6 / 10
6.戦いの火蓋
しおりを挟む
地下には大きな空間が広がっていた! ちゃんと照明が点いていて、地下とは思えないくらいにめっちゃ明るい!
しかも、老若男女問わず沢山の人が居た! もしかしてこの人たち、全員行方不明者!?
「あっ!」
「どうしたんだ? フラム」
「ピカリちゃんが居る!」
人込みの中でもよく目立つピンク色の髪。
間違いない! あれはピカリちゃんだ! どうやら、ピカリちゃんも私に気が付いたみたい! 驚いたような表情を浮かべている!
「ピカリちゃーん! 助けにきたよ!」
私は手を振りながら、ピカリちゃんの元に向かって走った!
良かった! これで、ピカリちゃんはお家に帰れる! また、メタライバーとしても活躍できる!
……そう思ったのに、
「あたし、助けてくれなんて頼んでない……」
ピカリちゃんから返ってきた言葉は、とても冷たいものだった。
「ど、どうして? 家族の人も心配しているし、私みたいなファンもみんなピカリちゃんが帰ってくるのを待って……」
「帰りたくないの、あたし。ここに居る人たちもみんな同じ。帰りたくない理由があるの」
ピカリちゃんの声はとても低いものだった。こんなピカリちゃんの声、聞いたことがない。
いつも明るくて、高い声。それがピカリちゃんのイメージだったのに……。
「おい。確か、星空ピカリって名前だったな。ここに居るヤツらは、監禁されているってわけじゃねえのか?」
いつの間にか近くに来たレーゲンくんがそう尋ねると、ピカリちゃんはこくりと頷いた。
「自分たちの意思でここに居るってこと!?」
「そうよ。理想の自分になって自由に生きられるまで、あたしたちは帰らない」
理想の自分? 自由に生きられるまで?
分からない。ピカリちゃんが何を言っているのか全然分からないよ……。
「おやおや。これはまた大きなネズミが入りこんだものだにゃん」
聞き覚えのある声がして、私は慌ててそっちに視線を向けた!
――声の主は、城の入口で会ったメタロイド。警備員の三毛猫さんだった。
「もしかして、あんたがここの連中を匿ってんのか?」
レーゲンくんの問いかけに、三毛猫さんがゆっくりと頷く。
「その通りなのにゃん」
「何でそんなことを!?」
私がそう尋ねると、三毛猫さんはパッと笑ってこう言った。
「もちろん、人間の味方だからにゃん」
「メタロイドは、人間の味方であるようにプログラムされている。つまり、ここに居る連中のためにお前は行動しているのか?」
「その通りよ。ミケさんはあたしたちのために動いてくれている。恩人なの」
レーゲンくんの疑問に答えたのはピカリちゃんだった。周りの人たちも「そうだそうだ」と言って同調している。
「ワガハイは、不自由を強いられて不幸せになっている人間が多いと感じているのにゃん。そんな人間をワガハイは幸せにしたいのにゃ」
「具体的に何をするつもりなんだ?」
「これ、にゃーんだ?」
三毛猫さん――ミケは、ポケットから赤いシールのような物を取り出した。
これ、さっきの任務で見たばかりの物だ!
「BPじゃん!」
「その通り。メタバース内で人間の能力を高める素晴らしいアイテムにゃん」
「何が素晴らしいだ。それにリスクがあるのは知ってんだろうな?」
BPはメタバース内の人間の身体能力を高めるが、代償として脳に大きな負担を与えて現実の肉体に影響を及ぼすというリスクがある。そんなものを素晴らしいアイテムだと言うなんて……。
「もちろん、リスクは知っているのにゃ。だから改善するためにここに居る方々に協力してもらっているのにゃん」
「ちっ。ようやく話が分かってきた」
「どういうことなの、レーゲンくん?」
「そのメタロイドは、ここに居る人間たちをBPの実験台にしているってことだ」
ウソでしょ。
でも、ここに集まった人たちは自らが望んでここに居る。つまり、実験台になりたくて集まったってこと!?
「実験台なんて酷いにゃあ。ワガハイは不自由からみんなを解放したいだけにゃん」
「そう。BPさえあれば、限界まで力を引き出せるはずなの。そうすれば、きっと一番で居続けることができる」
「一番って、何の……?」
私がそう尋ねると、ピカリちゃんはキッとにらみつけてきた。
「何もかも! 歌も、ダンスも、ファンの数も、対人ゲームでも……メタバースで、何もかも一番になりたいの! 一番のメタライバーにならなきゃいけないの!」
「何もかも一番になりたいから、BPに頼るってのか?」
「そうよ! 悪い!?」
「ああ。悪いな」
興奮するピカリちゃんとは対照的に、レーゲンくんが冷静に呟く。そして、こう言葉を続けた。
「どんな理由があろうと、BPの製造と使用は違法だ。関わるべきじゃない」
「そ、そうだよ! 身体に悪い影響もあるんだし……」
「ワガハイは人体にあまり悪影響を出さない範囲で皆様にちょっとずつBPを投与してきたにゃん。それでもダメなのにゃん?」
「人体に全く悪影響がなくて、合法だったなら俺も何も言わねえよ。でも現実はそうじゃねえ。BPを製造したり使用したりするヤツは犯罪者だ」
ミケがやれやれと言いたげに首を左右に振る。
「相容れないにゃ。で、どうするつもりにゃん? ワガハイたちを捕まえるのにゃん? たった二人で?」
ピカリちゃんを含む周りの人たちから敵意を感じる。囲まれているし、一気に襲いかかってきたら多分どうにもならない。捕まえようとしたら逆に私たちが捕まってしまいそうだ。
「ミケさん。この二人にもBPの素晴らしさを教えた方がいいと思う」
ピカリちゃんが私たちを睨みつけたまま、そう提案した。
「ふむ。具体的にどうすればいいにゃん?」
「ゲームをするのはどう? ちょうどあたしはその子にリベンジしたかったし」
その子って……もしかしなくても私のことだよね。
私にペイントガンナーズで負けたことを覚えているみたい。
「面白そうだにゃん。人間はゲームが大好きだからにゃん。人間が好きなものはワガハイも好きにゃ」
「決まりね。あなたたちがBPを使ったあたしに勝てる自信があるのなら、ペイントガンナーズで勝負よ。もしあたしが勝てばあなたたちはあたしたちの仲間になってもらうわ」
どうしてそんな話に!? こんな話、乗るわけないよ……。
「いいだろう。逆に俺たちが勝ったらお前たちは素直に罪を償ってもらうぞ」
「ちょっとレーゲンくん!?」
レーゲンくんは勝負に乗り気のようだ。
だけど私は知っている。ピカリちゃんがペイントガンナーズの上級者で射撃の腕前もすごいことを。そんなピカリちゃんがBPで強化されたら、勝ち目なんてないよ……。
「強行突破も考えたけどよ、それよりも相手の提案に乗った方が上手くいく確率が高い。そう判断した」
「確かに力づくでこの場を切り抜けるのは難しいかもしれないけど、ゲームに勝つのも厳しいと思うよ」
「厳しい任務を乗り越えなければ一流のエージェントにはなれない。それに……」
「それに?」
「俺はフラムの射撃の腕を信じている。あれこれ言い訳してBPに手を出したやつなんかに負けやしないさ」
そう言って、レーゲンくんは穏やかに笑った。こんな爽やかな笑い方をするレーゲンくんは初めて見たかも。
信じている、なんて言ってそんな笑い方をされたらドキドキしちゃうし何とかできそうな気がしてきちゃうよ。ずるいな、もう。
「面白そうだからワガハイも参加してみるのにゃん。ゲームなら、メタロイドの原則は適用されないから問題ないしにゃん」
「じゃあ、二人一組のチーム戦でやろう。あたしとミケさんがチームを組んで、そっちは能天気ちゃんと不愛想くんでチームを組んで戦おうか」
「能天気ちゃん!?」
「不愛想くん!?」
「ごめん。あたし、人の名前を覚えるの苦手だから……」
今日初めて会ったであろうレーゲンくんはともかく、私の名前を覚えていないのは超ショック!
