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第一部 春
21 将来の夢
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食事を終えたわたしたちは、水洗い場で歯を磨き、部屋に戻った。そして、それぞれのベッドに入ったけど、やっぱり、すぐに寝るのはつまらない。みんなで顔を合わせながら、将来の夢を語り合った。
「踊り子になりたいぞ」
ベニーはストレッチをしながらそう言った。
わたしが、もうなってるじゃない、と答えると、ベニーはもっとすごい踊り子になりたいと言うので、だったら、社会に影響力を与えるほどの踊り子になるっていうのはどう? とアドバイスすると、やってみるぞぉ、と笑いながら納得していた。
「卒業後の進路は歌劇団に入隊するといいかも。ベニーのひたむきに努力する姿は魅力的だし、大人になったらカリスマ性を得る可能性がある。だから、がんばってみて」
わたしがそう後押しすると、ベニーは、
「よし、やるぞ~!」
と叫んで拳を高らかに掲げた。んもう、夜に騒ぐのはやめてよね。本当に元気なんだから、ベニーは。
「あの……私は王宮の書記官として働きたいです」
メルちゃんは小さな声でそう言った。
「だったら王立大学の考古文学科の博士号を取得するといいわね」
このようなわたしのアドバイスに、メルちゃんは目を輝かせて、はい、と返事をした。いい笑顔だった。と同時に、感の冴えているメルちゃんは、マリ先輩はまるで預言者のようですね、とつぶやいた。未来予知ができるのですか? とも訊いてきた。わたしは適当に、まあね、と流しておいた。メルちゃんは、クスクスと笑った。
鋭いわね、この子。
マズイな、メルちゃんにわたしの正体がバレるのも時間の問題ね。メルちゃんの知能は他のキャラに比べて群を抜いて高い。首をひねって、わたしのことを見つめている。わたしが具体的に二人の夢をアドバイスできたことに対して不思議に思っているようだ。うーん、その答えは簡単なんだけどね。わたしは公式ファンブックを読破しており、二人の将来を知っているだけなのだから。
でも……。
ルナスタシア・リュミエール。彼女の将来の職業だけがわからない。なぜなら、結ばれる男性によって未来が変化するからだ。
乙女ゲームのEDは選択したルートによって決まる。
男性と結ばれるハッピーエンド、結ばれるはずだった男性が亡くなってしまうバッドエンド、誰とも結ばれないノーマルエンド、大きく分けるとこの三つがある。
わたしは、ノーマルエンド、つまり、みんなでわちゃわちゃして終わる大団円が好きだ。個人的にね。
なぜなら、物語が終わったそのあとは、みんなで仲良く暮らしました。みんなで……むふふ、いやん♡
そのような空想ができるからだ。個人的にね。
もっとも、わたしが恋愛未経験者だから、ひとりの男性を選べない臆病者なところも原因ではある。
まあ、とにかく、ルナスタシアに関しては誰を好きになるのか不明なので、彼女の将来だけは、今の段階では確定できない。
それでも、わたしとしては、ぜひルナに大団円エンディングを迎えてもらいたい。だって、そうしたら、わたしもリオンさんと危険な大人の恋愛が……むふふ、そして、イチャラブできたりして……きゃああ!
ん? なに?
とんとん、とベッドフレームを叩く音が響いてきて、わたしは我に返った。ルナがわたしの名前を呼んでいたからだ。
「マリ、マリ、マリエンヌ? どうしたの? わたしの将来の夢ってどうかな? ねぇ、話を聞いてた?」
「え? なに?」
「あたし、村に学校を建てたいんだよね」
「あら、それはまた予想の斜め上をいく夢ね、ルナスタシア・リュミエールさん」
「うん……どうかな?」
「まぁ、学校と限定しないで、村の全体の構築を考えてみてはどうかしら? そのためには豊富な資源と資金がいるわね。幸いにもヴォワの近くには未開拓な鉱山があるから貴重な鉱物、例えばダイヤモンド、エメラルド、オパールなどの採掘ができる可能性があるわ。仮説だけど、もしも金なんか発掘した暁にはもう、ゴールドラッシュになってヴォワの村は超巨大文明を築けるほどのマインクラフトができるように……あ……」
しまった……つい熱く語ってしまった。あっぶねぇぇ!
