八百万の学校 其の弐

浅井 ことは

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お盆祭り

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朝、起きると隣では兄が布団を畳んでおり、「お、目が覚めたか!健康優良児」などと言って笑わせてくる。

「うずめさんは?」

「もう大丈夫らしくて、ご飯がっついてた。俺らも早く行かないとなくなるぞ?」

「うん。迦具土は?」

「張り合って食ってる」

何となくわかってはいたが、だるさも残って居らず、兄の言うようにお腹がぐうぐうとなるほどの健康優良児!

布団を片付けて案内されて部屋に行くと、お櫃事ご飯とおかずを食べているうずめさん。

綺麗な人なのにものすごく残念!

「坊主、どうだ調子は」

「あ、はい。平気です。昨日はありがとうございました」

「いや、あれは儂らと同じようにやらせた大国が悪い。それにしても……兄の方はかなり力の制御ができておるな。ここで暮らして修行するか?」

「会社があるんで、また寄らせてもらいます」

その後もご飯が来るまで、兄をかなり勧誘のように誘うのは辞めてくれ。

「素戔嗚尊、純平の具現化が変わったのはいつだ?」

「あー、最初、伸び縮みする棒みたいだったんだが、もっとゴツイのにしたらどうだ?って言ったんだ。ほら、弁慶みたいなやつ。そう言ったらアレになった」

「俺もびっくりした。思い出した途端に変わるから……まぁ、ぶん回してただけだけど」

物騒なものを振り回すんじゃあない!

迦具土も何とか言ってくれと思うものの、いつもうずめさんに絡んでうるさいのに今日は大人しい……と言うより機嫌がかなり悪い。

「大国さん、これから俺たち帰れます?」

「ああ。一先ず全員祖父母殿のところに送る。純平は裏の庭から帰れるし。うずめ、お前とテチも帰ってゆっくりしろよ?」

「分かっておる。翔平、純平、済まなかったな……」

「いえ。でも、何があったんですか?」

「いや……。最初はテチに前を任せて上に登るつもりだったんじゃが、飛び上がった瞬間にあの仮面の妖が来て、首の後ろをこう……」と手刀の形で真似をしていたので、意識を奪われたんだと思いつつ、普通に気絶したと言ってくれと心の中で突っ込む。

「おい!翔平に言うことないのか?」

「迦具土?」

迦具土の一言で、ガタイのでかいテチと素戔嗚尊まで大人しくなり余計に不安になる。

ただでさえ、大国さんが絡むとろくな事がないのに、これ以上何があるって言うんだ?

早く言ってくれ!!!

「迦具土、何怒ってんの?」

「ったく!本人に自覚がないってのは厄介なもんだ……。お前、昨日俺とかなりでかい弓を何度か引いただろう?」

「うん。あれは俺一人じゃ無理だったもん。それがどうかした?」

「あれは……全部お前の力だ」

「言ってる意味が良くんかんないけど、迦具土がなにかしてくれてたんじゃないの?」

「俺は弓を引いただけだ。人のお前よりは力はあるからな。だが、あの弓をあんなに大きくするのには、何かしらの力がいる。無意識にお前が出した力だが、大国様の神気貰ってるだろ?その影響でお前達兄弟、特に翔平、お前の力が増えてる」

なんだと?

「あー、迦具土の言う通りでな、純平はほら、石長とのことがあるから力が出てきたのは分かるんだ。まさか、源三郎のように元々見えていた訳でもない翔平があんなに力を出せるとは思って無かったし、かと言って神気をもう少し薄くしようにも、体に馴染んでしまっててな……。うん、何ともならん!」

「兄貴は?」

「持久力とコントロールは流石は源三郎の孫と言ったところで、上手く神気とも体が馴染んでるから問題は無い。問題なのはお前なんだ……」

言っている意味が全くと言ってわからない!

もっと簡単に言ってくれ!!!

「迦具土、俺の体がおかしくなったって事?」

「寝てる間に少し体の気は探ったが、普通は体全体に大国様の気が流れてると言った感じになるんだが、お前のは、へその部分……そこに気の溜まるところがあるんだが、そこで渦巻いてる感じ?」

「で、何かなるの?俺……」

「純平より、神気が大きいって事になる」

大国さん、そういう事は早く言ってくれ……
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