……よく考えたら、ペイントガンナーズに熱中していた頃は違う名前で活動していたなあ、私。ハイパームテキちゃんって名前だったはず。うわっ。思い出したらなんか恥ずかしくなってきた! この名前だったら忘れられていたほうがいいや!
「おいフラム。あいつらをボッコボコにぶちのめして脳みそに俺たちの名前を刻みつけてやろうぜ」
「完全に悪役のセリフだよレーゲンくん……」
奇妙なことになっちゃったなあ。私がエージェントとなるキッカケになった推しのメタライバーと敵対しちゃうなんて。
正直、頭が混乱している。でも、戦って勝たなければピカリちゃんを助けるという目標は達成できないと思う。なら、戦うしかないよね。
私を信じてくれたレーゲンくんのためにも、勝たなきゃ!
しかも、老若男女問わず沢山の人が居た! もしかしてこの人たち、全員行方不明者!?
「あっ!」
「どうしたんだ? フラム」
「ピカリちゃんが居る!」
人込みの中でもよく目立つピンク色の髪。
間違いない! あれはピカリちゃんだ! どうやら、ピカリちゃんも私に気が付いたみたい! 驚いたような表情を浮かべている!
「ピカリちゃーん! 助けにきたよ!」
私は手を振りながら、ピカリちゃんの元に向かって走った!
良かった! これで、ピカリちゃんはお家に帰れる! また、メタライバーとしても活躍できる!
……そう思ったのに、
「あたし、助けてくれなんて頼んでない……」
ピカリちゃんから返ってきた言葉は、とても冷たいものだった。
「ど、どうして? 家族の人も心配しているし、私みたいなファンもみんなピカリちゃんが帰ってくるのを待って……」
「帰りたくないの、あたし。ここに居る人たちもみんな同じ。帰りたくない理由があるの」
ピカリちゃんの声はとても低いものだった。こんなピカリちゃんの声、聞いたことがない。
いつも明るくて、高い声。それがピカリちゃんのイメージだったのに……。
「おい。確か、星空ピカリって名前だったな。ここに居るヤツらは、監禁されているってわけじゃねえのか?」
いつの間にか近くに来たレーゲンくんがそう尋ねると、ピカリちゃんはこくりと頷いた。
「自分たちの意思でここに居るってこと!?」
「そうよ。理想の自分になって自由に生きられるまで、あたしたちは帰らない」
理想の自分? 自由に生きられるまで?
分からない。ピカリちゃんが何を言っているのか全然分からないよ……。
「おやおや。これはまた大きなネズミが入りこんだものだにゃん」
聞き覚えのある声がして、私は慌ててそっちに視線を向けた!
――声の主は、城の入口で会ったメタロイド。警備員の三毛猫さんだった。
「もしかして、あんたがここの連中を匿ってんのか?」
レーゲンくんの問いかけに、三毛猫さんがゆっくりと頷く。
「その通りなのにゃん」
「何でそんなことを!?」
私がそう尋ねると、三毛猫さんはパッと笑ってこう言った。
「もちろん、人間の味方だからにゃん」
「メタロイドは、人間の味方であるようにプログラムされている。つまり、ここに居る連中のためにお前は行動しているのか?」
「その通りよ。ミケさんはあたしたちのために動いてくれている。恩人なの」
レーゲンくんの疑問に答えたのはピカリちゃんだった。周りの人たちも「そうだそうだ」と言って同調している。
「ワガハイは、不自由を強いられて不幸せになっている人間が多いと感じているのにゃん。そんな人間をワガハイは幸せにしたいのにゃ」
「具体的に何をするつもりなんだ?」
「これ、にゃーんだ?」
三毛猫さん――ミケは、ポケットから赤いシールのような物を取り出した。
これ、さっきの任務で見たばかりの物だ!
「BPじゃん!」
「その通り。メタバース内で人間の能力を高める素晴らしいアイテムにゃん」
「何が素晴らしいだ。それにリスクがあるのは知ってんだろうな?」
BPはメタバース内の人間の身体能力を高めるが、代償として脳に大きな負担を与えて現実の肉体に影響を及ぼすというリスクがある。そんなものを素晴らしいアイテムだと言うなんて……。
「もちろん、リスクは知っているのにゃ。だから改善するためにここに居る方々に協力してもらっているのにゃん」
「ちっ。ようやく話が分かってきた」
「どういうことなの、レーゲンくん?」
「そのメタロイドは、ここに居る人間たちをBPの実験台にしているってことだ」
ウソでしょ。
でも、ここに集まった人たちは自らが望んでここに居る。つまり、実験台になりたくて集まったってこと!?
「実験台なんて酷いにゃあ。ワガハイは不自由からみんなを解放したいだけにゃん」
「そう。BPさえあれば、限界まで力を引き出せるはずなの。そうすれば、きっと一番で居続けることができる」
「一番って、何の……?」
私がそう尋ねると、ピカリちゃんはキッとにらみつけてきた。
「何もかも! 歌も、ダンスも、ファンの数も、対人ゲームでも……メタバースで、何もかも一番になりたいの! 一番のメタライバーにならなきゃいけないの!」
「何もかも一番になりたいから、BPに頼るってのか?」
「そうよ! 悪い!?」
「ああ。悪いな」
興奮するピカリちゃんとは対照的に、レーゲンくんが冷静に呟く。そして、こう言葉を続けた。
「どんな理由があろうと、BPの製造と使用は違法だ。関わるべきじゃない」
「そ、そうだよ! 身体に悪い影響もあるんだし……」
「ワガハイは人体にあまり悪影響を出さない範囲で皆様にちょっとずつBPを投与してきたにゃん。それでもダメなのにゃん?」
「人体に全く悪影響がなくて、合法だったなら俺も何も言わねえよ。でも現実はそうじゃねえ。BPを製造したり使用したりするヤツは犯罪者だ」
ミケがやれやれと言いたげに首を左右に振る。
「相容れないにゃ。で、どうするつもりにゃん? ワガハイたちを捕まえるのにゃん? たった二人で?」
ピカリちゃんを含む周りの人たちから敵意を感じる。囲まれているし、一気に襲いかかってきたら多分どうにもならない。捕まえようとしたら逆に私たちが捕まってしまいそうだ。
「ミケさん。この二人にもBPの素晴らしさを教えた方がいいと思う」
ピカリちゃんが私たちを睨みつけたまま、そう提案した。
「ふむ。具体的にどうすればいいにゃん?」
「ゲームをするのはどう? ちょうどあたしはその子にリベンジしたかったし」
その子って……もしかしなくても私のことだよね。
私にペイントガンナーズで負けたことを覚えているみたい。
「面白そうだにゃん。人間はゲームが大好きだからにゃん。人間が好きなものはワガハイも好きにゃ」
「決まりね。あなたたちがBPを使ったあたしに勝てる自信があるのなら、ペイントガンナーズで勝負よ。もしあたしが勝てばあなたたちはあたしたちの仲間になってもらうわ」
どうしてそんな話に!? こんな話、乗るわけないよ……。
「いいだろう。逆に俺たちが勝ったらお前たちは素直に罪を償ってもらうぞ」
「ちょっとレーゲンくん!?」
レーゲンくんは勝負に乗り気のようだ。
だけど私は知っている。ピカリちゃんがペイントガンナーズの上級者で射撃の腕前もすごいことを。そんなピカリちゃんがBPで強化されたら、勝ち目なんてないよ……。
「強行突破も考えたけどよ、それよりも相手の提案に乗った方が上手くいく確率が高い。そう判断した」
「確かに力づくでこの場を切り抜けるのは難しいかもしれないけど、ゲームに勝つのも厳しいと思うよ」
「厳しい任務を乗り越えなければ一流のエージェントにはなれない。それに……」
「それに?」
「俺はフラムの射撃の腕を信じている。あれこれ言い訳してBPに手を出したやつなんかに負けやしないさ」
そう言って、レーゲンくんは穏やかに笑った。こんな爽やかな笑い方をするレーゲンくんは初めて見たかも。
信じている、なんて言ってそんな笑い方をされたらドキドキしちゃうし何とかできそうな気がしてきちゃうよ。ずるいな、もう。
「面白そうだからワガハイも参加してみるのにゃん。ゲームなら、メタロイドの原則は適用されないから問題ないしにゃん」
「じゃあ、二人一組のチーム戦でやろう。あたしとミケさんがチームを組んで、そっちは能天気ちゃんと不愛想くんでチームを組んで戦おうか」
「能天気ちゃん!?」
「不愛想くん!?」
「ごめん。あたし、人の名前を覚えるの苦手だから……」
今日初めて会ったであろうレーゲンくんはともかく、私の名前を覚えていないのは超ショック!
……よく考えたら、ペイントガンナーズに熱中していた頃は違う名前で活動していたなあ、私。ハイパームテキちゃんって名前だったはず。うわっ。思い出したらなんか恥ずかしくなってきた! この名前だったら忘れられていたほうがいいや!
「おいフラム。あいつらをボッコボコにぶちのめして脳みそに俺たちの名前を刻みつけてやろうぜ」
「完全に悪役のセリフだよレーゲンくん……」
奇妙なことになっちゃったなあ。私がエージェントとなるキッカケになった推しのメタライバーと敵対しちゃうなんて。
正直、頭が混乱している。でも、戦って勝たなければピカリちゃんを助けるという目標は達成できないと思う。なら、戦うしかないよね。
私を信じてくれたレーゲンくんのためにも、勝たなきゃ!
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
フラワーウォーズ ~もふもふなパートナーとともにラビリンスから抜け出せ!~
神所いぶき
児童書・童話
自然が豊かな場所、花守市。そこでは、昔から度々行方不明事件が発生していた。だが、この花守市で行方不明になった人たちは、数日以内に無傷で戻ってくる。――行方不明になっている間の記憶を失った状態で。
花が好きという気持ちを抱えながら、それを隠して生きる少年『一色 カズキ』は、中学生になった日に花守市の行方不明事件に巻き込まれることになる。
見知らぬ場所に迷い込んだ後、突如現れたカイブツに襲われて絶体絶命の状態になった時、同級生である『二宮 ニナ』がカズキの前に現れてこう言った。「好きなものを認めてください」と。直後、カズキの体は炎に包まれる。そして、彼らの前にピンクの柴犬の姿をした花の精――『フラワースピリット』の『シバ』が現れた。
やがて、カズキは知る。いつの間にか迷い込んでしまった見知らぬ場所――『ラビリンス』から脱出するためには、学友、そしてフラワースピリットの力を借り、襲い掛かってくる『バグスピリット』の正体をあばくしかないと。
これは、行方不明事件の謎を追いながら、見失った『自分』を取り戻すために戦う少年たちの物語。
元婚約者様の勘違い
希猫 ゆうみ
恋愛
ある日突然、婚約者の伯爵令息アーノルドから「浮気者」と罵られた伯爵令嬢カイラ。
そのまま罵詈雑言を浴びせられ婚約破棄されてしまう。
しかしアーノルドは酷い勘違いをしているのだ。
アーノルドが見たというホッブス伯爵とキスしていたのは別人。
カイラの双子の妹で数年前親戚である伯爵家の養子となったハリエットだった。
「知らない方がいらっしゃるなんて驚きよ」
「そんな変な男は忘れましょう」
一件落着かに思えたが元婚約者アーノルドは更なる言掛りをつけてくる。
ブレイブ&マジック 〜中学生勇者ともふもふ獅子魔王の騒動記〜
神所いぶき
児童書・童話
オレ、暁クオンは数年前に両親を亡くし、施設で暮らしていた。
オレの生活が一変したのは、中学一年生の春休みの最終日。後に『変転の日』と呼ばれるその日に、オレはライオン頭の魔王と出会った。そして、魔王はオレに向かってこう言ったのだ。
「我は魔族を統べる魔王だ! 勇者よ! 我は貴様を倒し、この世界を支配する!」
このままこのライオン頭の自称魔王に食べられるのか!? とオレは思ったけど、そうはならなかった。何を思ったのか、魔王はすぐにこう言ったんだ。
「我が貴様を鍛えてやる。今日から一緒に暮らすぞ。勇者よ」
断ったら食べられるかも。そう思ったオレは魔王の申し出を了承し、ワケが分からない内に魔王との共同生活が始まってしまったんだ。
これは、魔族という種族と、魔法という不思議な力が当たり前に存在するようになった世界で、勇者と呼ばれるようになった人間のオレが波乱万丈な生活を送る物語だ。
理想の王妃様
青空一夏
児童書・童話
公爵令嬢イライザはフィリップ第一王子とうまれたときから婚約している。
王子は幼いときから、面倒なことはイザベルにやらせていた。
王になっても、それは変わらず‥‥側妃とわがまま遊び放題!
で、そんな二人がどーなったか?
ざまぁ?ありです。
お気楽にお読みください。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
たった一度の、キセキ。
雨音
児童書・童話
「幼なじみとか、昔の話だし。親しくもないやつからこんなんもらったって、気持ち悪いだけだろ」
片思いする幼馴染み・蒼にラブレターを渡したところ、教室で彼が友達にそう言っているところを聞いてしまった宮野雛子。
傷心の彼女の前に現れたのは、蒼にそっくりな彼の従兄・茜。ひょんなことから、茜は雛子の家に居候することになる。突然始まった、片思いの人そっくりな年上男子とのひとつ屋根の下生活に、どぎまぎする雛子だが、
どうやら彼には秘密があるようで――。
従妹と親密な婚約者に、私は厳しく対処します。
みみぢあん
恋愛
ミレイユの婚約者、オルドリッジ子爵家の長男クレマンは、子供の頃から仲の良い妹のような従妹パトリシアを優先する。 婚約者のミレイユよりもクレマンが従妹を優先するため、学園内でクレマンと従妹の浮気疑惑がうわさになる。
――だが、クレマンが従妹を優先するのは、人には言えない複雑な事情があるからだ。
それを知ったミレイユは婚約破棄するべきか?、婚約を継続するべきか?、悩み続けてミレイユが出した結論は……
※ざまぁ系のお話ではありません。ご注意を😓 まぎらわしくてすみません。
テレポートブロック ―終着地点―
はじめアキラ
児童書・童話
「一見すると地味だもんね。西校舎の一階の階段下、色の変わっているタイルを踏むと、異世界に行くことができるってヤツ~!」
異世界に行くことのできる、テレポートブロック。それは、唯奈と真紀が通う小学校の七不思議として語られているものの一つだった。
逢魔が時と呼ばれる時間帯に、そのブロックに足を乗せて呪文を唱えると、異世界転移を体験できるのだという。
平凡な日常に飽き飽きしていた二人は、面白半分で実行に移してしまう。――それが、想像を絶する旅の始まりとは知らず。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる