天満堂へようこそ 4

浅井 ことは

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魔界

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「ねえねえ、ノアもニコルさんも、すっごい筋肉だよね……」

「毎日稽古してるからかも知れませんが……ニコルさんの方が腕なども太いですよ?」

「腹筋はノアさんじゃないですか?そんなにくっきりと割れてませんから」

どちらの筋肉の方がとの話になって、湯に入ってからも腕を見せあっている……

二人共似たもの同士かもと思いながら、ブランをお湯のなかに浮かべると、器用に足を使って泳いでいた。

「どっちも凄いから!ノアは腹筋でニコルさんは腕筋で良いんだよね?あ、足は?」

ザブっと湯から立ち上がり、タオルもつけずにお互いの足を見合っていたので、呆れてしまった。

「結局は質の問題かと思うのですが」

「俺も付くかな?二人はたまに稽古してたけど、俺も教えてもらおうかな……」

「剣はいいです。何時でもお相手になりますよ?」

「ニコルさんの相手になるにはまだまだだよ。まずは基本のこと教えてもらわないと」

「奏太様、毎朝素振りから始められますか?基本の型なら私もニコルさんも教えられますので」

「うん。あ、ブラン溺れてる!」

流れに乗って行くブランを追いかけ、大岩のところで捕まえる。
近くに桶があったので、その中に入れて戻ろうとした時、人気があったので、邪魔になったかもと思い声を掛ける。

「すいません、騒がしくて……」

「いえ、大丈夫です。可愛い雛ね?」

「え?」

相手が湯けむりであんまり見えなかったが、明らかに声が女性だったので、立っていた体を湯につけて精一杯隠す。

ごめんなさいとその場を離れて二人の元に戻り、女の人が居たから、間違えて入ったのかなと聞くと、ニコルさんが混浴ですよ?と言う。

ノアも驚いており、「俺聞いてないよ?」と言うと、最後まで話をと言ったのにとノアに言われてしまった。

「ノアは平気なの?」

「幻界にもありますし、出会いの場としても使われますから。それに、お金がいるので変な客がいませんし……気づいておられると思っていたのでこちらが驚きました」

「気に入ったのなら声をかけてきましょうか?1晩なら平気ですが」

「ニコルさん!いいから!俺、人間界の子と恋愛したいから!」

「そうですか?声からして良い感じだったのですが。ちょっと見てきます」

ノアもついて行くといい、一人残される。

話し声が聞こえたが、女性も何人かいるようだったので先に上がることにし、コーヒに似た飲み物を買い待つこと15分。

ブランに水を飲ませていたら2人が出てきた。

「ノア?顔真っ赤だよ?」

「話が弾んだのですが、逆上せてしまって。女性の扱いはさすがニコルさんです。一人も口説けませんでした」

「流石ルーカスさんのお付き……」

「それを利用しない手はありませんから。ですがひとりは見覚えがあります。前にルーカス様と……」

「その情報はいらないから!」

「そうですか?でも、最近こちらも風が強くなり、たまに雪が入るようになったと聞きました。この辺りは雪にはあまり縁が無いのですが」

「そう言う情報だけにしようよ……」
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