18 / 90
南の島のおじいちゃん
.
しおりを挟む
すぐに祖父たちも見に来て、多分自分でわかっていたのだろうと、ありがたく受け取ることにしようという事になって、ジイジが聞きに行ってくれた。
「その、赤い紐は冬弥のなんじゃが……雪翔よ。最後まであと少し。それはお主に任せる」
「僕!?」
「もう忘れたのか?」
「お、覚えてます!」
そう言って機織り機で髪紐を作っていく。
出来上がりを見せると満足そうに頷いて、「みんなよく聞いてくれ。儂はもう長くはない。島に居させてもらえて幸せじゃった。東の……そなたらの反物と、冬弥、京弥の赤子の反物。冬弥は直ぐに髪紐をなくすから今できたものも持っていくといい。
南の……この機織り機ではお前達の洋服とヤラはできんかった。『れえす』という見本に合わせて髪紐を作っておいた。奥方にじゃ」
「俺たちのは?」
「夏樹、南の当主よ。そなたらには……ない!と言いたいが、奥に今まで集めた各地の文献がある。それを大事にしてほしい。
那智、お前にはこの島そのものを。
息子と守ってくれんか?」
「爺様……」
「お主に爺様と言われる日が来るとはの。那智よ、お前はもう少し……いや、十分に優しくなったの。子供達を守るのじゃよ?自身の子も、本家の子もみーんなじゃ。よいの?」
「分かった。今夜は俺たちいとこが腕を振るう。爺様見ててくれ」
「その、赤い紐は冬弥のなんじゃが……雪翔よ。最後まであと少し。それはお主に任せる」
「僕!?」
「もう忘れたのか?」
「お、覚えてます!」
そう言って機織り機で髪紐を作っていく。
出来上がりを見せると満足そうに頷いて、「みんなよく聞いてくれ。儂はもう長くはない。島に居させてもらえて幸せじゃった。東の……そなたらの反物と、冬弥、京弥の赤子の反物。冬弥は直ぐに髪紐をなくすから今できたものも持っていくといい。
南の……この機織り機ではお前達の洋服とヤラはできんかった。『れえす』という見本に合わせて髪紐を作っておいた。奥方にじゃ」
「俺たちのは?」
「夏樹、南の当主よ。そなたらには……ない!と言いたいが、奥に今まで集めた各地の文献がある。それを大事にしてほしい。
那智、お前にはこの島そのものを。
息子と守ってくれんか?」
「爺様……」
「お主に爺様と言われる日が来るとはの。那智よ、お前はもう少し……いや、十分に優しくなったの。子供達を守るのじゃよ?自身の子も、本家の子もみーんなじゃ。よいの?」
「分かった。今夜は俺たちいとこが腕を振るう。爺様見ててくれ」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
48
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる