上 下
21 / 42
下巻

しおりを挟む
動物園デートはとても楽しかった。
ライオンの赤ちゃんは可愛いくて愛おしく思えた。
私も赤ちゃんが欲しいなあ……。
なんて気が早い妄想を膨らませる。
そんな気持ちになっていると、なんだか胸が熱くなってきた。
余計に先輩の腕に絡みつく私は、ちょっとズルいかなあ。

なぜなら、私のおっぱいはでかい。Eカップある。
しかも身長も高いから、ちょうどおっぱいが先輩の腕にむにゅっとあたる。
もうこのころになると、私はおっぱいが先輩にあたっても濡れなくなってきた。
体が先輩に慣れてきたのだろう。
だけど、もし先輩におっぱいを揉まれたら、秒で濡れる自信はある。
ああ、先輩、男らしくグイグイきてくれないかなあ……。

そんないやらしいことを考えながら動物園を散策していると、先輩はなんとも歩きにくそうになっていく。

あ、しまった!
おっぱいあてすぎたか……。
と思ったが遅かった。

私は男子の生理現象はよくわからないが、女友達のなつきの情報によると、まぁ、勃起すると歩きにくいらしい。
先輩は顔を真っ赤にして歩いている。暑いのだろうか。
いや、もう季節は秋で涼しいはずだからそんなことはないだろう。
したがって、先輩のアソコは、今、すごいことになっている……。
いやーん♡
私はずっとやらしいことばかり考えていた。
そんな風な私だから、あっという間に動物園デートは終わった。

それからというもの、私と先輩のデートは歩きにくいものに変わっていった。
ウィンドウショッピング、公園、何気ない道で手を繋いで歩いていても先輩はきっと勃起していて、歩き方がぎこちなくなる。
先輩の股間を見てみると、ちょっと盛り上がっていることがわかった。
んもう、先輩……そんなに勃起してるなら早く私を襲ってよぉ。
デート中の私は、そんな欲望をもんもんと抱いていた。
私はどうしたらいいものかと、友達のなつきにわらをもすがる思いで悩みを打ち明けた。
  
「ねえ、なつき、ちょっと聞いて、先輩が……その……」
「なに?  先輩がどうした?  襲ってきた?」
「……え、あ、いや、その逆かも……」
「ちょ、ゆうこ、あんた先輩を襲ったの?」

実にあっけらかんと聞くなつき。
しかも、相変わらずその声はでかい。
私は驚いて弁当箱をひっくり返しそうになった。

「ち、違うよぉ!」
「じゃあ、なに?」
「実は、私、ちょっと……その……おっぱいを……あてたの……」
「はあっ!  おっぱいをあてたあっ!!」

  なつきの声が教室に響く。
  近くで弁当を食べていた男子生徒たちの口から、米粒やおかずが吹きこぼれる。
  
「ちょ……なつき、声が大きいよぉ……」
「あ、ごめんごめん、で、おっぱいあてたらどうなったの?」
「うん、そしたら先輩が歩きにくくなっちゃって……」
「あら、先輩……勃起した?」
「……た、たぶん……」
「それは歩きにくいわね……先輩、かわいそうに……」
「……ぅう、そんな言い方しないでよ~なつき~ねえ、どうしよ~なつき~」
「もう、それはぬいてあげるしかないわね……」
「ふぇ?  ぬく?」

目が点になっている私。ぬくって……なに?
なつきはフッと冷笑すると私の耳もとで囁いた。
  
「シコシコしてあげるの……」
「……ぁ」

私の顔はみるみるうちに赤くなっていった。
でも、どうやってシコシコしてあげたらいいのかわからない。
そんなエッチなことを言うなつきはしたことあるのだろうか。
私は恥ずかしいけどなつきに質問してみる。

「ねえ、なつきは……その……したことあるの?」
「え?  シコシコ?」
「……ぅ、うん、それ」
「ないよ」
「ふぇ?  ないのに私にそんなこと言ったの?」
「えへへ、でもお兄ちゃんがやってるとこ見たことあるよ」
「あ……なるほど」
「うん、なんかね、溜まるんだからしょうがないって言ってた」
「溜まる?  何が溜まるの?」
「まぁ……たぶんあれだよね、きゃはは」
「あれ……ああ、あれね、うふふ」

私はまた視線を感じ、ふと、隣に男子たちに見てみる。
おそらく私たちの会話が聞こえていたようで、なんだかそわそわしている。
弁当もろくに食べてないし、先輩と同じようにぎこちない動きをしていた。
あ、勃起してるな、と私は思った。
勃起したらどうするのだろうなあ。
なつきが言ったように、どこかでぬいてくるのだろうか。
まあ、そんなことはどうでもいい。
私は最大の疑問をなつきにぶつけてみる。

「ねえ、なつき……お兄ちゃんってどうやってしてたの?」
「え?  シコシコって?」
「うん、どんな感じかなってさ……先輩にしてあげようにもわかんないし」
「ああ、なるほど……たしか、こう握ってたような……」
「こう?」

私はなつきの手と同じように柔らかく拳を握った。

「で、こうやって動いてた、きゃはは」
「ちょっ、やば……なつき……やりすぎ……」

なつきの手はシコシコと上下に動いていた。
すると、男子たちの視線がまた集まりはじめた。
もしかすると、この男子たちは、本当に私をおかずにしてこんな風にシコシコやってるのかもしれない。

うわぁ、キモい……。

でも、なぜだろう、キモいのに、どことなく可愛らしいというか慎ましいような気がした。
なぜなら、そんなに欲情しているのなら私を襲ってくれればいいのに、でもそんな勇気はなく、自分を慰めて自己完結してしまう。
それは私にも同じことが言える。
本当は先輩に襲われたいのにしてもらえないから、自分でオナニーしている、それと一緒だ。そうだ、きっと私もこの男子と同じだ。思い通りにいかないから、いつも自分で自分を慰めている。

そして、私はこうも思う。
なつきの痴漢疑惑の件で、もっとがっつりやって欲しいと言っていたことがあったが、今ならなんとなくその気持ちもわかってきた。
ようするに、私たち女だって性に飢えているのだ。

でも、そんなことは表に出せない。
出せるわけがない。
ビッチと思われたら自分の価値が下がるからだ。

なつきは親友だから私にビッチ的な要素があるってバレてもいいけど、他の地味系女子たちや男子たちには絶対にバレたくない。
私はあくまでもゆるふわんとした清楚系女子でいたいと思っている。なつきだってギャル系ファッションだけど、本当は恋に一途ないい子である、はず……。

ただ、なつきもいい男が来ないかなあと常に受け身なのでなかなか恋が始まる気配がない。
性に対しての欲求だけが膨らんでいるようにも見える。
そんな私たちは、男子について語りあう毎日を過ごしていた。
性の知識だけがどんどん増えていく。
あとは、体験してみるまでだ。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

教え子に手を出した塾講師の話

神谷 愛
恋愛
バイトしている塾に通い始めた女生徒の担任になった私は授業をし、その中で一線を越えてしまう話

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

腹黒上司が実は激甘だった件について。

あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。 彼はヤバいです。 サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。 まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。 本当に厳しいんだから。 ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。 マジで? 意味不明なんだけど。 めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。 素直に甘えたいとさえ思った。 だけど、私はその想いに応えられないよ。 どうしたらいいかわからない…。 ********** この作品は、他のサイトにも掲載しています。

処理中です...