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神気と力

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「兄貴はどうなってるんですか?」

「それは順調!御守りとの相性もいいようだし、身体の気も思ったより安定してる」

「でも長生きになったんですよね?爺ちゃんも」

「それもなんじゃが、祖母殿も翔平とよく似ておってのぅ。ま、翔平より見えるし器用じゃし問題もなければ更に長生きといったところじゃが……」

「俺ダメダメじゃん!」

「入れなかったらどうなるんだ?」

「兄貴!」

俺が受験生って主張してくれ!

「だって、お前が十七代目なんだろ?先のこと考えたら見えた方が良くないか?」

良くねぇよバカヤロー!

「まぁ、少しゆっくり考えて欲しいのじゃが、今回は次の神を頼もうと思っての」

「週二日!俺、落ちたくないんで」

「道真に頼めば良いのに」

「そうだ!そしたら祖母殿のおいしいごはんが……あっ!」

「大国さん!」

今、婆ちゃんのご飯は関係ないだろう!

「祖母殿ー」

「婆ちゃんを盾にしてもダメですよ?」

「とにかくじゃ、迦具土ならば少しはわかるじゃろうし、考えてみてくれんか?」

「考えるだけですからね?」

そう言うと、兄と石長さんを送ってくれると言うので、八意さんが庭に行き、何をしたのかわからなかったが兄達がフッと消えた。

「じゃあ、明後日にいつもの所に八時じゃ」

そう行って八意さんも言い逃げ。

ジロっと大国さんを見ると、さっきたくさん食べたはずなのに、お菓子箱からクッキーを両手に、口がモグモグと動いている。

呑気にしてるが、実際の所俺はどうすればいいんだ?

「迦具土、俺も一回大国さんの後頭部をハリセンで叩いていいかな?」

「いいぞ?確か台所にまだあったはずだ」

聞こえるように言うと、手に持ったクッキーは離さずに、「じゃあな!」と大国さんも逃げていった……

結局放置かよ!

部屋に行き、参考書を開いても頭に入らず、迦具土の部屋に行って、俺はどうしたらいいんだーと叫ぶと、「うるせぇ」としか返事が返ってこない。

眠そうにしているので寝たいのだろう。

だが俺は寝れない!

「こんなままじゃ、勉強なんて頭に入らないんだよ」

「あらかた聞いただろ?神気を入れるか入れないかだけだろーが」

「だってさー、変なの見たくないし、でも、あと何十年も当主なんだったら入れた方が良いんだろ?その位わかるけど、神気入れたら俺どうなるの?」

「あ、それか!」

それだよ!

気付けよバカ土!

「そうだなぁ。まず、お前の言う黒い影ってのがはっきり見えるようになるだろ?で、他の神と会っても今までより神気に当てられにくくなる。後は……良かったな、長生きする!」

「爺ちゃんと一緒じゃん」

「簡単に言うとそうなんだが少し違う」

「どこが?」

「爺さんは一旦神気を抜いてまた少し入れられてる。と言っても微々たるもので、爺さんは元々能力が高かったんだ。お前の場合、神気に神気を重ねるから、純平より神に近くなると言えばわかりやすいか?」

「やめてくれ……それ、笑えないから」

「要は、神気が濃くなる!考えたら簡単じゃねーか」

「アホか!俺は普通の男子高生だ!」

「かと言って、入れない訳にも行かないだろ?」

「頭では分かってるんだけど、心がついて行かない」

そう言うと、「心?」と言って自分の胸に手を置く迦具土。

お前に相談した俺が馬鹿だったよ!
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