48 / 103
救出!
.
しおりを挟む
「八意さん、爺ちゃんの時も少し神様の力みたいなのあげて、俺にもくれたんですよね?それとは違うんですよね?て事は、兄貴は神様になるんですか?」
「ならんならん。早々神にはならん。確かに、儂らの力を与えたものは多少寿命は長くなるが、それでも、代替わりで力は返してもらっておるから、普通の人のままじゃよ?今回の代替わりの後、祖父母殿にもほんのちょっと与えたから、更に寿命は延びておるが、人の範囲じゃ」
「でも兄貴は違うんですよね?その力を石長さんに返すって出来ないんですか?そしたら、石長さん元気になるんじゃ……」
「一瞬のことならの?今回は三日は気に触れておったし、石ちゃんが命をけずった結果じゃ。普通神はそんなことはしないのじゃ……じゃが、石ちゃんは純平を守りたかったのじゃろう。その想いが魂にも溢れておった。儂でもそればかりは取り切れん」
「少しは戻したってことですか?」
「表面的な部分は戻せれた。じゃから石ちゃんも時間はかかるがちゃんと力は戻る」
「良かった……」
兄を祖母と八意さんに任せ、大国さんと迦具土、テチと障子を開けて外を見ると、かなり空の色も戻り、もののけも少なくなってきている。
「翔平……あれが見えるか?」
大国さんが指をさしたところを見ると、龍の背に乗った道真さんが、明らかにウキウキしながら下に雷を落としまくっている。
乗ってたんだ……
「羨ましい……俺も今から乗りに「行かんでいいわ!」
迦具土のツッコミにしょぼんとしていたが、そんなに経っていないと思っていたのに、空が少しずつ明るくなり始めている。
「言ってる間に道真も戻ってくるだろう。迦具土と翔平はテチと何か握り飯でも作ってきてくれ。俺は明るくなり次第、夢殿の中に入る」
「危険じゃないんですか?」
「中は暗いからな。だが、あのまま何もしてこない訳には行かないから、術をかけてくる。それにしても、今回の件……何者か分からんが、姿も見せんとはな……」
「犯人探し……?」
「それは俺達がするからいい。腹が減ったから、スペシャルな握り飯を頼んだぞ」
テチと迦具土と一緒に、台所まで来たのはいいのだが、寝ている石長さんや兄貴、それに負傷しているという神様の食事がにぎりではまずいだろうとの話となり、起きられる神様たちには卵粥。
兄貴達はちゃんと目が覚めてからにしようということになり、おにぎりを、鮭・おかか・梅の三種類で握っていくが、スペシャルなおにぎりって何だろう?
「テチさん、大国さんの言っていたスペシャルなおにぎりって知ってます?」
「いや、沢山食べたいということでは無いのかなと……」
「違う違う。ほら、なんでもスペシャルに弱いだろ?全部混ぜて握りの中に入れればいいんじゃねーの?」
「それは美味しくないと思うんだけど」
普通でいいか!と沢山握って、お茶と一緒にお盆に乗せて持っていき、まずは看病してくれていた祖父母から配る。
その間に迦具土とテチがお粥を持って行ってくれたので、道真さん達がもどるのを待っていると、横から八意さんが、三つずつ包んでおいたらいいじゃろう?と言うので、それもそうかとラップでくるんで取り置きしておき、自分たちは次に何をさせられるのかわからないのでと先におにぎりを食べてしまう。
「ならんならん。早々神にはならん。確かに、儂らの力を与えたものは多少寿命は長くなるが、それでも、代替わりで力は返してもらっておるから、普通の人のままじゃよ?今回の代替わりの後、祖父母殿にもほんのちょっと与えたから、更に寿命は延びておるが、人の範囲じゃ」
「でも兄貴は違うんですよね?その力を石長さんに返すって出来ないんですか?そしたら、石長さん元気になるんじゃ……」
「一瞬のことならの?今回は三日は気に触れておったし、石ちゃんが命をけずった結果じゃ。普通神はそんなことはしないのじゃ……じゃが、石ちゃんは純平を守りたかったのじゃろう。その想いが魂にも溢れておった。儂でもそればかりは取り切れん」
「少しは戻したってことですか?」
「表面的な部分は戻せれた。じゃから石ちゃんも時間はかかるがちゃんと力は戻る」
「良かった……」
兄を祖母と八意さんに任せ、大国さんと迦具土、テチと障子を開けて外を見ると、かなり空の色も戻り、もののけも少なくなってきている。
「翔平……あれが見えるか?」
大国さんが指をさしたところを見ると、龍の背に乗った道真さんが、明らかにウキウキしながら下に雷を落としまくっている。
乗ってたんだ……
「羨ましい……俺も今から乗りに「行かんでいいわ!」
迦具土のツッコミにしょぼんとしていたが、そんなに経っていないと思っていたのに、空が少しずつ明るくなり始めている。
「言ってる間に道真も戻ってくるだろう。迦具土と翔平はテチと何か握り飯でも作ってきてくれ。俺は明るくなり次第、夢殿の中に入る」
「危険じゃないんですか?」
「中は暗いからな。だが、あのまま何もしてこない訳には行かないから、術をかけてくる。それにしても、今回の件……何者か分からんが、姿も見せんとはな……」
「犯人探し……?」
「それは俺達がするからいい。腹が減ったから、スペシャルな握り飯を頼んだぞ」
テチと迦具土と一緒に、台所まで来たのはいいのだが、寝ている石長さんや兄貴、それに負傷しているという神様の食事がにぎりではまずいだろうとの話となり、起きられる神様たちには卵粥。
兄貴達はちゃんと目が覚めてからにしようということになり、おにぎりを、鮭・おかか・梅の三種類で握っていくが、スペシャルなおにぎりって何だろう?
「テチさん、大国さんの言っていたスペシャルなおにぎりって知ってます?」
「いや、沢山食べたいということでは無いのかなと……」
「違う違う。ほら、なんでもスペシャルに弱いだろ?全部混ぜて握りの中に入れればいいんじゃねーの?」
「それは美味しくないと思うんだけど」
普通でいいか!と沢山握って、お茶と一緒にお盆に乗せて持っていき、まずは看病してくれていた祖父母から配る。
その間に迦具土とテチがお粥を持って行ってくれたので、道真さん達がもどるのを待っていると、横から八意さんが、三つずつ包んでおいたらいいじゃろう?と言うので、それもそうかとラップでくるんで取り置きしておき、自分たちは次に何をさせられるのかわからないのでと先におにぎりを食べてしまう。
0
お気に入りに追加
94
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
世界的名探偵 青井七瀬と大福係!~幽霊事件、ありえません!~
ミラ
キャラ文芸
派遣OL3年目の心葉は、ブラックな職場で薄給の中、妹に仕送りをして借金生活に追われていた。そんな時、趣味でやっていた大福販売サイトが大炎上。
「幽霊に呪われた大福事件」に発展してしまう。困惑する心葉のもとに「その幽霊事件、私に解かせてください」と常連の青井から連絡が入る。
世界的名探偵だという青井は事件を華麗に解決してみせ、なんと超絶好待遇の「大福係」への就職を心葉に打診?!青井専属の大福係として、心葉の1ヶ月間の試用期間が始まった!
次々に起こる幽霊事件の中、心葉が秘密にする「霊視の力」×青井の「推理力」で
幽霊事件の真相に隠れた、幽霊の想いを紐解いていく──!
「この世に、幽霊事件なんてありえません」
幽霊事件を絶対に許さない超偏屈探偵・青木と、幽霊が視える大福係の
ゆるバディ×ほっこり幽霊ライトミステリー!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

元魔法少女の後日談は珈琲が飲めるようになってから。
キリ
キャラ文芸
雨谷しぐれが魔法少女の頃はどんなところにでも手が届いた。手の届く範囲内にだけは手を差し伸べたがるしぐれにとって魔法少女は居心地の良いものだった。しかし永遠に魔法が使えなくなる総魔力切れを起こしてしまい、魔法少女を引退する。いきなり手の届く範囲が激減し自分の力のなさを痛感する。
そんなしぐれは同級生の伏名みとまに染髪に連れ出したり、少しずつ普通の生活に慣れようとする。そんな時に一人の怪しげなドレスの女に出会い……
魔法少女を引退してもなお大きくなる正義感にしぐれは振り回されてばかり……。そんな自分にしぐれは納得出来なかった。だから、魔法少女を引退した彼女が選んだのは魔女になることだった。
少年神官系勇者―異世界から帰還する―
mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる?
別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨
この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行)
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。
この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。
この作品は「pixiv」にも掲載しています。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる