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四社
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書いてもらっている間に、隆弘に電話をかけてインフルエンザではない事、医療センターに行くので帰りは遅くなるということを告げ、戸締りをお願いし電話を切る。
「早乙女さん。紹介状です」と言われお金を払ってまた車で移動する。
「途中下宿屋通りますね。一人借り出しましょう。栞さんも降りてください」
「一緒に行きます!わ、私も大人ですから、気を使わないでください」
「分かりました。少し待っていてください」
中に入り薄いが毛布とペットボトルの水を持って、堀内に下宿を任せて隆弘を連れ病院へと向かう。
「栞さんの膝枕……」
「こらこら、何を羨ましがってるんです?後ろに毛布渡してくださいよ」
「これ水ですけど、飲め……そうにないな。でもインフルでもなく高熱って、疲れで高熱出るかな?」
「普通はもっと低いですよね?」
「私に聞かれてもねぇ。医者じゃないのでわかりませんよ。入口につけますので、先に降ろして貰えます?」
「いやいや、俺一人では無理だって!」
「おんぶです!おんぶ!」
「あ、そうか。冬弥さん手伝ってよ!」
「あ!そうですね」
診察までかなり待たされ、やっと診察だとなり見てもらうが、医者も風邪でもないし分からないが、熱を下げるしかないというので、一旦入院する事となった。
部屋を個室にしてもらえるように術をかけ、仮手続きをして部屋へと入る。
「一旦送りますので帰りましょう」
「いや、でもさ……」
「学校あるでしょう?栞さんもお肌に悪いですよ?」
「お肌って……」
「私は荷物を持って今夜は付き添いに戻りますので、栞さん朝をお願いします。最悪お米だけでもこの子達喜びますから」
「え?漬物くらい欲しいよ?コメだけは流石に悲しいから」
「簡単なものですけど作りますから。あまり騒ぐと怒られちゃいますよ?」
「俺明日はバイトの日だから来れないけど、冬弥さんも誰かと交代しないと持たないよ」
「ええ、一旦ご両親にも連絡するので大丈夫です」
みんなを乗せて下宿へと帰り、雪翔の部屋へと入ると、相変わらず綺麗に片付いている。
クローゼット代わりに使っている押し入れから必要なものを出して、鞄に詰めて紫狐を呼ぶ。
寂しそうに出てくる紫狐に、今まで体調を壊すようなことがあったかを聞く。
「いつも元気だったので、変化には気付かなかったんです」
「何でもいいんですよ?変わったこととか」
「そう言われても……」
「では、階段を作る時はどうでしたか?私たちのような妖力ではないと漆たちが言っていますが、私も気付かなかったので」
「少しのことは変化はなかったです。でも、大きなものを作る時には妖力と違うとは思いましたが、影響がなかったので報告を怠りました」
「紫狐を責めている訳では無いですよ?」
「はい」
「とにかく何か思い出したら教えてください」
そう言ってまた車に乗って病院へ向かい、朝になって自宅へと連絡をする。
検査結果が出るまではなんとも言えないと主治医に言われたと言い、来れるのであれば来て欲しいと頼むも、県外で下の子も小さいのでと断られてしまう。
「何かおかしいですねぇ?」
昼前に栞が来たので、病棟の中間にあるホールでお茶を飲みながら作ってきてくれたお弁当を食べる。
「雪翔君の御両親は?」
「それがですねぇ、会った時は何も感じなかったのですが、来ないそうです。あの子を放置している感じも無かったのですぐに来ると思ったんですけどねぇ」
「遠いので……とか?」
「電車で一時間半程だと思いますよ?だから余計気になるんです。誰かを向かわせてもいいのですけど、今あまり離れさせるのはちょっと」
「うちの狐行かせましょうか?」
「でも、それでは栞さんに負担がかかってしまいます」
「大丈夫です。柚……」
「はい、姫」
「姫?」
「その呼び方はやめてくださいと何度も……それより、少し使いを頼まれてくれませんか?」
「話は聞いていましたが、匂いのわかるものがいります」
「ハンカチとかでもいいんですか?」
「はい。柚は匂いでどこまでも追いかけることができますので、雪翔君のお母さんを見つけるのは簡単だと思います」
「じゃあ、母親の様子を見てきてもらえますか?出来れば弟の方も」
「分かりました。夜に戻ります」
ハンカチを渡すとすぐに消え、窓から出ていったのでちょっと驚くが、それほど力を使ったようにも見えない。
「柚はお転婆なんですけど、調べ物など得意なので任せておいていいと思います。それより、休んでください。部屋ソファベッドになるんですよね?」
「ええ、毛布もあります。親が来ないうちは私しか見れませんしねぇ」
「あ、夕方堀内さんが代わりに来てくれるそうです」
「かと言って任せ切りにはできないでしょう?」
「私も代わりますから」
「女性にそのような事は……」
「冬弥様?まだ回復されてないでしょう?」
「分かりましたよ。敵いませんね」
まだ眠っている雪翔を運んでいくつか検査をしたが、まだ原因が分からず高熱だけが続いている。
もうすぐ祭りもあるのにどうしたものか……
夕方に堀内に交代してもらい、一度帰って風呂に入って仮眠を取る。遅くならない程度に病院に戻り、また交代する繰り返しを二日続けた時に、栞の狐が戻ってきた。
病室へと来たが、一昨日あった時とは違い、所々怪我をしている。
「遅かったですね……何かあったんですか?」
「申し訳ございません……夜には戻るつもりだったのですが、四社を抜けた辺りから野狐や悪狐が多くなり、妖怪達もかなり居たので行くのも帰るのも時間が掛かりました」
「桜狐、葉狐、柚を治療してください。柚はそのソファに座って落ち着いてください」とお茶を出す。
「栞さんに報告しましたか?」
「姫は血を嫌います。それに急がなければと思ってこちらに戻りました」
「それで、どうでしたか?」
「私は見てきたものを見せる力があります。冬弥様の許可があれば、直接イメージを送ることもできます」
「今、体力的に無理でしょう?」
「送った後休めば平気ですし、これは姫にはあまり見せたくありません」
「分かりました、送ってください。と言ってもどうすればいいですか?」
「目を閉じていてくれたら」
目を閉じると、周りの景色が頭に浮かび、空に浮いて漂っている妖怪から、野狐等が見えた後に一軒の大きな家が見えてきた。
「早乙女さん。紹介状です」と言われお金を払ってまた車で移動する。
「途中下宿屋通りますね。一人借り出しましょう。栞さんも降りてください」
「一緒に行きます!わ、私も大人ですから、気を使わないでください」
「分かりました。少し待っていてください」
中に入り薄いが毛布とペットボトルの水を持って、堀内に下宿を任せて隆弘を連れ病院へと向かう。
「栞さんの膝枕……」
「こらこら、何を羨ましがってるんです?後ろに毛布渡してくださいよ」
「これ水ですけど、飲め……そうにないな。でもインフルでもなく高熱って、疲れで高熱出るかな?」
「普通はもっと低いですよね?」
「私に聞かれてもねぇ。医者じゃないのでわかりませんよ。入口につけますので、先に降ろして貰えます?」
「いやいや、俺一人では無理だって!」
「おんぶです!おんぶ!」
「あ、そうか。冬弥さん手伝ってよ!」
「あ!そうですね」
診察までかなり待たされ、やっと診察だとなり見てもらうが、医者も風邪でもないし分からないが、熱を下げるしかないというので、一旦入院する事となった。
部屋を個室にしてもらえるように術をかけ、仮手続きをして部屋へと入る。
「一旦送りますので帰りましょう」
「いや、でもさ……」
「学校あるでしょう?栞さんもお肌に悪いですよ?」
「お肌って……」
「私は荷物を持って今夜は付き添いに戻りますので、栞さん朝をお願いします。最悪お米だけでもこの子達喜びますから」
「え?漬物くらい欲しいよ?コメだけは流石に悲しいから」
「簡単なものですけど作りますから。あまり騒ぐと怒られちゃいますよ?」
「俺明日はバイトの日だから来れないけど、冬弥さんも誰かと交代しないと持たないよ」
「ええ、一旦ご両親にも連絡するので大丈夫です」
みんなを乗せて下宿へと帰り、雪翔の部屋へと入ると、相変わらず綺麗に片付いている。
