ねえ、私の本性を暴いてよ♡ オナニークラブで働く女子大生

プロローグ

俺は地方で暮らすしがないサラリーマンだ。

大学を卒業してなんとか内定をもらった会社で働いている。

とにかく俺は一人暮らしをしたかったので親元を離れていた。

給料は手取り十五万くらい。

社宅の住まいに月三万の家賃を払う。

光熱費や通信費など諸々の生活費を必死でやりくりしながら仕事を続ける毎日。

そして、車のローンも払ったら、今月も手元に残るのは五万円くらい。

二万円は貯金したいので、実質、遊べるお金は月三万とみていい。

ああ、貧乏ってこのことか？

それでも、俺は一人暮らしは素晴らしいと思っていた。

何よりも自由さと快適さと大人であるステータスを感じるからだ。

これで彼女でもいてくれたら、さらに最高なのだが……。

しかしながら、現実は決して甘いものではない。

実は、俺はフラれたばかりだった。

いや、正確に言うとただの俺の一方通行の片思いか？

内容はこうだ。

彼女は同期で入社した女の子なのだが、同僚の噂によると出世コースに入っているエリート上司と付き合っているらしい。

俺に勝ち目などなかった。

戦わずして負けた感じ。

すると、俺の脳裏で彼女の笑顔だけが儚くも蘇る。

毎晩、毎晩……。

俺はどことなく彼女に似ているＡＶ女優を見つけた。

彼女の顔をＡＶ女優に重ねてオナニーする。

「くそ、くそ、くそぉぉぉぉ！」

働いて、シコって寝る。

働いて、シコって寝る。

ＡＶという仮想現実でシコってオナニーする俺は、本当の現実から逃げている。

まったくもってクソみたいな日々を繰り返しているよ、俺は……。



そして、気づけば、就職してはや二年目の夏を迎えようとしていた。

そんなある日、俺は大阪の支社で研修があったので出張することになった。

大阪に行くのは初めてなので、俺の心は躍った。

当日、研修はたいしたこともなかった。

ほとんど講義のDVDを見たり、二、三人でディスカッションして終わった。

「おつかれさま～」

  会社のみんなはそれぞれ帰路につく。
  
  俺はせっかく大阪に来たこともありテンションが上がっていた。
  
  すぐ帰宅する気には到底なれなかった。
  
  どうせ地元の田舎に俺のことを待っている人など誰もいなかった。
  
  ああ、俺はまるでたんぽぽの綿毛のように適当に飛んでいってもいいなあ。

  と、夕暮れ空を見上げながら、そんなことを思っていた。
  
  俺は一人で大阪の夜の街を流れてみることにしたのだった。