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氷の地
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そう言われノアと観光に出かけるものの、町にしては大きいが見る所はほとんど無い。
「普通の町って感じだから、観光って言っても見るところないよね?」
「そうですね……でも所々に張り紙がしてありますよ?劇でもするのでしょうか?」
ビラを配っている人もいたので一枚貰い、内容を見ると劇ではなく剣舞と書いてあった。
開演時間はもうすぐ。場所も地図があり近いこともあって急いで向かう。
会場と言っても結構大きな広場に客席が設けられ、100魔通貨で見ることが出来、席も見やすいところだったので、物売りから飲み物を買い始まるのを待つ。
「魔界って剣舞のショーとかやるんだね」
「幻界にもありますよ。毎年1回陛下の前で競うのですが、各地でショーの様な事をしている者達がいますので」
「サーカスみたいな感じかな?」
「似たようなものかと……あ、始まるみたいです」
そう言って中心に出てきた司会者らしき人を見ているノアはなんだかとても嬉しそうだった。
「奏太様、剣舞を見ていると技などもすごいと思うのですが、戦いの参考にもなると思うのです……演舞でしょうから刃はついてないと思いますが、魔界ですから……」
「殺さないよね?」
「と思います……このチラシにも剣舞と書いてありましたし」
「なにか心配事でもあるの?」
「やはり魔界となれば好戦的ですので。周りの方々も血の気が多そうな方ばかりですし」
見渡すと体の大きな男性が多いのは分かるが、ノアとニコルの剣舞を見ているから、そんな感じだろうとあまり気にしないようにし、始まるを待っていると太鼓と笛の音が聞こえてきた。
「音楽?」
「これは団体の剣舞ですね。衣装も華やかですので楽しみです」
10人ほどの男女が様々な剣を持ち、音に合わせて踊るのは見ていても綺麗で楽しい。
時折触れる剣の音も音楽と合わさってとも綺麗だった。
その次は2人での剣舞と紹介され、赤と緑の衣装を着た人が互いに剣をもち、それも音楽に合わせて軽やかに剣の舞いを披露する。
拍手喝采が起きた後、また違う2人が剣を持ち対面する。
「奏太様、これは剣舞に合わせての仕合です」
「え?」
「足元に鎖に繋がれていた跡があります。奴隷かも知れません」
「奴隷って……」
「勝った方が自由となるのかと思うのですが……剣には刃も付いています」
「殺し合いって事?」
「恐らくは……どうされますか?」
「でも殺すまでは行かないでしょ?とりあえず見てみようよ」
そう言いいざ始まると、最初から突きを交わした緑の服の人の頬が切れて出血している。
空気がピリピリと感じるので、2人とも本気なんだろう。
次に動くまでの時間がとても長く感じた時、演舞のような剣技が繰り広げられ、持てる力を全部出し切っているように戦う。
「凄い……」
「結構時間がかかっていますがそろそろ勝負はつくでしょうね」
「分かるの?」
「緑の方が本気になったようです……かなりの実力者だと思うのですが、仮面をかぶっているので誰かまではわかりません」
「普通の町って感じだから、観光って言っても見るところないよね?」
「そうですね……でも所々に張り紙がしてありますよ?劇でもするのでしょうか?」
ビラを配っている人もいたので一枚貰い、内容を見ると劇ではなく剣舞と書いてあった。
開演時間はもうすぐ。場所も地図があり近いこともあって急いで向かう。
会場と言っても結構大きな広場に客席が設けられ、100魔通貨で見ることが出来、席も見やすいところだったので、物売りから飲み物を買い始まるのを待つ。
「魔界って剣舞のショーとかやるんだね」
「幻界にもありますよ。毎年1回陛下の前で競うのですが、各地でショーの様な事をしている者達がいますので」
「サーカスみたいな感じかな?」
「似たようなものかと……あ、始まるみたいです」
そう言って中心に出てきた司会者らしき人を見ているノアはなんだかとても嬉しそうだった。
「奏太様、剣舞を見ていると技などもすごいと思うのですが、戦いの参考にもなると思うのです……演舞でしょうから刃はついてないと思いますが、魔界ですから……」
「殺さないよね?」
「と思います……このチラシにも剣舞と書いてありましたし」
「なにか心配事でもあるの?」
「やはり魔界となれば好戦的ですので。周りの方々も血の気が多そうな方ばかりですし」
見渡すと体の大きな男性が多いのは分かるが、ノアとニコルの剣舞を見ているから、そんな感じだろうとあまり気にしないようにし、始まるを待っていると太鼓と笛の音が聞こえてきた。
「音楽?」
「これは団体の剣舞ですね。衣装も華やかですので楽しみです」
10人ほどの男女が様々な剣を持ち、音に合わせて踊るのは見ていても綺麗で楽しい。
時折触れる剣の音も音楽と合わさってとも綺麗だった。
その次は2人での剣舞と紹介され、赤と緑の衣装を着た人が互いに剣をもち、それも音楽に合わせて軽やかに剣の舞いを披露する。
拍手喝采が起きた後、また違う2人が剣を持ち対面する。
「奏太様、これは剣舞に合わせての仕合です」
「え?」
「足元に鎖に繋がれていた跡があります。奴隷かも知れません」
「奴隷って……」
「勝った方が自由となるのかと思うのですが……剣には刃も付いています」
「殺し合いって事?」
「恐らくは……どうされますか?」
「でも殺すまでは行かないでしょ?とりあえず見てみようよ」
そう言いいざ始まると、最初から突きを交わした緑の服の人の頬が切れて出血している。
空気がピリピリと感じるので、2人とも本気なんだろう。
次に動くまでの時間がとても長く感じた時、演舞のような剣技が繰り広げられ、持てる力を全部出し切っているように戦う。
「凄い……」
「結構時間がかかっていますがそろそろ勝負はつくでしょうね」
「分かるの?」
「緑の方が本気になったようです……かなりの実力者だと思うのですが、仮面をかぶっているので誰かまではわかりません」
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