みんながわたしのことを見つめて、口をあんぐり開けていた。なにやってんのマリ、あなたの知識はオーパーツレベルの時代錯誤なんだからペラペラとしゃべったらダメだってば、めっ!
「……じゃあ、発掘作業をする人を雇えばいいのかな」
ルナがそう尋ねてくるから、わたしは、ええ、そうね、とだけ答えた。そのあと、もう寝ましょうか、とつづけた。ベニーが大きなあくびをしてうなずくと、女子寮そのものが消灯時間となったので、一瞬にして廊下の明かりが、パッと消えた。
「おやすみなさい」
暗くなった部屋で、みんなそれぞれのベッドに横たわる。
静寂な夜。しばらく自分と向き合う時間だ。
ベッドにはカーテンがついていて、引いて閉じればプライベート空間を満喫できる。みんなそれぞれベッドライトを灯し、自分だけの世界へ入っていく。
さて、わたしも自分の世界に入ろう。
小さなペンライトを点けて、開いた手帳に光りをあてて、鉛筆を持って文字をつづる。記録をしておこうと思った。高嶺真理絵の記憶がちゃんとあるうちに、この乙女ゲームの世界で起こるシナリオをまとめておきたかった。
わたしは黙々と筆を走らせる。
人間の記憶なんて曖昧なもので、いつか忘却してしまうもの。それでも文章を残しておけば大丈夫。そうやって人類は繁栄してきた。だけど……腑に落ちない点がいくつかある。
どうやってわたしは乙女ゲームの世界に入ったのか?
イケメン攻略対象者のわたしへの溺愛はなんなのか?
これらの原因を解明しなくてはいけない。そのためにはこの乙女ゲームの世界を調査する必要がある。そこで、もっとも怪しいのは伝説の花壇だ。ルナの証言によると、なんと妖精がいたらしい。探してみる価値は十分にありそうだ。よし、もう寝よう。夜更かしはお肌にもよくない。
おやすみなさい、マリエンヌ。
わたしは自分にそう言い聞かせると、ペンライトを消した。部屋のなかが暗くなる。
だが、やがて暗闇に慣れた目が、窓辺から射す月の明かりを感じ、わずかに部屋のなかを照らしていると察した。世界はけして暗いわけではなかった。優しい月の光りに包まれながら、わたしは目を閉じていった。
「踊り子になりたいぞ」
ベニーはストレッチをしながらそう言った。
わたしが、もうなってるじゃない、と答えると、ベニーはもっとすごい踊り子になりたいと言うので、だったら、社会に影響力を与えるほどの踊り子になるっていうのはどう? とアドバイスすると、やってみるぞぉ、と笑いながら納得していた。
「卒業後の進路は歌劇団に入隊するといいかも。ベニーのひたむきに努力する姿は魅力的だし、大人になったらカリスマ性を得る可能性がある。だから、がんばってみて」
わたしがそう後押しすると、ベニーは、
「よし、やるぞ~!」
と叫んで拳を高らかに掲げた。んもう、夜に騒ぐのはやめてよね。本当に元気なんだから、ベニーは。
「あの……私は王宮の書記官として働きたいです」
メルちゃんは小さな声でそう言った。
「だったら王立大学の考古文学科の博士号を取得するといいわね」
このようなわたしのアドバイスに、メルちゃんは目を輝かせて、はい、と返事をした。いい笑顔だった。と同時に、感の冴えているメルちゃんは、マリ先輩はまるで預言者のようですね、とつぶやいた。未来予知ができるのですか? とも訊いてきた。わたしは適当に、まあね、と流しておいた。メルちゃんは、クスクスと笑った。
鋭いわね、この子。
マズイな、メルちゃんにわたしの正体がバレるのも時間の問題ね。メルちゃんの知能は他のキャラに比べて群を抜いて高い。首をひねって、わたしのことを見つめている。わたしが具体的に二人の夢をアドバイスできたことに対して不思議に思っているようだ。うーん、その答えは簡単なんだけどね。わたしは公式ファンブックを読破しており、二人の将来を知っているだけなのだから。
でも……。
ルナスタシア・リュミエール。彼女の将来の職業だけがわからない。なぜなら、結ばれる男性によって未来が変化するからだ。
乙女ゲームのEDは選択したルートによって決まる。
男性と結ばれるハッピーエンド、結ばれるはずだった男性が亡くなってしまうバッドエンド、誰とも結ばれないノーマルエンド、大きく分けるとこの三つがある。
わたしは、ノーマルエンド、つまり、みんなでわちゃわちゃして終わる大団円が好きだ。個人的にね。
なぜなら、物語が終わったそのあとは、みんなで仲良く暮らしました。みんなで……むふふ、いやん♡
そのような空想ができるからだ。個人的にね。
もっとも、わたしが恋愛未経験者だから、ひとりの男性を選べない臆病者なところも原因ではある。
まあ、とにかく、ルナスタシアに関しては誰を好きになるのか不明なので、彼女の将来だけは、今の段階では確定できない。
それでも、わたしとしては、ぜひルナに大団円エンディングを迎えてもらいたい。だって、そうしたら、わたしもリオンさんと危険な大人の恋愛が……むふふ、そして、イチャラブできたりして……きゃああ!