クローゼット代わりに使っている押し入れから必要なものを出して、鞄に詰めて紫狐を呼ぶ。
寂しそうに出てくる紫狐に、今まで体調を壊すようなことがあったかを聞く。
「いつも元気だったので、変化には気付かなかったんです」
「何でもいいんですよ?変わったこととか」
「そう言われても……」
「では、階段を作る時はどうでしたか?私たちのような妖力ではないと漆たちが言っていますが、私も気付かなかったので」
「少しのことは変化はなかったです。でも、大きなものを作る時には妖力と違うとは思いましたが、影響がなかったので報告を怠りました」
「紫狐を責めている訳では無いですよ?」
「はい」
「とにかく何か思い出したら教えてください」
そう言ってまた車に乗って病院へ向かい、朝になって自宅へと連絡をする。
検査結果が出るまではなんとも言えないと主治医に言われたと言い、来れるのであれば来て欲しいと頼むも、県外で下の子も小さいのでと断られてしまう。
「何かおかしいですねぇ?」
昼前に栞が来たので、病棟の中間にあるホールでお茶を飲みながら作ってきてくれたお弁当を食べる。
「雪翔君の御両親は?」
「それがですねぇ、会った時は何も感じなかったのですが、来ないそうです。あの子を放置している感じも無かったのですぐに来ると思ったんですけどねぇ」
「遠いので……とか?」
「電車で一時間半程だと思いますよ?だから余計気になるんです。誰かを向かわせてもいいのですけど、今あまり離れさせるのはちょっと」
「うちの狐行かせましょうか?」
「でも、それでは栞さんに負担がかかってしまいます」
「大丈夫です。柚……」
「はい、姫」
「姫?」
「その呼び方はやめてくださいと何度も……それより、少し使いを頼まれてくれませんか?」
「話は聞いていましたが、匂いのわかるものがいります」
「ハンカチとかでもいいんですか?」
「はい。柚は匂いでどこまでも追いかけることができますので、雪翔君のお母さんを見つけるのは簡単だと思います」
「じゃあ、母親の様子を見てきてもらえますか?出来れば弟の方も」
「分かりました。夜に戻ります」
ハンカチを渡すとすぐに消え、窓から出ていったのでちょっと驚くが、それほど力を使ったようにも見えない。
「柚はお転婆なんですけど、調べ物など得意なので任せておいていいと思います。それより、休んでください。部屋ソファベッドになるんですよね?」
「ええ、毛布もあります。親が来ないうちは私しか見れませんしねぇ」
「あ、夕方堀内さんが代わりに来てくれるそうです」
「かと言って任せ切りにはできないでしょう?」
「私も代わりますから」
「女性にそのような事は……」
「冬弥様?まだ回復されてないでしょう?」
「分かりましたよ。敵いませんね」
まだ眠っている雪翔を運んでいくつか検査をしたが、まだ原因が分からず高熱だけが続いている。
もうすぐ祭りもあるのにどうしたものか……
夕方に堀内に交代してもらい、一度帰って風呂に入って仮眠を取る。遅くならない程度に病院に戻り、また交代する繰り返しを二日続けた時に、栞の狐が戻ってきた。
病室へと来たが、一昨日あった時とは違い、所々怪我をしている。
「遅かったですね……何かあったんですか?」
「申し訳ございません……夜には戻るつもりだったのですが、四社を抜けた辺りから野狐や悪狐が多くなり、妖怪達もかなり居たので行くのも帰るのも時間が掛かりました」
「桜狐、葉狐、柚を治療してください。柚はそのソファに座って落ち着いてください」とお茶を出す。
「栞さんに報告しましたか?」
「姫は血を嫌います。それに急がなければと思ってこちらに戻りました」
「それで、どうでしたか?」
「私は見てきたものを見せる力があります。冬弥様の許可があれば、直接イメージを送ることもできます」
「今、体力的に無理でしょう?」
「送った後休めば平気ですし、これは姫にはあまり見せたくありません」
「分かりました、送ってください。と言ってもどうすればいいですか?」
「目を閉じていてくれたら」
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