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石長比売の決断
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「大国さん、兄貴と石長さんが結婚するのにはどうしたらいいんですか?」
「こちらでの、婚姻届というものは出せないから、人間の国では、純平は独身ということになるな。えーと、なんだ……じ、じ、じ?」
「事実婚のことか?」
「流石純平、よく知ってるな!それだ。だが、一緒に暮らせるぞ?行事の前後等は社に帰らないといけないが、それもアレだ。実家に帰らせていただきます!ってやつだ」
この言葉を聞いて、どれだけ奥さんにその言葉を言われてきたのだろうと、少し大国さんが気の毒になってしまう。
「大国さん、それって、ただの帰省じゃないですか?」
「え?そうなのか?俺の嫁達はよく言うぞ?そして本当に帰って来ないんだ。迎えに行くまで」
それを聞いて頭を抱える迦具土と祖父。
「大国様、事実婚と言っても石長さんは神様でしょう?そんなに社を開けるのは……」
「源三郎の言う通りだが、結婚しても今の女は働くのだろう?純平が仕事に行って、帰ってくるまで社にいるというのならば、問題は無い……が、上を説得……もうしなくてもいいか。俺の管轄だし?という事で、婚約おめでとう」
いいのか?
こんなに簡単に婚約でいいのか?
ものすごく怒ってる石長さんがとても怖いんですけど……
祖母がお茶を持ってきて、大国さんにいくつか質問しているが、結婚のことなんて俺にはさっぱりわからない。
「石長さん、石長さんは兄貴のこと嫌いなの?」
「そ、そそそそそんなことは……ただ、色々と迷惑をかけた上に、神気のこともあるから、私は元の神社の方で過ごしたいと……そうなれば、回復までに今まで溜めておいた神気があるから、早く良くなりはするので、完全に戻るまでどのくらいかかるかも分からないし。だから、このまま……」
「そしたらまた最初の引きこもりと同じになっちゃうじゃん」
「だろ?翔平よく言った」と、何故か頭を撫でられる。
「兄貴も茶化さないで……」
「いや、ある程度回復するまで、自分の神社にいても構わないし、俺も一度行ってみたかったから、行くって言ったら怒りだしちゃって。そしたらもう会わないだのなんだのと……」
「それって、兄貴は振られたってこと?」
「ち、違う!それは違う!!!」と叫ぶ石長さん。
女性の気持ち早くわからない……
「石長、お前、最初の結婚のこと気にしてるのか?」
あぁ、そうだった……
でも、それ言ったらダメなやつじゃ……
「お、大国様!!!」
もう悲鳴を通り越して、泣きそうな叫びに、流石の祖母も「さあさ、ちょっと横になりましょう」と客間へと連れていくのを迦具土が手伝い、また眠らせたらしく、兄に詳しく話せとせっついている。
「いや、話しただろう?」
「そうなんだが、石長が出戻りってのは知ってて言ったのかって事だ」
「ん?あぁ、なんか昔に学校で習ったような気がしないでもない」
「純平……お前は賢いのか馬鹿なのか……」
「爺ちゃん酷っ!」
「そうよ?あなたが石長さんと仲良くしているのは知ってたけど、女性の気持ちをもっと考えられる子だと思ってたのに……これじゃ高校生の翔平と変わりませんよ?」
「婆ちゃん、俺関係ないじゃん!」
「ちょっと待ってくれよ。俺だってちゃんと話を聞いた上で、治るまで待つって言ったんだよ。その後に、今まで周りには友達と言って色々出かけたりしてたけど、神様って知ってたし、それでも俺は真面目に接してきたとも伝えたんだ……そしたら怒り出してさ……なんでだろ?やっぱり俺、振られたのか?」
神様、兄のこの馬鹿さを何とかしてください……
あ、神様目の前にいるじゃん。
「こちらでの、婚姻届というものは出せないから、人間の国では、純平は独身ということになるな。えーと、なんだ……じ、じ、じ?」
「事実婚のことか?」
「流石純平、よく知ってるな!それだ。だが、一緒に暮らせるぞ?行事の前後等は社に帰らないといけないが、それもアレだ。実家に帰らせていただきます!ってやつだ」
この言葉を聞いて、どれだけ奥さんにその言葉を言われてきたのだろうと、少し大国さんが気の毒になってしまう。
「大国さん、それって、ただの帰省じゃないですか?」
「え?そうなのか?俺の嫁達はよく言うぞ?そして本当に帰って来ないんだ。迎えに行くまで」
それを聞いて頭を抱える迦具土と祖父。
「大国様、事実婚と言っても石長さんは神様でしょう?そんなに社を開けるのは……」
「源三郎の言う通りだが、結婚しても今の女は働くのだろう?純平が仕事に行って、帰ってくるまで社にいるというのならば、問題は無い……が、上を説得……もうしなくてもいいか。俺の管轄だし?という事で、婚約おめでとう」
いいのか?
こんなに簡単に婚約でいいのか?
ものすごく怒ってる石長さんがとても怖いんですけど……
祖母がお茶を持ってきて、大国さんにいくつか質問しているが、結婚のことなんて俺にはさっぱりわからない。
「石長さん、石長さんは兄貴のこと嫌いなの?」
「そ、そそそそそんなことは……ただ、色々と迷惑をかけた上に、神気のこともあるから、私は元の神社の方で過ごしたいと……そうなれば、回復までに今まで溜めておいた神気があるから、早く良くなりはするので、完全に戻るまでどのくらいかかるかも分からないし。だから、このまま……」
「そしたらまた最初の引きこもりと同じになっちゃうじゃん」
「だろ?翔平よく言った」と、何故か頭を撫でられる。
「兄貴も茶化さないで……」
「いや、ある程度回復するまで、自分の神社にいても構わないし、俺も一度行ってみたかったから、行くって言ったら怒りだしちゃって。そしたらもう会わないだのなんだのと……」
「それって、兄貴は振られたってこと?」
「ち、違う!それは違う!!!」と叫ぶ石長さん。
女性の気持ち早くわからない……
「石長、お前、最初の結婚のこと気にしてるのか?」
あぁ、そうだった……
でも、それ言ったらダメなやつじゃ……
「お、大国様!!!」
もう悲鳴を通り越して、泣きそうな叫びに、流石の祖母も「さあさ、ちょっと横になりましょう」と客間へと連れていくのを迦具土が手伝い、また眠らせたらしく、兄に詳しく話せとせっついている。
「いや、話しただろう?」
「そうなんだが、石長が出戻りってのは知ってて言ったのかって事だ」
「ん?あぁ、なんか昔に学校で習ったような気がしないでもない」
「純平……お前は賢いのか馬鹿なのか……」
「爺ちゃん酷っ!」
「そうよ?あなたが石長さんと仲良くしているのは知ってたけど、女性の気持ちをもっと考えられる子だと思ってたのに……これじゃ高校生の翔平と変わりませんよ?」
「婆ちゃん、俺関係ないじゃん!」
「ちょっと待ってくれよ。俺だってちゃんと話を聞いた上で、治るまで待つって言ったんだよ。その後に、今まで周りには友達と言って色々出かけたりしてたけど、神様って知ってたし、それでも俺は真面目に接してきたとも伝えたんだ……そしたら怒り出してさ……なんでだろ?やっぱり俺、振られたのか?」
神様、兄のこの馬鹿さを何とかしてください……
あ、神様目の前にいるじゃん。
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