乱交的フラストレーション〜美少年の先輩はドMでした♡〜

花野りら

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日曜日、先輩と動物園デートする日になった。
私たちはT駅の改札口で待ち合わせをしていた。
そこから別の電車を乗り換えて、動物園まで行く予定だったのだ。
私は例の秋風の小花柄ワンピースとカーディガンのコーデを着てきた。
はたして先輩は気づいてくれるだろうか。
すると、先輩がいつもの爽やかな笑顔でこちらにやってきた。
隣にいた若い女子の集団が先輩をじろじろと好奇な目で見ている。
うふふ、ダメだよ、私の彼氏だからあんまり見ないでください。
でも、まあ、しょうがないかあ、先輩の笑顔は素敵すぎる。
ああ、やっぱり先輩は華やかさがあり目立つなあ。
身長178、高い鼻にシャープな顎、サラサラヘアにニキビも髭もないツルツル美肌がこっちにくる。
ああ、美少年ってほんっと……。
最高かよ~♡
  
「お待たせ~」
「うふふ、私も着いたところですよ」
「え?  じゃあ、一緒の電車だったかもね」
「そうですよぉ、この電車に乗るよってラインしてくれればよかったのに」
「あ、たしかに、あはは、ごめん」
「うふふ、別にいいですよ……会えたから……」

私は満面の笑みで先輩にすり寄る。
先輩は私の顔から足、そして胸にかけて視線を移す。
何かに気づいたようで、先輩の顔はパッと明るくなる。
  
「あ!  その服ってあの店のやつ?」
「はい!  やっぱり買っちゃいました」
「うおお!  すごく似合うよー!  いい、めっちゃいい!」
「ありがとうございます」

んもう、その言葉を店で試着してる時に言って欲しかったなあ。
だけど、まあ、このシャイなところが先輩の良きところだ。
先輩と付き合ってから、なんとなく気づいたことがある。
先輩は人前では手を繫いでくれない。
うん、それならここは、自分からいくしかないか……。
  
「先輩!  いきましょ!」

私は先輩の腕に絡みついた。
本当は男子の方からぐいぐい来てほしいんだけど、美少年の先輩にそんな願望は期待できそうもないから、私はキャラを変えて攻めてみることにする。
ああ、私は本当はドMだ。自分でもそう思う。
だから、私の心の奥底では、男子からめちゃくちゃなことをされたい欲情が渦巻いている。
オナニーだって強引に犯される妄想がおかず。
でも、先輩はその欲求は満たしてくれそうもない。
先輩からグイグイくることはまずなさそうだ。
まあ、それでもいいや……
爽やかな美少年の彼氏ができて私は満足だ。
腕を絡め、恋人繋ぎしている私たちの背後に、女子たちの強い目線が矢のように刺さるのを感じる。
イチャイチャすれば目立つ。それでも私は感情に流される。我慢なんかできないよ。とにかくこの社会は住みにくい。
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