ」
雄叫びを上げたロックは、慌ててわたしのまえに立つと両手を広げた。わたしを隠しているつもりだろう。そこまで嫌なの? ロックは一途なのね。と思った。そのとき!
キンコンカン、と授業の終わりを告げる鐘が鳴る。
わたしは足を元に戻すと、サラッと黒髪をかきあげた。「ゴングに助けられたわね、ロック」
苦笑いを浮かべたロックは言った。
「でも、似合ってるぜ。ミニスカート」
「バカ……」
わたしは、プイッと横を向いた。
すると、ニコル先生が手を叩いて告げた。
「はいはい! それでは、今日のパートナーを覚えておいてね。しばらくこれでいくから」
は~い、なんて返事をする生徒たちはハモった。ニコル先生は話しをつづけた。
「それと、ロックくん、マリエンヌさんが他の男に取られてしまうんじゃないかという嫉妬心。すごくよかったわよ。そういうのを先生は見たかったの」
はあ、どうも、なんて言ってロックは後頭部をかいた。
「それでは、解散」
ニコル先生はそう言って、トントンと教壇の上にあったテキストや書類をまとめると、そそくさと廊下に出ていった。女教師がいなくなった瞬間、ひゃっほう! って感じで生徒たちは歓喜にわいた。
ふいにわたしは、主人公たち、つまりソレイユとルナの二人がどうしているか気になった。じっと観察してみると。
おやおや?
なんかいい感じに笑い合っていた。
「やだ、ソレイユって面白いね」
「え? そうかな。私は叱られたことがないから、逆に叱ってくれる人がタイプなんだ」
「やばぁぁい……変態じゃん」
照れ臭そうに自分のことをソレイユは語っていた。すると、おもむろに机の抽斗から袋を取りだした。例の文房具が入った袋だった。
「ルナ、私は考えたんだが」
「なに? 文房具ならいらないよ」
「いや、あげるのではなくて、貸すという発想はどうだろうか?」
「うーん、借りるか……それならいいわよ」
「やった。じゃあ、これどうぞ」
ルナは袋を受け取ると、紐を解いて開けた。
なかには、えんぴつ一本と消しゴムが一個入っていた。ルナはそれらを取りだすと両手で包みこんだ。感謝の証として目を閉じて、
「ありがとう」
とつぶやく。心をこめて。
わたしは思った。
シナリオにない展開だけど、それなりに上手く回ってるわね、と。
一方、ベニーは授業が終わったときに、眼鏡くんからまた握手を求められていた。にっこり笑ったベニーは握手をしてから、手を振って別れた。そのあと、すぐにわたしのところに来ると言った。
「マリリン、ハンカチかして~手がベタベタ~」
「はあ? なんで? ベタベタなの」
「知らないぞ、眼鏡くんの汗じゃないか?」
「ちょっ、無理! っていうかそれ、ホントに汗? なんか白くない?」
「きゃはは、ハンカチかしてくれ~」
「やだぁぁぁ!」
わたしは全力で逃げた。教室じゅうを駆け回る。
そんなベニーとわたしの鬼ごっこを、ソレイユ、ロック、ルナ、メリッサ、モブABC、モブ男子などなど、クラスメイトたちみんなが笑って見ていた。そんななか、眼鏡くん……あなたまで笑ってるんじゃないわよ! あんたのキモい汗のせいなんだからねっ!
んもう、見せ物じゃないんだけどなあ。
はあ、ため息がでちゃう。わたし、ちゃんと悪役令嬢になれるのだろうか? 正直……不安。
「待て~マリリン」
ゾンビのように腕を伸ばすベニーは、容赦なくわたしに襲いかかる。もちろん、気持ち悪い手は、得体の知れない液体でベタベタだ。おえぇ……なんでそんなに、とろ~ってしてるの?
「もう、やだぁぁぁ!」
ロックは身がすくむような地鳴り声で、モブ男子を脅していた。
「うわぁぁぁ」
面白いように悲鳴をあげたモブ男子は、ガクブルにおびえている。よっわ……さすがモブちゅうのモブの男子ね。
わたしは、スッと立ちあがると、ロックと対峙した。悪役令嬢っぽく、ガチで。あと、もうちょっとで身体が触れ合うギリギリのところで肉薄。目線を合わせ、火花を散らす。バチバチ。
「なによ? ロック。わたしの選んだパートナーが気に入らないの?」
「ああ、気に入らないね」
「なぜ? あなたはメリッサとでしょ?」
「それはそれだ。っていうか、なんでスカート短くした? マリ」
「別に……ロックに関係ないでしょ」
「関係ある」
「はあ? ないわよ」
嫌なんだよ……とつぶやきながらロックは拳を作った。腕の血管がグッと盛り上がり、筋肉がむきむき。わお、かっこいい……。
彼は次の言葉に重みを持たせるため口をつぐんでから、一気に解放した。
「マリが他の男からやらしい目で見られるのが嫌なんだよ!」
キュンとした。
胸が張り裂けそうって言うのはこのことね。いやん、わたしを独占しようとする気まんまんじゃない、ロック。女はそういう身勝手な溺愛に弱い。
思わず顔が赤くなるわたしは、言葉を失った。そのとき、胸ポケットのなかが振動して我に返った。
妖精フェイの羽がバタついている。
はっ! いけない! わたしは悪役令嬢になるんだ。しっかりしなさい、マリ。
「わ、わ、わたしは! 男子からやらしい目で見られたって平気よ。さあ、どんどん見ていいわよっ!」
わたしはそう宣言すると、右足を椅子に乗せて腰に手を当てた。ほら、これがわたしの思いつく限りのセクシーポーズよ。見るがいい!
そのとたん、男子たち、特にすぐ近くにいるモブ男子の視線が、わたしの身体に集中した。うわあ、生足をガン見されるとドキドキするわね。
見られるのって……ちょっと快感。
「ぐわぁぁ、見るな! おまえらぁぁぁ」
雄叫びを上げたロックは、慌ててわたしのまえに立つと両手を広げた。わたしを隠しているつもりだろう。そこまで嫌なの? ロックは一途なのね。と思った。そのとき!
キンコンカン、と授業の終わりを告げる鐘が鳴る。
わたしは足を元に戻すと、サラッと黒髪をかきあげた。「ゴングに助けられたわね、ロック」
苦笑いを浮かべたロックは言った。
「でも、似合ってるぜ。ミニスカート」
「バカ……」
わたしは、プイッと横を向いた。
すると、ニコル先生が手を叩いて告げた。
「はいはい! それでは、今日のパートナーを覚えておいてね。しばらくこれでいくから」
は~い、なんて返事をする生徒たちはハモった。ニコル先生は話しをつづけた。
「それと、ロックくん、マリエンヌさんが他の男に取られてしまうんじゃないかという嫉妬心。すごくよかったわよ。そういうのを先生は見たかったの」
はあ、どうも、なんて言ってロックは後頭部をかいた。
「それでは、解散」
ニコル先生はそう言って、トントンと教壇の上にあったテキストや書類をまとめると、そそくさと廊下に出ていった。女教師がいなくなった瞬間、ひゃっほう! って感じで生徒たちは歓喜にわいた。
ふいにわたしは、主人公たち、つまりソレイユとルナの二人がどうしているか気になった。じっと観察してみると。
おやおや?
なんかいい感じに笑い合っていた。
「やだ、ソレイユって面白いね」
「え? そうかな。私は叱られたことがないから、逆に叱ってくれる人がタイプなんだ」
「やばぁぁい……変態じゃん」
照れ臭そうに自分のことをソレイユは語っていた。すると、おもむろに机の抽斗から袋を取りだした。例の文房具が入った袋だった。
「ルナ、私は考えたんだが」
「なに? 文房具ならいらないよ」
「いや、あげるのではなくて、貸すという発想はどうだろうか?」
「うーん、借りるか……それならいいわよ」
「やった。じゃあ、これどうぞ」
ルナは袋を受け取ると、紐を解いて開けた。
なかには、えんぴつ一本と消しゴムが一個入っていた。ルナはそれらを取りだすと両手で包みこんだ。感謝の証として目を閉じて、
「ありがとう」
とつぶやく。心をこめて。
わたしは思った。
シナリオにない展開だけど、それなりに上手く回ってるわね、と。
一方、ベニーは授業が終わったときに、眼鏡くんからまた握手を求められていた。にっこり笑ったベニーは握手をしてから、手を振って別れた。そのあと、すぐにわたしのところに来ると言った。
「マリリン、ハンカチかして~手がベタベタ~」
「はあ? なんで? ベタベタなの」
「知らないぞ、眼鏡くんの汗じゃないか?」
「ちょっ、無理! っていうかそれ、ホントに汗? なんか白くない?」
「きゃはは、ハンカチかしてくれ~」
「やだぁぁぁ!」
わたしは全力で逃げた。教室じゅうを駆け回る。
そんなベニーとわたしの鬼ごっこを、ソレイユ、ロック、ルナ、メリッサ、モブABC、モブ男子などなど、クラスメイトたちみんなが笑って見ていた。そんななか、眼鏡くん……あなたまで笑ってるんじゃないわよ! あんたのキモい汗のせいなんだからねっ!
んもう、見せ物じゃないんだけどなあ。
はあ、ため息がでちゃう。わたし、ちゃんと悪役令嬢になれるのだろうか? 正直……不安。
「待て~マリリン」
ゾンビのように腕を伸ばすベニーは、容赦なくわたしに襲いかかる。もちろん、気持ち悪い手は、得体の知れない液体でベタベタだ。おえぇ……なんでそんなに、とろ~ってしてるの?
「もう、やだぁぁぁ!」
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