92 / 103
神気と力
.
しおりを挟む
「大体、俺が忘れてた格好で来るなんて!」
「何で来たんだ?」
「巫女さん……」
ブフッと笑う迦具土のきゅうりを奪い、マヨネーズもひったくってかける。
キラキラとした視線を感じたが、謝るまで具もマヨネーズもやらない!
「祖母殿、源三郎、翔平が反抗期だぞ?いいのか?反抗期」
「違うわっ!」
「まぁ、私達も忘れてましたからねぇ、巫女さん姿。元気づけると言っても、今は何やらかのテスト前で気も立ってるのでお遊びも程々にされませんと」
「爺ちゃんも!重春が目のぱっちりした女の子好きなの知ってるだろ?大国さんの巫女姿なんてどストライクなんだから勘弁してよ……」
「俺は元々可愛いだろう?」
「年齢だけでいえば化石だろ?風化しててないだろ?元々無いだろー!」
そこまで言ったのに、ニヤニヤと笑う大国さん。
「翔平、スッキリしたか?」
「え?」
「あー、疲れた。祖母殿具をくれ具!マヨネーズも」
「お疲れ様でしたねぇ」とニコニコ顔の祖父母。
グルか?
グルだったのか!?
ポカンとしていると、「すまんな、俺も知ってた」と迦具土。
具を沢山乗せてもらい満足そうに食べている大国さん。
じーっと見ていると、「いや、だからだな……神気の事もあるし、受験のこともあるし、こう、気晴らしと思ってだな」
「そんな気晴らしいりませんから!」
「翔平、お前は昔から聞き分けもよく、なんでも真面目に取り組む。それはとてもいい事だ。だが、なんでも考えすぎてしまう所がある。
私たちに反抗もしたこともないし、代替わりの時もそうだ。自分の気持ちを押し殺す所がある。今回もいくつもストレスがあるだろうにお前は相談も何もしない……その事を話していたら、本音を出せるところがあればいいのだろうと大国様が悪役を買ってくださった」
「そーいうことだ。俺も思ってはいたが、お前の良いところでもあり悪いところでもある。俺が引き受けるのが良かったんだろーが、それじゃ今までと変わんねーなって思ってな」
「そーいうことだから許せ。祖母殿、ご飯はあるか?」
「梅しらすの振りかけがあるので、おにぎりにしましょうか」
「おお、おっきいのを三つ!」
いつもと変わらない態度の大国さんだが、神様にかなり酷いことを言ったような……
いや、でも……
巫女姿で出てこなくてもいいじゃないか!
うん、俺は悪くないぞ?
「大国さん、いいもの渡すんで、目瞑って貰えますか?」
「ご褒美か?」
とニコニコ笑顔で目を瞑っているので、コソッとハリセンを持ってきて、思いっきり振り上げて力の限り振り下ろす。
バッシーン
「いってぇ!」
頭を抱える大国さんに、「はぁ、スッキリした」と言って冷やし中華を食べる。
ちょっと延びちゃったじゃないか!
「今度から巫女さん禁止。女性姿も禁止ですから」
そう言って、祖父にも祖母にも変な計画を立てるな!と釘をさして、ご馳走様と食器をつけて部屋へと戻る。
大国さんやみんなが心配してくれるのはわかるが、
みんなが思っているよりも自由にしてきたつもりだし、最近はそれなりに楽しんでいる自分もいる。
それに、神気を入れた方がいいことももうわかっている。
大国さんや迦具土には見えてないようだが、鈴を持っていなくても、弓を作った時の薄緑の光が手に纏っているのが見えるんだから……
「何で来たんだ?」
「巫女さん……」
ブフッと笑う迦具土のきゅうりを奪い、マヨネーズもひったくってかける。
キラキラとした視線を感じたが、謝るまで具もマヨネーズもやらない!
「祖母殿、源三郎、翔平が反抗期だぞ?いいのか?反抗期」
「違うわっ!」
「まぁ、私達も忘れてましたからねぇ、巫女さん姿。元気づけると言っても、今は何やらかのテスト前で気も立ってるのでお遊びも程々にされませんと」
「爺ちゃんも!重春が目のぱっちりした女の子好きなの知ってるだろ?大国さんの巫女姿なんてどストライクなんだから勘弁してよ……」
「俺は元々可愛いだろう?」
「年齢だけでいえば化石だろ?風化しててないだろ?元々無いだろー!」
そこまで言ったのに、ニヤニヤと笑う大国さん。
「翔平、スッキリしたか?」
「え?」
「あー、疲れた。祖母殿具をくれ具!マヨネーズも」
「お疲れ様でしたねぇ」とニコニコ顔の祖父母。
グルか?