ん? なに?
とんとん、とベッドフレームを叩く音が響いてきて、わたしは我に返った。ルナがわたしの名前を呼んでいたからだ。
「マリ、マリ、マリエンヌ? どうしたの? わたしの将来の夢ってどうかな? ねぇ、話を聞いてた?」
「え? なに?」
「あたし、村に学校を建てたいんだよね」
「あら、それはまた予想の斜め上をいく夢ね、ルナスタシア・リュミエールさん」
「うん……どうかな?」
「まぁ、学校と限定しないで、村の全体の構築を考えてみてはどうかしら? そのためには豊富な資源と資金がいるわね。幸いにもヴォワの近くには未開拓な鉱山があるから貴重な鉱物、例えばダイヤモンド、エメラルド、オパールなどの採掘ができる可能性があるわ。仮説だけど、もしも金なんか発掘した暁にはもう、ゴールドラッシュになってヴォワの村は超巨大文明を築けるほどのマインクラフトができるように……あ……」
しまった……つい熱く語ってしまった。あっぶねぇぇ!
みんながわたしのことを見つめて、口をあんぐり開けていた。なにやってんのマリ、あなたの知識はオーパーツレベルの時代錯誤なんだからペラペラとしゃべったらダメだってば、めっ!
「……じゃあ、発掘作業をする人を雇えばいいのかな」
ルナがそう尋ねてくるから、わたしは、ええ、そうね、とだけ答えた。そのあと、もう寝ましょうか、とつづけた。ベニーが大きなあくびをしてうなずくと、女子寮そのものが消灯時間となったので、一瞬にして廊下の明かりが、パッと消えた。
「おやすみなさい」
暗くなった部屋で、みんなそれぞれのベッドに横たわる。
静寂な夜。しばらく自分と向き合う時間だ。
ベッドにはカーテンがついていて、引いて閉じればプライベート空間を満喫できる。みんなそれぞれベッドライトを灯し、自分だけの世界へ入っていく。
さて、わたしも自分の世界に入ろう。
小さなペンライトを点けて、開いた手帳に光りをあてて、鉛筆を持って文字をつづる。記録をしておこうと思った。高嶺真理絵の記憶がちゃんとあるうちに、この乙女ゲームの世界で起こるシナリオをまとめておきたかった。
わたしは黙々と筆を走らせる。
人間の記憶なんて曖昧なもので、いつか忘却してしまうもの。それでも文章を残しておけば大丈夫。そうやって人類は繁栄してきた。だけど……腑に落ちない点がいくつかある。
どうやってわたしは乙女ゲームの世界に入ったのか?
イケメン攻略対象者のわたしへの溺愛はなんなのか?
これらの原因を解明しなくてはいけない。そのためにはこの乙女ゲームの世界を調査する必要がある。そこで、もっとも怪しいのは伝説の花壇だ。ルナの証言によると、なんと妖精がいたらしい。探してみる価値は十分にありそうだ。よし、もう寝よう。夜更かしはお肌にもよくない。
おやすみなさい、マリエンヌ。
わたしは自分にそう言い聞かせると、ペンライトを消した。部屋のなかが暗くなる。
だが、やがて暗闇に慣れた目が、窓辺から射す月の明かりを感じ、わずかに部屋のなかを照らしていると察した。世界はけして暗いわけではなかった。優しい月の光りに包まれながら、わたしは目を閉じていった。
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