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魔界
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「ちょっと待ってください。地図ではまだ氷の地は二つ隣のはずでは?」
「そうです。ですがここの位置は既に境目。風や雪がちらつくことはありますが、時期的に早いのです。姫様であれば何かわかると思うのですが……」
「でも、降ってないんでしょ?」
「いえ、あの女性の話だと降っていることを考えた方がいいかもしれません。氷の地の境目までは凍結はしないでしょうが、念の為明日買い物に行きましょう」
「大きな街でなくてもいいの?」
「この町は次の土地へ行くために必要なものは揃っていますし、いい犬もいますから」
「ソリも買う?」
「買います。まだ付けないので、荷馬車は犬に引かせますが」
「犬と言っても大きさは……」
「専用の犬なので馬ほどの大きさはありますし、寒さに強く体力もあるので魔界では馬の代わりに引かせるのが一般的です」
「へぇ。見たいな……」
「明日にしましょう。もうそろそろ夕食だと思うので」
宿に戻り食事にする。
メニューは幻界と変わらず、パン・スープ・サラダにメイン。
メインの魚がどんな魚なのかはわからないが、白身魚には変わりないので迷わず口に入れる。
「美味っ!」
「でしょう?この魚はよく食べられる魚で、ソテーして食べるのが一般的です。スープの肉には魔鳥が使われています。サラダのブロッコリーに似たものは少し苦いのですが、茹でてあるので大丈夫だと……」
「スープの野菜も違和感がないですね」
「ええ、ブランは食べれないものはありますか?」
「お魚は骨が嫌い……」
「小さいならほぐした身だから食ってみろよ。美味いから」
雛になっていたので、手でつまみ口に入れる。
クキョッ?
「もっともっと」
「気に入ったんだ。いつもお前一口で食べるからダメなんだよ。ほら、これ食えよ」
「自分で食べれるよ」
そう言うので小さなお皿に乗せる。
嘴で上手くつつき食べながら時折クキョッと言いながら食べている。
前にいたニコルからもスープのジャガイモを貰ってたべ、おはぎのような体型から真ん丸の団子のような体型になってしまった。
「食いすぎだろ?」
「もう食べられないよ……」
「もっとゆっくり食べろよ。そしたらこんな団子みたいにならないからさ……ニコルさんもあげすぎだって」
「よく食べるのでつい。明日から気をつけます。ここの宿は飲み物を持って部屋に行けるのですが、何か持っていきます?」
「コーヒーみたいなのあったから、浴場で待ってる間に飲んだんだけど、それあるかな?」
「あれは味は少し違いますが、人間界のコーヒーと変わりません。豆も売っていますので明日買っておきましょうか。ポットでもらってきます」
先に部屋に帰り、ベッドに寝転がる。
ブランはまだお腹ががパンパンだったので、少しだけ大きくなっていいよと言うと、雀ほどの大きさになる。
「器用だな」
「奏太くんの所こんな鳥いる?」
「いるよ。色々なのが……丁度ブランの大きさなら雀だな」
「すずめ?」
「そう。チュンチュンてなくんだ」
クキョックキョッ!
「なんか違うけど、ブランはその泣き方が可愛いから良いんじゃない?」
「そうです。ですがここの位置は既に境目。風や雪がちらつくことはありますが、時期的に早いのです。姫様であれば何かわかると思うのですが……」
「でも、降ってないんでしょ?」
「いえ、あの女性の話だと降っていることを考えた方がいいかもしれません。氷の地の境目までは凍結はしないでしょうが、念の為明日買い物に行きましょう」
「大きな街でなくてもいいの?」
「この町は次の土地へ行くために必要なものは揃っていますし、いい犬もいますから」
「ソリも買う?」
「買います。まだ付けないので、荷馬車は犬に引かせますが」
「犬と言っても大きさは……」
「専用の犬なので馬ほどの大きさはありますし、寒さに強く体力もあるので魔界では馬の代わりに引かせるのが一般的です」
「へぇ。見たいな……」
「明日にしましょう。もうそろそろ夕食だと思うので」
宿に戻り食事にする。
メニューは幻界と変わらず、パン・スープ・サラダにメイン。
メインの魚がどんな魚なのかはわからないが、白身魚には変わりないので迷わず口に入れる。
「美味っ!」
「でしょう?この魚はよく食べられる魚で、ソテーして食べるのが一般的です。スープの肉には魔鳥が使われています。サラダのブロッコリーに似たものは少し苦いのですが、茹でてあるので大丈夫だと……」
「スープの野菜も違和感がないですね」
「ええ、ブランは食べれないものはありますか?」
「お魚は骨が嫌い……」
「小さいならほぐした身だから食ってみろよ。美味いから」
雛になっていたので、手でつまみ口に入れる。
クキョッ?
「もっともっと」
「気に入ったんだ。いつもお前一口で食べるからダメなんだよ。ほら、これ食えよ」
「自分で食べれるよ」
そう言うので小さなお皿に乗せる。
嘴で上手くつつき食べながら時折クキョッと言いながら食べている。
前にいたニコルからもスープのジャガイモを貰ってたべ、おはぎのような体型から真ん丸の団子のような体型になってしまった。
「食いすぎだろ?」
「もう食べられないよ……」
「もっとゆっくり食べろよ。そしたらこんな団子みたいにならないからさ……ニコルさんもあげすぎだって」
「よく食べるのでつい。明日から気をつけます。ここの宿は飲み物を持って部屋に行けるのですが、何か持っていきます?」
「コーヒーみたいなのあったから、浴場で待ってる間に飲んだんだけど、それあるかな?」
「あれは味は少し違いますが、人間界のコーヒーと変わりません。豆も売っていますので明日買っておきましょうか。ポットでもらってきます」
先に部屋に帰り、ベッドに寝転がる。
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「器用だな」
「奏太くんの所こんな鳥いる?」
「いるよ。色々なのが……丁度ブランの大きさなら雀だな」
「すずめ?」
「そう。チュンチュンてなくんだ」
クキョックキョッ!
「なんか違うけど、ブランはその泣き方が可愛いから良いんじゃない?」
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