グルだったのか!?
ポカンとしていると、「すまんな、俺も知ってた」と迦具土。
具を沢山乗せてもらい満足そうに食べている大国さん。
じーっと見ていると、「いや、だからだな……神気の事もあるし、受験のこともあるし、こう、気晴らしと思ってだな」
「そんな気晴らしいりませんから!」
「翔平、お前は昔から聞き分けもよく、なんでも真面目に取り組む。それはとてもいい事だ。だが、なんでも考えすぎてしまう所がある。
私たちに反抗もしたこともないし、代替わりの時もそうだ。自分の気持ちを押し殺す所がある。今回もいくつもストレスがあるだろうにお前は相談も何もしない……その事を話していたら、本音を出せるところがあればいいのだろうと大国様が悪役を買ってくださった」
「そーいうことだ。俺も思ってはいたが、お前の良いところでもあり悪いところでもある。俺が引き受けるのが良かったんだろーが、それじゃ今までと変わんねーなって思ってな」
「そーいうことだから許せ。祖母殿、ご飯はあるか?」
「梅しらすの振りかけがあるので、おにぎりにしましょうか」
「おお、おっきいのを三つ!」
いつもと変わらない態度の大国さんだが、神様にかなり酷いことを言ったような……
いや、でも……
巫女姿で出てこなくてもいいじゃないか!
うん、俺は悪くないぞ?
「大国さん、いいもの渡すんで、目瞑って貰えますか?」
「ご褒美か?」
とニコニコ笑顔で目を瞑っているので、コソッとハリセンを持ってきて、思いっきり振り上げて力の限り振り下ろす。
バッシーン
「いってぇ!」
頭を抱える大国さんに、「はぁ、スッキリした」と言って冷やし中華を食べる。
ちょっと延びちゃったじゃないか!
「今度から巫女さん禁止。女性姿も禁止ですから」
そう言って、祖父にも祖母にも変な計画を立てるな!と釘をさして、ご馳走様と食器をつけて部屋へと戻る。
大国さんやみんなが心配してくれるのはわかるが、
みんなが思っているよりも自由にしてきたつもりだし、最近はそれなりに楽しんでいる自分もいる。
それに、神気を入れた方がいいことももうわかっている。
大国さんや迦具土には見えてないようだが、鈴を持っていなくても、弓を作った時の薄緑の光が手に纏っているのが見えるんだから……
0
お気に入りに追加
94
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
世界的名探偵 青井七瀬と大福係!~幽霊事件、ありえません!~
ミラ
キャラ文芸
派遣OL3年目の心葉は、ブラックな職場で薄給の中、妹に仕送りをして借金生活に追われていた。そんな時、趣味でやっていた大福販売サイトが大炎上。
「幽霊に呪われた大福事件」に発展してしまう。困惑する心葉のもとに「その幽霊事件、私に解かせてください」と常連の青井から連絡が入る。
世界的名探偵だという青井は事件を華麗に解決してみせ、なんと超絶好待遇の「大福係」への就職を心葉に打診?!青井専属の大福係として、心葉の1ヶ月間の試用期間が始まった!
次々に起こる幽霊事件の中、心葉が秘密にする「霊視の力」×青井の「推理力」で
幽霊事件の真相に隠れた、幽霊の想いを紐解いていく──!
「この世に、幽霊事件なんてありえません」
幽霊事件を絶対に許さない超偏屈探偵・青木と、幽霊が視える大福係の
ゆるバディ×ほっこり幽霊ライトミステリー!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

元魔法少女の後日談は珈琲が飲めるようになってから。
キリ
キャラ文芸
雨谷しぐれが魔法少女の頃はどんなところにでも手が届いた。手の届く範囲内にだけは手を差し伸べたがるしぐれにとって魔法少女は居心地の良いものだった。しかし永遠に魔法が使えなくなる総魔力切れを起こしてしまい、魔法少女を引退する。いきなり手の届く範囲が激減し自分の力のなさを痛感する。
そんなしぐれは同級生の伏名みとまに染髪に連れ出したり、少しずつ普通の生活に慣れようとする。そんな時に一人の怪しげなドレスの女に出会い……
魔法少女を引退してもなお大きくなる正義感にしぐれは振り回されてばかり……。そんな自分にしぐれは納得出来なかった。だから、魔法少女を引退した彼女が選んだのは魔女になることだった。
少年神官系勇者―異世界から帰還する―
mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる?
別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨
この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行)
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。
この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。
この作品は「pixiv」にも掲載しています。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる